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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):アドテスト、エプソン、パナソニック

アドテスト <日足> 「株探」多機能チャートより
■セプテニHD <4293>  384円  +80 円 (+26.3%) ストップ高   本日終値
 セプテーニ・ホールディングス<4293>は一時ストップ高に買われ年初来高値を更新した。29日の取引終了後に発表した20年9月期の連結決算(国際会計基準)で、最終損益は14億3700万円の黒字(前の期は5億4700万円の赤字)に浮上し、従来計画の11億円の黒字を上回って着地。続く21年9月期の同利益は前期比24.2%増の17億8500万円に伸びる見通しとなり、これが好材料視された。前期は主力のデジタルマーケティング事業で電通グループ<4324>協業の顧客数が堅調に増加したほか、7月以降にゲーム、マンガ、動画配信、ネット通販などの広告主を中心としたオンライン消費の需要を取り込み、広告案件が拡大した。今期はデジタルマーケティング事業の成長が継続し、メディアプラットフォーム事業は赤字幅が縮小する見通しだ。

■Jストリーム <4308>  4,440円  +700 円 (+18.7%) ストップ高   本日終値
 Jストリーム<4308>がストップ高の4440円に買われた。29日の取引終了後、21年3月期連結業績予想について、売上高を103億円から119億円(前期比41.0%増)へ、営業利益を9億円から18億円(同3.3倍)へ、純利益を5億8000万円から12億円(同4.8倍)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の拡大以降、インターネットを通じた動画によるコミュニケーションの利用がビジネス用途、エンターテインメント用途ともに増加傾向にあり、同社でも医薬系のプロモーション用途利用をはじめとした需要全般が急増していることが要因としている。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高56億4000万円(前年同期比55.8%増)、営業利益9億3400万円(同6.6倍)、純利益6億700万円(同14.1倍)だった。

■サンケン電気 <6707>  3,325円  +405 円 (+13.9%) 一時ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ
 サンケン電気<6707>が急騰、東証1部値上がり率トップに買われる人気となった。朝方は値がつかずカイ気配のまま水準を切り上げ、寄り付き段階で500円高はストップ高となる3420円をつけた。同社の米半導体子会社アレグロ・マイクロシステムズが29日米ナスダック市場新規上場したが、集中人気となり、時価総額は日本円にして4000億円近くに達したことが話題となった。サンケンの時価総額はきょうのストップ高後の水準で換算しても850億円強に過ぎない。子会社上場のインパクトは大きく、含み資産拡大を背景に投資資金の食指を動かす格好となった。

■オカムラ <7994>  796円  +79 円 (+11.0%)  本日終値  東証1部 上昇率2位
 オカムラ<7994>が急騰。29日の取引終了後、21年3月期上期(4~9月)の連結経常利益を従来予想の11億円(前年同期比78.9%減)から35億円(33.0%減)へ3.2倍も上方修正しており、これを好感する買いが入った。新型コロナウイルス禍での働き方に対応したオフィス改装が本格化し、オフィス家具の販売が伸びたことが寄与した。また、商環境事業で店舗運営の繁忙で滞っていた改装需要が回復したことなども上振れに貢献した。なお、通期の経常利益は従来予想の90億円(前期は147億1200万円)を据え置いている。

■島忠 <8184>  5,530円  +470 円 (+9.3%)  本日終値  東証1部 上昇率4位
 島忠<8184>はカイ気配スタートで急伸。29日の取引終了後、ニトリホールディングス<9843>が同社に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。TOB価格が前日終値を8.7%上回る1株5500円とあって、株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買い付け開始は11月中旬を目指すとしている。

■アドバンテスト <6857>  6,030円  +510 円 (+9.2%)  本日終値  東証1部 上昇率5位
 アドバンテスト<6857>が高い。同社は29日取引終了後21年3月期の業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の450億円から525億円(前期比11%減)に大幅増額しており、事前の市場コンセンサスも上回ったことでこれを手掛かり材料に買いを引き寄せた。世界的な5G商用サービスのスタートなどを背景に半導体設備投資需要が喚起され、ここ半導体製造装置メーカーの収益回復色が強まっており、同社もその流れに乗っている。同日に東京エレクトロン<8035>も21年3月期の業績予想を増額しており、営業利益は従来予想の2750億円から2810億円(前期比18%増)に修正したが、こちらは株価に織り込みが進んでいたとみられ目先筋の利益確定売りが出てやや上値が重い。

