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【特集】来年は丑(うし)年、経験則ではブルよりベアの年!?(和島英樹)

「明日の好悪材料Next」~第31回

和島英樹和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

【今回チェックした「明日の好悪材料」記事一覧】
12月18日分
12月21日分
12月22日分
12月23日分
12月24日分

12月18~24日は、RIZAPグループ<2928>の子会社再編、クスリのアオキホールディングス<3549>の好調決算、JCRファーマ<4552>の新薬開発進展などがあった。来年の株式市場は、「つまずく丑年」で注意が必要との見方も。

12月18日分 ジーンズメイト<7448>
■好悪材料~ワンダーコーポレーション<3344>、HAPiNS<7577>と21年4月1日に経営統合。共同株式移転の方式で持株会社REXTを設立する。株式の割当比率はワンダコーポ1:ハピンズ0.44:ジンズメイト0.52。持株会社および3社はRIZAPグループ<2928>の子会社となる

減量のためのジムなどを運営するRIZAPグループ<2928>は18日、カジュアルウェア専門店を展開するジーンズメイト<7448>、ゲームソフトなどを扱うワンダーコーポレーション<3344>、インテリア雑貨のHAPiNS<7577>の傘下3社を経営統合すると発表した。

株式移転により、共同持株会社「REXT(レクスト)」を設立。3社は臨時株主総会を経て、21年3月30日付けで上場廃止となる一方、REXTが同4月1日付でジャスダック市場に上場する見込み。

3社はRIZAPのコア事業領域の一つである「ライフスタイル」セグメントに属している。消費者の節約志向や人件費や物流費の上昇に加え、新型コロナ感染の影響もあり苦戦を強いられてきた。

経営基盤の安定にためには早期にECなどの非対面事業へ移行し、高付加価値PB(プライベートブランド)商品を拡充することが不可欠と考え、ビジネスモデルの転換などが急務となっていた。

しかし、独立した上場会社間のシナジー発揮には限界があるとして、発表資料では「3者は本経営統合を通じて競争力強化と収益力の拡大を図ることで合意した」としている。

RIZAPは度重なる買収で成長したものの、シナジーが不透明として直近では株価が低迷している。統合での立て直しの行方が注目される。RIZAPはREXTの株式の約69.8%の株式を保有する見込み。

■『株探』プレミアムで確認できるジーンズメイトの四半期決算の成長性推移
【タイトル】

ドラッグストアの中堅だが、北陸では最大手。東海や近畿にも進出。関西に出店拡大など、勢力を広げている。

12月21日分 クスリのアオキホールディングス<3549> ~ ☆テクニカル・チェック銘柄
■好悪材料~上期経常が28%増益で着地・9~11月期も17%増益

2021年5月期の第2四半期累計(5月21日~11月20日)の決算は、売上高が1507億1600万円(前年同期比2.9%増)、営業利益84億8100万円(同27.9%増)となった。営業利益は会社計画81億8800万円を上回っての着地となった。

増収増益の要因は、感染防止対策でマスクや消毒液などの衛生関連商品、外出の自粛に伴う食料品・日用品などの需要が増加し、来店客の増加がみられたこと。新規出店は東北、関東などに25店舗。ドラッグストア併設調剤薬局は49薬局を開設した。

通期の業績予想に変更はなく、売上高3120億円(前期比3.9%増)、営業利益165億円(同0.9%増)、1株利益374.2円を計画している。営業利益の上期時点での進ちょく率は51.4%。

株式チャートをチェックすると、週足の一目均衡表では、転換線8680円(24日現在)がサポートラインとして機能している。

一方、26週前の価格である遅行スパンが実態線(ローソク足)の下で推移しておりやや上値は重い印象。また、雲のように見える抵抗帯に沿っての値動きとなっている。

当面は横ばいでも抵抗帯の上を通過できる。仮に転換線を下回り、抵抗帯に入るとトレンド転換の可能性が浮上する。

■クスリのアオキホールディングスの週足チャートと一目均衡表(2017年12月末~)【タイトル】

12月22日分 JCRファーマ<4552>
■好悪材料~ブラジルで血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤「JR-141」の製造販売承認を申請

遺伝子組み換えヒト成長ホルモン製剤が主力の開発型の医薬品企業。血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo(ジェイ・ブレイン・カーゴ)」に強みがある。日本初の再生医療製品で、白血病の合併症に使われる「テムセル」を手がける。

J-Brain Cargoは脳組織に効率的に薬剤を届ける技術。難病に指定されているライソゾーム病の多くで見られる発達障害や言語障害を起こす脳の中枢神経症状の改善には、医薬品の有効成分を中枢神経に届ける高度な技術開発が求められている。

血液脳関門を通過するだけではなく、これまで薬を届けることが難しいとされていた骨格筋にも効率的に薬を届けられる特徴を持っているという。ハンター症候群は遺伝病で、乳児期から関節の固まり、骨格変形、低身長などの症状が出るライソゾーム病の一種。

「JR-141」はブラジルの臨床試験で、有効性、安全性が確認され、申請の運びとなっている。日本では今期中にも承認される可能性がある。

J-Brain Cargoは、長期的にはアルツハイマー型認知症などの中枢神経疾患の治療薬としての開発も期待される。脳に薬を届けられることが最大のポイントだ。

■『株探』プレミアムで確認できるJCRファーマの通期業績の成長性推移
【タイトル】

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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