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【特集】アドバンクリエ Research Memo(4):2020年9月期はコロナ禍の影響で4期ぶりに減益も第4四半期は増収増益

Aクリエイト <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

1. 2020年9月期の業績概要
アドバンスクリエイト<8798>の2020年9月期の連結業績は、売上高で前期比1.4%増の10,510百万円、営業利益で同12.0%減の1,184百万円、経常利益で同15.6%減の1,095百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同17.1%減の700百万円と増収減益決算となった。売上高は5期連続増収、過去最高を更新したものの、各利益は4期ぶりの減益に転じた。

2019年10月以降、消費増税による景気の減速感から個人の生活防衛意識が高まり、保険へのニーズが増加するなかで、2020年9月期第2四半期までは順調に推移していたが、2020年4月以降、国内でコロナ禍の影響により対面営業を自粛するなど営業活動が制限を受けるなかで第3四半期の収益が大きく落ち込んだことが響いた。こうした状況により、会社計画比でも売上高で7.8%、営業利益で24.6%下回る結果となった。ただ、四半期ベースの推移を見ると、第4四半期には売上高で前年同期比6.4%増、営業利益で同9.9%増と増収増益に転じている。2020年3月よりビデオ通話システムによるオンライン面談を開始し、非接触での商談ニーズに応えてきたことで、対面型に加えてオンラインでの契約実績も徐々に増えてきたことが要因と考えられる。

売上原価率が前年同期の28.8%から30.0%へ上昇したが、これは広告仕入の増加が主因となっている。また、販管費はビデオ通話システムの導入等により通信費用や支払手数料が増加したが、その他経費の抑制に取り組んだことで前期比2.3%増にとどめた。そのほか、特別損失としてコロナ禍の影響による損失66百万円を計上している。

コロナ禍において外部環境が変化するなか、同社はオンライン保険相談に特化したビデオ通話システムの開発に取り組んだ。5G時代の到来をにらみ、2020年3月より他社ツールを使ってオンライン面談サービスを開始したが、保険相談に適したカスタム機能の追加が困難だったことから、同社で保険相談に特化したシステムの開発に5月から着手し、10月より直営コンサルティングプラザにてテスト運用を開始している。運用面で問題がなければ、2021年以降、協業店などへ外販も進めていく予定である。また、コンサルティングプラザには引き続き、「オフラインならではの感動体験」と高品質なコンサルティングサービスを提供すべく、2020年5月に横浜コンサルティングプラザの増床リニューアルを実施した。2021年には神戸コンサルティングプラザの移転増床も予定しており、引き続きオンラインとオフラインを組み合わせたOMO戦略を推進していく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

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