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【材料】シナネンホールディングス---3Qは営業利益が374.2%増、エネルギーソリューション事業が堅調に推移

シナネンHD <日足> 「株探」多機能チャートより

シナネンホールディングス<8132>は1月29日、2021年3月期第3四半期(20年4月-12月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比11.8%減の1,389.69億円、営業利益が同374.2%増の16.15億円、経常利益が同150.1%増の16.86億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同1.7%減の7.54億円となり、特に利益面で好調な着地となった。

エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)は、主力の「LPガス・灯油販売」で夏場の平均気温が平年と比較して高かったことによる影響に加え、新型コロナウイルス感染症拡大による営業自粛の影響で飲食店等向けの業務用LPガスの需要減等により、販売数量は低調に推移した。一方、利益面は、東日本エリアを中心に差益が改善し、前年同期比で損失幅が縮小した。また、当期より、西日本エリアも電力小売を開始し、新たな収益源確保の取り組みを推進している。

エネルギーソリューション事業(BtoB事業)は、主力の石油事業で同感染症拡大による産業用エネルギー等の需要低迷があったものの寒波の到来に伴う需要の増加により、前年同期を上回る販売数量を確保した。利益面は、原油市況の変化に対応した仕入施策が貢献し、計画以上の収益を確保した。電力事業では、契約電力量が伸長した。

非エネルギー及び海外事業は、詳細は下記の通りだが、全体として順調に推移した。
自転車事業は、同感染症拡大の影響で、新入学等の需要が当第1四半期にずれ込んだこと等で販売が順調に推移したほか、不採算店舗の閉店を進めるなど収益力の改善に努めた。
シェアサイクル事業は、新たな連携先の拡大や地方自治体との実証実験等により、首都圏を中心に拠点開発を進めた。2020年12月末現在、ステーション数は1,500ヵ所を超え、設置自転車数は7,300台超へ増加した。
環境・リサイクル事業は、同感染症の拡大の影響で建築廃材の発生が減少傾向にある中、低収益案件の販売数量を調整するなど収益確保の施策が奏功した。
抗菌事業は、世界的な同感染症拡大を受けて、北米のマスク向け抗菌剤の受注が大幅に拡大するなど好調に推移した。下期に入り北米向けは一段落したものの、急増した国内外からの問い合わせに対応すべく増産体制の整備に努めている。
システム事業は、電力自由化に対応した顧客管理システム(電力CIS)が堅調に推移した。
建物維持管理事業は、同感染症拡大に伴い管理する施設の休業等があったものの、病院等向けの感染症対策消毒の受注が増加するなど、全体としては前年同期並みの売上水準を確保した。

2021年3月期通期の連結業績予想については、寒波によるエネルギー需要の急増に起因する卸電力市場の取引価格高騰などプラス要因とマイナス要因が混在する先行き不透明な状況を踏まえ、期初予想の売上高2,260億円(前期比4.7%減)、営業利益22億円(同10.4%減)、経常利益18億円(同18.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益15億円(同49.8%減)を据え置いている。

《NB》

 提供:フィスコ

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