【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):レノバ、ラウンドワン、三菱重
レノバ <日足> 「株探」多機能チャートより
エンプラス<6961>が大幅高で5日ぶりに反発。16日の取引終了後、上限を50万株(発行済み株数の4.19%)、または12億5000万円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。取得期間は20年11月17日から21年3月31日までで、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするためとしている。同時に、11月30日付で500万株(発行済み株数の27.42%)の自社株を消却すると発表した。消却後の発行済み株数は1323万2897株となる予定だ。
■レノバ <9519> 2,576円 +240 円 (+10.3%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
レノバ<9519>の上げ足が止まらない。目先筋の利益確定売りを吸収し5連騰、連日の上場来高値と気を吐いている。次期米大統領にバイデン氏が就任することが確実視されるなか、同氏はクリーンエネルギー関連に4年間で2兆ドルという過去最大規模のインフラ投資を行う計画を掲げており、この環境政策への取り組みが日米株式市場でも投資テーマとして浮上している。菅政権でも、地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」を視野に入れながら、2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を明示しており、関連銘柄に追い風となった。そのなか太陽光発電を中心に再生可能エネルギー事業に特化するレノバは、個人の短期資金だけでなく、一部ファンド系資金とみられる大口の買いも観測されている。
■イオンファンタジー <4343> 2,430円 +211 円 (+9.5%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
イオンファンタジー<4343>が続急伸。16日の取引終了後に発表した10月度の売上概況で、国内既存店売上高が前年同月比9.7%減となり、8月の同38.5%減、9月の同26.4%減に比べて減収率が縮小していることから、改善傾向が継続しているとの見方が強まっているようだ。新型コロナウイルスに対する高いレベルの防疫対策を実践していることなどが寄与し、来店客数がほぼ前年並みに回復。また、「鬼滅の刃」の展開強化を徹底した上で、限定のサンリオキャラクターや菓子メーカーとのタイアップ企画など人気商材を投入したプライズ部門が牽引役となったとしている。なお、11月足もとの状況も引き続き堅調に推移しているという。
■市光工業 <7244> 523円 +44 円 (+9.2%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
市光工業<7244>が急伸。16日の取引終了後、20年12月期の連結業績予想について、売上高を1100億円から1110億円(前期比16.6%減)へ、営業利益を10億円から15億円(同76.7%減)へ、純利益を4億円から11億円(同78.9%減)へ上方修正したことが好感された。日本の自動車生産台数の減少幅が縮小するなど下げ止まりの傾向がみられ、足もとの収支状況が改善していることや、第3四半期に営業外収益に計上した投資有価証券売却益6億7500万円などを考慮したという。なお、第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高793億8800万円(前年同期比20.8%減)、営業利益4億5000万円(同91.8%減)、純利益3億2500万円(同91.5%減)だった。
■ラウンドワン <4680> 892円 +59 円 (+7.1%) 本日終値
ラウンドワン<4680>が大幅続伸。ボウリングやカラオケなど複合遊技施設を展開するが、新型コロナウイルス拡大の影響が直撃し業績は低迷を強いられている。20年4~9月期は休業を余儀なくされる店舗が続出したことから、営業損益は143億1100万円の赤字(前年同期実績は58億1300万円の黒字)と大きく落ち込んだ。ただ、株式需給面をみると株価の下落を見込んだ空売りが積み上がっており、直近信用倍率は0.45倍と売り残が買い残の2倍以上に膨らんでいるほか、日証金では株不足で逆日歩が付く状態にある。ここ全体相場はワクチン開発期待を背景にコロナ禍で売り込まれた銘柄が相次いでリバウンド局面に入っており、同社株もその流れに乗る形で空売り筋の買い戻し圧力が強まっている。
■三菱重工業 <7011> 2,619円 +171 円 (+7.0%) 本日終値
三菱重工業<7011>が大幅続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「1千キロメートル離れた場所から複数のドローンをまとめて操作できるシステムを2021年度にも実用化する」と報じられており、これが好材料視されたようだ。記事によると、機体の安定飛行を可能にする防衛技術を民間向けに転用し、一般的な商用ドローンでは難しい高度な制御を実現したという。また、25年度までにはドローンで撮影したデータの解析サービスも始めるとあり、ドローンビジネスの拡大を促す技術として関心を集めている。
■グリムス <3150> 2,270円 +109 円 (+5.0%) 本日終値
グリムス<3150>が5連騰し年初来高値を更新している。16日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、11月24日付で東証2部から東証1部へ指定されることになったと発表しており、TOPIX連動ファンドによる買い需要を先取りする形で買いが入った。同社は、電力需要家向けにエネルギー関連商材を販売するほか、電力小売も展開している。21年3月期連結業績予想は、売上高168億5300万円(前期比8.8%増)、経常利益23億1800万円(同6.9%増)を見込む。
■JR東日本 <9020> 6,515円 +255 円 (+4.1%) 本日終値
JR東日本<9020>が大幅高となったほか、JR西日本<9021>、JR東海<9022>なども足並みを揃え水準を切り上げている。米国ではワクチン開発期待を背景に景気敏感セクターに買いが誘導されているが、東京市場もこの流れが波及している。そのなか、足もとの収益は厳しいものの、PBRなどから割安感があり、景気回復への期待を背景に業績が今後大底を離脱するとの思惑が電鉄セクターへの買いに反映されている。なお、きょうは東武鉄道<9001>、東急<9005>、京王電鉄<9008>などの私鉄株も総じて高い。
■国際石油開発帝石 <1605> 570円 +22 円 (+4.0%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>といった資源開発関連株やNEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN<2038>など原油市況に連動するETNが買い優勢の展開となった。米国では製薬大手ファイザーに続き、バイオ医薬品のモデルナがコロナワクチンの最終治験で94.5%の有効性を得られたと発表するなど、ワクチン開発への期待が一段と高まったことから株式市場はリスク選好の流れが強い。特に、ワクチン開発により経済活動の正常化が早まるとの見通しで景気敏感株への買いを誘導しており、原油市況も経済回復期待を背景とした需要拡大の思惑から上昇基調を強めている。前日のWTI原油先物価格は1ドル21セント高の1バレル=41ドル34セントと3日ぶり急反発した。これに歩調を合わせ米国株市場ではシェブロンが7%超の上昇、エクソンモービルも6%近く株価を切り上げるなどエネルギー関連株が値を飛ばしており、その地合いが東京市場にも波及している。
■三菱UFJ <8306> 479.4円 +18.3 円 (+4.0%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>など大手生保株が軒並み上値指向を強めている。米国ではワクチン開発期待を背景とした景気回復への思惑から長期金利が上昇傾向にある。米10年債利回りは前日終値ベースで0.9%台に再浮上1%ラインを意識する局面に入っている。米国株市場では10年債利回りの上昇による運用環境の改善が見込まれる大手銀行株が一斉高に買われており、東京市場にもこの地合いが波及する形となっている。
株探ニュース