【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「待つも相場」
株式評論家 富田隆弥
◆新型コロナウイルスに振り回された2020年。菅首相のGoTo迷走、東京都の新規感染者数822人(17日)など、年の瀬になっても慌ただしさは増すばかり。筆者は多くの方とお会いして取材するのが仕事だが、振り返れば今年ほどお会いすることができなかったことはない。電話やメールでやり取りはするものの、すべて録音されている時代では核心に迫る話を聞きだすのは難しい。果たして、新年はお会いできるだろうか、新型コロナは収束するのだろうか。不安は拭えない。
◆株式市場も今年はコロナショックに見舞われ、日経平均株価は3月に1万6358円まで突っ込んだ。ただ、そこから大きく戻して12月になんと29年ぶりとなる2万6894円の高値をつけた。新型コロナに打ち勝つべく、株式市場は上昇することで日本を応援・支援したと言えるだろう。この頑張りを新年も期待したい。
◆さて、12月の日経平均は2万6000円台後半で足踏みが続く。11月の急上昇の後だけに利益確定の売りが出やすく、11日のメジャーSQ(先物・オプション清算日)を通過して買い戻しの勢いも一旦ピークアウト。そして、外国人投資家はクリスマス休暇を控えてポジション調整に動くタイミングだ。
◆それらを踏まえるなら、ここでの足踏みは仕方がなく、過熱を帯びていたテクニカル指標を冷ます意味で健全なスピード調整になろう。ただ例年、クリスマスウィークから新年大発会(21年1月4日)までは外国人投資家の参加が遠のき、調整が年末年始まで少し長引くこともある。その点は1つイメージしておきたい。新春相場に期待は抱くものの、年末年始はチャンスを待つのも一策となろう。
(12月17日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース