【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 12月20日版

目先はっきりとした上昇場面となるなら、2021年に3万3000円目指す公算も
1.日経平均株価は来年3万3000円以上を目指す可能性がある
　 日経平均株価は2018年10月の高値2万4448円を大きく上回る展開となったことで、来年以降の価格が3万2538円を大きく上回る動き（3万3000円以上が目標値）になることを考えておく必要が出てきました。
　今回の目標値は短期的なものではなく、2008年10月以降の上昇局面全体の目標値になるため、数年かけて到達することも考えられます。ただ、来年以降、新型ウイルスが終息して、経済が通常運転に戻って行く過程で、本年の歳出拡大のつけが回ってくるはずです。
　図1は、上段が1970年から2020年11月までの日本のマネタリーベースの推移、下段が日本の決算ベースの歳出額の推移を示しています（2020年は予算です）。これを見ると、本年が突出していることがわかります。
　金融、財政を引き締めた場合、市場へ向かう資金量に影響を受けやすい日経平均株価は、上値を抑えられる動きへ入ると考えられます。
　そのため、日経平均株価が3万3000円以上へ到達するならば、それは政府、日銀が積極的な財政、金融政策を継続する可能性がある来年までの動きだと考えられます。
図1　日本のマネタリーベース、歳出の推移

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