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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

シンフォニア <日足> 「株探」多機能チャートより

■シンフォニア <6507>  1,195円 (+69円、+6.1%)

 シンフォニア テクノロジー <6507> が急反発。5日午後1時40分ごろ、21年3月期の連結業績予想について、営業利益を25億円から29億円(前期比5.5%減)へ、純利益を17億円から22億円(同30.3%増)へ上方修正したことが好感された。売上高は800億円(同10.9%減)の従来見通しを据え置いたものの、モーション機器事業の航空宇宙部門で新規案件の費用増が収束しつつあることや、現在取り組んでいる収益緊急対策による費用削減の効果などにより利益を押し上げる見通しだ。なお、同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高398億100万円(前年同期比2.0%増)、営業利益15億6800万円(同6.5倍)、純利益12億5700万円(同11.0倍)だった。

■静ガス <9543>  981円 (+54円、+5.8%)

 静岡ガス <9543> が急反発。同社は4日大引け後に決算を発表。20年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結経常利益は前年同期比21.5%減の68.7億円に減った。しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の58.3億円→64.3億円(前期は85.3億円)に10.3%上方修正し、減益率が31.7%減→24.7%減に縮小する見通しとなった。

■ABCマート <2670>  5,730円 (+290円、+5.3%)

 エービーシー・マート <2670> が大幅3日続伸。4日の取引終了後、10月度概況を発表しており、既存店売上高は前年同月比4.1%増と9ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。前年に比べて土曜日が1日多く祝日が2日少ない曜日並びだったが、郊外の大型ショッピングセンターやオンラインが好調に推移したことが寄与した。商品面では、気温が低くなったことから秋冬の季節品が好調となった。なお、全店売上高は同0.8%増だった。

■SBG <9984>  6,870円 (+335円、+5.1%)

 ソフトバンクグループ <9984> が急反発、約5%の上昇で6870円の高値引けとなった。売買代金は東証1部銘柄のなかで首位。ここ米国株市場ではハイテク株への買い戻しが加速し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は前日4日終値ベースで430ポイントあまりの大幅高をみせた。今年夏場にソフトバンクGは米ハイテク株のコール・オプションを大量に購入していたことが観測され、以来ナスダック指数との株価連動性が意識されやすくなっている。また前日の米国株市場で、同社が出資する米配車大手ウーバーテクノロジーズの株価が急騰、終値ベースで14.6%高に買われたことも追い風材料となったとみられている。

■アクシアル <8255>  4,670円 (+185円、+4.1%)

 アクシアル リテイリング <8255> が大幅反発。4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を2420億円から2500億円(前期比3.8%増)へ、営業利益を83億円から107億円(同13.0%増)へ、純利益を55億円から67億円(同7.4%増)へ上方修正したことが好感された。上期において新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う内食・中食需要の高まりを背景に売上高が計画を上回ったことが要因という。なお、上期業績の好調を受けて、中間配当を20円から25円へ引き上げ、年間配当を77円にするとあわせて発表した。同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高1290億7300万円(前年同期比8.8%増)、営業利益71億5200万円(同56.6%増)、純利益50億5700万円(同62.6%増)だった。

■ニチレイ <2871>  2,851円 (+112円、+4.1%)

 ニチレイ <2871> が3日続伸。4日の取引終了後、21年3月期連結業績予想について、営業利益を315億円から320億円(前期比3.1%増)へ上方修正したことが好感された。主力の加工食品事業で外食向け業務用調理品の販売回復が遅れていることから、売上高は5850億円から5715億円(同2.3%減)へ下方修正した。ただ、低温物流事業で家庭向け需要が増加していることでTC(通過型物流センター)の取り扱いが拡大していることや、全社的なコスト抑制が利益を押し上げる見通し。また、従来22円を予定していた期末配当を6円増額して28円とするとあわせて発表しており、これも好材料視された。20年12月に創立75周年を迎えることから、記念配当6円を実施する。年間配当は50円(従来予想44円)となり、前期実績に対しては8円の増配となる予定だ。なお、同時に発表した第2四半期累計(4-9月)連結決算は、売上高2817億6200万円(前年同期比3.5%減)、営業利益167億4500万円(同11.7%増)だった。

■東エレク <8035>  29,050円 (+1,140円、+4.1%)

 東京エレクトロン <8035> が大幅続伸となったほか、レーザーテック <6920> も急伸するなど半導体製造装置関連株が買いを集めた。前日4日の米国株市場では長期金利の急低下を背景にハイテク株が買いを集め、ナスダック総合指数の上昇率が3.9%に達するなど異彩を放った。そうしたなか、半導体関連株の上げ足が際立っており、エヌビディアやザイリンクスが6%前後の上昇、アプライドマテリアルズは5%弱の上昇と投資資金が集中した。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は終値ベースで80ポイント超の上昇と約半年ぶりの上げ幅を記録、この流れを東京市場も引き継ぎ、同関連株の物色人気が高まった。世界的な5Gの普及やリモートワークの導入加速を背景とするデータセンターの増設で、半導体需要は中期的に拡大基調をたどるとの見方が強い。

