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【特集】和島英樹の「明日の好悪材料Next」~第22回
5G関連部品の設備増強材料に一時ストップ高も、半導体の減益幅解消なども
【今回チェックした「明日の好悪材料」記事一覧】
10月16日分
10月19日分
10月20日分
10月21日分
10月22日分
10月16日~22日は引き続き個別の材料が多かった印象。島津製作所の呼気を用いたコロナウイルス検査法、リバーエレテックの水晶振動子の増産は次世代通信規格「5G」の追い風によるもの。
ロームはLSIが伸びで減益幅が縮小するのは自動車電装向けの回復やや巣ごもりでパソコンなどの需要増が要因。ニッポン高度紙工業はセパレータの需要増で増額。
10月16日分 島津製作所<7701>
■好悪材料~息を用いた新型コロナウイルス検査法を東北大学と開発
島津製作所<7701>と東北大学は共同研究により、自然に吐く息をサンプルとする「呼吸オミックス」による新型コロナウイルス検査法の開発に成功したと発表した。呼吸オミックスは呼気の中に存在するウイルスや、生体由来のたんぱく質、代謝物を解析する最先端技術。
この研究は文部科学省第1次補正予算における新型ウイルス感染対策事業および内閣官房新型コロナ対策AIシミュレーション事業の支援を受けて実施された。
呼気に含まれる成分を約5分で採取し、島津の分析法で解析。従来の鼻の奥から検体を採取する方法に比べて患者のストレスや痛みが少なく、結果を得るのに約1時間で済む。臨床試験を経て早期の実用化を目指す。
発表資料によれば、今後は新型コロナの対策のみならず、個別化医療、遠隔・在宅健康診断、各種疾病の診断・治療・未病予防などに応用し、革新的な呼気医療を展開するとしている。
従来の主力であるPCR検査、試薬、装置などはH.U.グループホールディングス<4544>、ビー・エム・エル<4694>、ファルコホールディングス<4671>、プレシジョン・システム・サイエンス<7707>、タカラバイオ<4974>など。
10月19日分 リバーエレテック<6666>
■好悪材料~水晶振動子の製造ライン増設など生産能力増強に向けた設備投資を実施する。投資額は6.3億円。稼働開始は21年6月を予定
スマートフォンや自動車、医療機器といったエレクトロニクス製品の安定した動作に欠かせない水晶振動子・水晶発振器の水晶デバイスの製造販売が主力。独自の技術に定評がある。
子会社で水晶デバイス製造の心臓部である青森リバーテクノにて、次世代通信規格「5G」やあらゆるモノがネットにつながるIoT製品などに使われる小型音叉型水晶振動子の設備増強を行う。
この設備増強は5億円を投じて今年5月から展開していたが、中長期の需要拡大に向け今回、追加の設備投資を決定。投資額は前回より多い6.3億円で、稼働時期は21年6月を予定している。
増産される小型音叉型水晶振動子は、主にデジタル機器の電源管理やクロック源として使用されるタイミングデバイス。5Gの進展により、音叉型水晶振動子に対する小型化、省電力化、高信頼性の要求が高まるとともに、堅調な受注に対応できる供給体制の構築が一層求められるものと予想される。
こうした状況下で高信頼かつ高品質な製品供給能力を高めることにしたという。22年3月期以降の業績への寄与が期待できそうだ。
水晶デバイス関連は日本電波工業<6779>、大真空<6962>、昭和真空<6384>など。
■水晶デバイス関連は日本電波工業<6779>、大真空<6962>、昭和真空<6384>など。『株探』プレミアムで確認できるリバーエレテックの通期業績の成長性推移
10月20日分 ローム<6963>
■好悪材料~上期経常を2.1倍上方修正
カスタムLSI(大規模集積回路)で首位。ダイオードなどの半導体素子や抵抗器などにも展開。技術力や開発力に定評がある。LSIは薄いシリコン基板に多数のトランジスタを集積させたもの。計算や記憶、増幅などエレクトロニクス機器の動作に必要な機能を実現する。パソコンやスマートフォン、自動車の電装、さらには高性能なゲーム機などにも使われる。
2021年3月期の第2四半期累計(20年4~9月)の業績予想を上方修正し、売上高は前回予想を80億円上回る1680億円(前年同期比11.0%減)、営業利益は同じく56億円超過の126億円(同29.0%減)とした。
■『株探』で確認できるロームの最近の業績予想の修正
新型コロナウイルス感染拡大の影響で依然として厳しい状況が続いたが、自動車生産台数が想定よりも早い回復傾向をたどったこと、巣ごもりやテレワークの普及に伴う需要の拡大がみられたことなどから、売上高は当初の想定を上回ることに。利益増は売上高の伸びや固定費の圧縮効果が寄与している。