■KADOKAWA <9468>  3,160円  +263 円 (+9.1%) 一時ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率6位
 KADOKAWA<9468>が一時ストップ高の3400円に買われ、年初来高値を更新した。29日の取引終了後、従来未定としていた21年3月期業績予想について、売上高2080億円(前期比1.6%増)、営業利益105億円(同29.8%増)を見込むと発表しており、営業利益で90億円前後を見込んでいた市場予想を上回り、これがポジティブサプライズとなった。成長事業として位置付けている書籍、アニメ、ゲーム、教育の4事業が通年にわたりグループを牽引し、過去最高の営業利益を見込むとしており、予想される新型コロナウイルス感染症の第3波の環境下でも安定性と成長力を確保しているという。なお、前期にあった子会社の売却に伴う売却益などがなくなるため、純利益は73億円(同9.9%減)を見込んでいる。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)連結業績は、売上高975億5300万円(前年同期比2.9%減)、営業利益78億4700万円(同22.8%増)、純利益52億600万円(同16.1%減)だった。

■セイコーエプソン <6724>  1,204円  +77 円 (+6.8%)  本日終値  東証1部 上昇率8位
 セイコーエプソン<6724>が急反発し一時、前日比153円(13.6%)高の1280円に買われた。29日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を9300億円から9600億円(前期比8.0%減)へ、営業利益を160億円から280億円(同29.1%減)へ、純利益を10億円から80億円(同3.4%増)へ上方修正したことが好感された。プリンター事業では新型コロナウイルスの影響による在宅需要や外出規制緩和に伴う経済活動再開などにより、大容量インクタンクモデルやインクカートリッジモデル本体に加え、インクの販売が増加した。また、プロフェッショナルプリンティング事業では経済活動再開に伴う印刷需要などにより、商業・産業用インクジェットプリンターの販売も拡大した。更に、プロジェクター事業では教育案件獲得や在宅需要により、ビジネス・ホーム向けプロジェクターが堅調だったほか、ロボティクスソリューションズ事業では中国の大口需要などにより、ロボットの需要が増加した。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高4391億1700万円(前年同期比14.9%減)、営業利益92億8600万円(同52.0%減)、純利益42億3200万円(同65.5%減)だった。

■パナソニック <6752>  960.7円  +45.2 円 (+4.9%)  本日終値
 パナソニック<6752>が商い増勢のなか大幅続伸、全体軟調相場に抗して異彩の強さを発揮。同社は29日取引終了後、20年4~9月期決算を発表、営業利益は前年同期比31%減の966億2700万円と落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が業績面に影響を及ぼしているが、特に経営環境の厳しさが浮き彫りとなっている航空機向けで米システム子会社などの収益悪化が足を引っ張っている。ただ、市場では「業績面の落ち込みは想定内。一方で決算発表の席上、米テスラ向け新型バッテリーの開発に着手していることが開示され、これが株価を強く刺激する形となったもよう」(国内証券アナリスト)という。

■神戸物産 <3038>  2,945円  +138 円 (+4.9%)  本日終値
 神戸物産<3038>が大幅反発。29日の取引終了後に発表した9月度単独業績で、売上高が前年同月比15.9%増、営業利益が同36.7%増となり、増益率が5月の同40.5%増に迫る高い伸びとなったことが好感された。業務スーパーの新規出店が9店舗あったことで店舗数が874店舗となり、店舗数が前年同月に比べて34店舗増加したことが寄与した。また、商品では「冷凍ほうれん草」「冷凍ブルーベリー」などの冷凍野菜や冷凍果物が好調だったほか、9月から実施していた業務スーパー20周年決算セールの対象商品が売り上げ拡大を牽引した。

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