【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):モノタロウ、三菱自、JR西日本
モノタロウ <日足> 「株探」多機能チャートより
EPSホールディングス<4282>が大幅に3日続伸。同社は2日取引終了後に、21年9月期第1四半期(20年10~12月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比95.6%増の14億4900万円となり、通期計画48億円に対する進捗率は30.2%となった。売上高は同10.4%増の166億1800万円で着地。国内でCRO(医薬品開発受託機関)事業がモニタリングを中心に稼働率が向上しているほか、CSO(医薬品販売事業受託機関)事業で医薬向けコントラクトMR(契約医薬情報担当者)やDI業務(医薬品の最新情報を医療関係者向けに提供するコールセンター業務)などが順調に進捗していることが寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■MonotaRO <3064> 6,180円 +660 円 (+12.0%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
MonotaRO<3064>がマドを開けて大幅高、一時880円の上昇で6000円大台を一気に回復する人気となった。工具や工場用品のネット販売を手掛けるが、低価格で充実した商品ラインアップを強みとし顧客需要の取り込みに成功している。2日取引終了後に発表した20年12月期決算は売上高が前の期比20%増の1573億3700万円、営業利益が同24%増の196億700万円と大幅増収増益を達成。主力の法人需要に加え、個人顧客の増加が収益押し上げ要因となっている。更に21年12月期見通しについても、売上高が前期比23%増の1942億2000万円、営業利益は同26%増の246億7800万円と、トップライン、利益ともに前期を上回る大幅な伸びを見込んでいることがサプライズを誘った。
■三菱自動車工業 <7211> 275円 +28 円 (+11.3%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
三菱自動車工業<7211>が商い急増のなか株価を大きく上昇させた。一時14.6%高の283円まで水準を切り上げ、約6カ月半ぶりの高値をつける場面があった。2日取引終了後、21年3月期の業績予想の修正を発表、営業損益は従来予想の1400億円の赤字から1000億円の赤字に400億円の上方修正となった。これを手掛かりに投資資金が集中する格好となった。東南アジアなど新車販売が回復色をみせていることや、固定費圧縮などの合理化効果も反映される見通し。直近の信用買い残は増勢にあったが、日々の出来高は高水準でそれほど重荷とはなっていない。
■タカラスタンダード <7981> 1,685円 +171 円 (+11.3%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
タカラスタンダード<7981>が急騰。2日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を1880億円から1900億円(前期比5.7%減)へ、営業利益を68億円から98億円(同22.4%減)へ、純利益を47億円から67億円(同22.5%減)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、新たな生活スタイル意識の芽生えや暮らし方の見直しなどにより、リフォーム売り上げが想定以上に伸びたことが要因。また、コスト削減の取り組みが引き続き寄与した。なお、同時に発表した第3四半期累計(20年4~12月)決算は、売上高1446億5800万円(前年同期比6.6%減)、営業利益90億7100万円(同26.9%減)、純利益63億1600万円(同27.5%減)だった。
■セプテニHD <4293> 526円 +47 円 (+9.8%) 本日終値
セプテーニ・ホールディングス<4293>が急伸。2日の取引終了後に発表した第1四半期累計(20年10~12月)連結決算が、売上高52億7500万円(前年同期比20.9%増)、営業利益12億500万円(同2.1倍)、純利益8億6500万円(同2.2倍)と大幅増益となったことが好感された。主力のデジタルマーケティング事業で、新型コロナウイルス感染症の影響に伴うオンライン消費拡大による需要の取り込みを実現したことに加えて、電通グループ<4324>との協業推進による効果が業績を押し上げた。また、在宅勤務体制が続き営業関連費用を中心にコストが抑制されたことも寄与した。なお、21年9月期通期業績予想は、売上高200億円(前期比11.5%増)、純利益17億8500万円(同21.9%増)の従来見通しを据え置いている。
■JR西日本 <9021> 6,072円 +390 円 (+6.9%) 本日終値
JR西日本<9021>は大幅続伸。株価は前日に比べ6%超高に買われた。岩井コスモ証券は2日、同社株の投資判断を「B+」から「A」に引き上げた。目標株価は5800円から6400円に見直した。第3四半期(20年4~12月)の営業損益は1755億6500万円の赤字となったが、11月までは順調に回復していた。しかし、足もとでは新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の影響で会社計画を下回ることは避けられないとみている。同証券では21年3月期の同損益は3200億円の赤字(会社予想は2900億円の赤字)と試算している。とはいえ、ワクチンも完成していることから宣言の解除後は速やかな経済活動の回復が期待できると予想。第4四半期が業績の二番底となる見通しで、株価は上昇が見込めるとみている。
■ニチレイ <2871> 3,105円 +190 円 (+6.5%) 本日終値
ニチレイ<2871>が3日ぶり反発、3000円台に切り返し5日移動平均線の上に浮上してきた。冷凍食品のトップメーカーで冷蔵倉庫でも業界首位に位置するが足もとの業績は好調に推移している。同社が2日取引終了後に発表した20年4~12月期決算は営業利益が前年同期比6.7%増の274億3100万円と好調だった。これを受けて21年3月期営業利益予想も従来見通しの320億円から325億円に増額した。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に巣ごもり消費が伸び、内食・中食需要が喚起されたことで同社の業績に追い風となっている。また、利益面では経費抑制や業務効率改善などの合理化努力が寄与している。これを評価する買いを引き寄せる格好となった。
■ダイセル <4202> 868円 +49 円 (+6.0%) 本日終値
ダイセル<4202>が後場上げ幅を拡大。午後1時30分ごろ、21年3月期の連結業績予想について、売上高を3680億円から3880億円(前期比6.0%減)へ、営業利益を220億円から280億円(同5.5%減)へ、純利益を140億円から180億円(同3.6倍)へ上方修正したことが好感された。自動車生産などの需要回復に伴い関連する製品の販売数量が伸びていることや、徹底したコストダウンを実行したことなどが寄与する。なお、同時に発表した第3四半期累計(20年4~12月)決算は、売上高2813億5900万円(前年同期比10.0%減)、営業利益187億2600万円(同17.3%減)、純利益112億3400万円(同2.4倍)だった。
■日油 <4403> 5,510円 +300 円 (+5.8%) 本日終値
日油<4403>が急伸。午後2時ごろ、21年3月期の連結業績予想について、売上高を1670億円から1690億円(前期比6.6%減)へ、営業利益を215億円から240億円(同10.7%減)へ、純利益を184億円から214億円(同1.2%増)へ上方修正したことが好感された。ライフサイエンスセグメントで衛生関連材料や医薬品原料などの需要が想定以上に好調に推移していることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた機能化学品セグメントで、自動車分野における需要回復などが想定を上回る見通しという。また、投資有価証券売却益を特別利益として計上したことも寄与する。なお、第3四半期累計(20年4~12月)決算は、売上高1208億円(前年同期比8.9%減)、営業利益179億2200万円(同8.1%減)、純利益160億9900万円(同8.1%増)だった。同時に、上限を90万株(発行済み株数の1.08%)、または40億円として自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は2月4日から6月30日まで。株主還元の充実及び資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするためとしている。
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