■三井海洋 <6269>  1,611円 (+59円、+3.8%)

 三井海洋開発 <6269> が3日続伸。同社は4日取引終了後、決算発表を行い20年12月期の連結営業損益予想を従来の200億円の赤字から170億円の赤字(前期は48億4100万円の赤字)に修正することを明らかにした。建造工事の進捗や追加工事代金の回収などが赤字幅縮小に寄与する。売上高は2800億円(前期比15.8%減)、最終損益は100億円の赤字(前期は182億2700万円の赤字)で据え置いた。市場には、今期業績予想は保守的であり最終的には営業損益は160億円程度の赤字で着地するのではないか、との見方も出ている。

■アンリツ <6754>  2,325円 (+83円、+3.7%)

 アンリツ <6754> が大幅続伸し5日移動平均線を上回ってきたほか、リバーエレテック <6666> [JQ]、ネットワンシステムズ <7518> など次世代通信規格「5G」関連に位置づけられる銘柄に買いが流入した。通信メガキャリア3社が揃って5G関連投資を強める姿勢を示している。日本経済新聞によると、ソフトバンク <9434> とKDDI <9433> は今後10年で基地局整備などにそれぞれ2兆円を投じる計画にあるほか、NTTドコモ <9437> は23年度までに1兆円を投資する方針にあることが報じられている。こうしたなか、5G向け通信計測器のトップメーカーであるアンリツをはじめ、世界最小クラスのATカット水晶振動子や音叉型水晶振動子で5G関連需要を捉えるリバーエレク、通信ネットワーク環境の構築で実績が高く5G投資の恩恵を受けやすいネットワンなどは収益機会が高まるとの思惑が足もと投資資金を誘導している。

■セガサミー <6460>  1,366円 (+44円、+3.3%)

 セガサミーホールディングス <6460> が3日続伸。5日午後0時30分ごろ、保有する政策保有株式の一部を売却したのに伴い、21年3月期第3四半期決算で投資有価証券売却益約59億円を特別利益として計上すると発表しており、これが好感された。

■スカパーJ <9412>  472円 (+14円、+3.1%)

 スカパーJSATホールディングス <9412> が大幅高で3日続伸。4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、営業利益を120億円から160億円(前期比4.8%増)へ、純利益を80億円から110億円(同8.5%減)へ上方修正したことが好感された。メディア事業で、大型イベントの中止などにより収益減少が見込まれることから、売上高は1400億円から1390億円(同0.4%減)へ下方修正したが、メディア事業における減収に伴う費用の減少とコスト構造の見直しが進んでいることが利益を押し上げる。また、宇宙事業で航空機内Wi-Fi需要を中心に保守的に見込んでいた衛星回線利用に伴う収益が改善する見通しのほか、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う運営コストの低減や一部の先行費用の発生延期などによる費用の減少が見込まれるという。なお、同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高697億7300万円(前年同期比0.7%増)、営業利益111億1600万円(同33.4%増)、純利益78億6500万円(同32.3%増)だった。

■フリー <4478>  9,000円 (+250円、+2.9%)

 東証マザーズ指数が連日の大幅上昇、75日移動平均線をターニングポイントに急速なリバウンド局面に入っている。5日は一時1264.77まで水準を切り上げ、前日分と合わせた上昇率は9.5%に達した。「米国株市場でナスダック総合指数の上昇が目立っており、マザーズ市場にその流れが波及する形で、これまで外資系経由で売り建てられていた株の買い戻しが一気に加速した」(国内ネット証券)という。個人投資家は追い証発生に伴う投げ売りがみられていたが、状況が一変する形となった。時価総額上位10傑にランクされているフリー <4478> [東証M]やラクス <3923> [東証M]、弁護士ドットコム <6027> [東証M]、JMDC <4483> [東証M]、BASE <4477> [東証M]、AI inside <4488> [東証M]、マネーフォワード <3994> [東証M]などが軒並み大きく買われ、流れの変化を象徴している。

■エフピコ <7947>  4,360円 (+90円、+2.1%)

 エフピコ <7947> が4日続伸。5日付の日刊工業新聞で「新型コロナウイルスの影響で、デリバリーやテークアウト向け食品容器の需要が大幅に増加している」と報じられており、「増産を前倒しして需要増に応える計画だ」とあることから、増産効果による業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。10月30日に発表した第2四半期累計(4-9月)連結決算によると、製品出荷枚数は前年同期比5.9%増となっており、特にデリバリー・テイクアウト容器の需要が増加しているという。下期も増加が見込まれていることから、増産に乗り出すようだ。

※5日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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