21年3月期通期予想については現在策定中で、10月29日に予定されている第2四半期決算発表時に公表の予定。
主なLSI関連銘柄は、ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>、テラプローブ<6627>、アクセル<6730>、ザインエレクトロニクス<6769>、メガチップス<6875>、イノテック<9880>などがある。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
【今回チェックした「明日の好悪材料」記事一覧】
10月16日分
10月19日分
10月20日分
10月21日分
10月22日分
10月16日~22日は引き続き個別の材料が多かった印象。島津製作所の呼気を用いたコロナウイルス検査法、リバーエレテックの水晶振動子の増産は次世代通信規格「5G」の追い風によるもの。
ロームはLSIが伸びで減益幅が縮小するのは自動車電装向けの回復やや巣ごもりでパソコンなどの需要増が要因。ニッポン高度紙工業はセパレータの需要増で増額。
10月16日分 島津製作所<7701>
■好悪材料~息を用いた新型コロナウイルス検査法を東北大学と開発
島津製作所<7701>と東北大学は共同研究により、自然に吐く息をサンプルとする「呼吸オミックス」による新型コロナウイルス検査法の開発に成功したと発表した。呼吸オミックスは呼気の中に存在するウイルスや、生体由来のたんぱく質、代謝物を解析する最先端技術。
この研究は文部科学省第1次補正予算における新型ウイルス感染対策事業および内閣官房新型コロナ対策AIシミュレーション事業の支援を受けて実施された。
呼気に含まれる成分を約5分で採取し、島津の分析法で解析。従来の鼻の奥から検体を採取する方法に比べて患者のストレスや痛みが少なく、結果を得るのに約1時間で済む。臨床試験を経て早期の実用化を目指す。
発表資料によれば、今後は新型コロナの対策のみならず、個別化医療、遠隔・在宅健康診断、各種疾病の診断・治療・未病予防などに応用し、革新的な呼気医療を展開するとしている。
従来の主力であるPCR検査、試薬、装置などはH.U.グループホールディングス<4544>、ビー・エム・エル<4694>、ファルコホールディングス<4671>、プレシジョン・システム・サイエンス<7707>、タカラバイオ<4974>など。
10月19日分 リバーエレテック<6666>
■好悪材料~水晶振動子の製造ライン増設など生産能力増強に向けた設備投資を実施する。投資額は6.3億円。稼働開始は21年6月を予定
スマートフォンや自動車、医療機器といったエレクトロニクス製品の安定した動作に欠かせない水晶振動子・水晶発振器の水晶デバイスの製造販売が主力。独自の技術に定評がある。
子会社で水晶デバイス製造の心臓部である青森リバーテクノにて、次世代通信規格「5G」やあらゆるモノがネットにつながるIoT製品などに使われる小型音叉型水晶振動子の設備増強を行う。
この設備増強は5億円を投じて今年5月から展開していたが、中長期の需要拡大に向け今回、追加の設備投資を決定。投資額は前回より多い6.3億円で、稼働時期は21年6月を予定している。
増産される小型音叉型水晶振動子は、主にデジタル機器の電源管理やクロック源として使用されるタイミングデバイス。5Gの進展により、音叉型水晶振動子に対する小型化、省電力化、高信頼性の要求が高まるとともに、堅調な受注に対応できる供給体制の構築が一層求められるものと予想される。
こうした状況下で高信頼かつ高品質な製品供給能力を高めることにしたという。22年3月期以降の業績への寄与が期待できそうだ。
水晶デバイス関連は日本電波工業<6779>、大真空<6962>、昭和真空<6384>など。
■水晶デバイス関連は日本電波工業<6779>、大真空<6962>、昭和真空<6384>など。『株探』プレミアムで確認できるリバーエレテックの通期業績の成長性推移
10月20日分 ローム<6963>
■好悪材料~上期経常を2.1倍上方修正
カスタムLSI(大規模集積回路)で首位。ダイオードなどの半導体素子や抵抗器などにも展開。技術力や開発力に定評がある。LSIは薄いシリコン基板に多数のトランジスタを集積させたもの。計算や記憶、増幅などエレクトロニクス機器の動作に必要な機能を実現する。パソコンやスマートフォン、自動車の電装、さらには高性能なゲーム機などにも使われる。
2021年3月期の第2四半期累計(20年4~9月)の業績予想を上方修正し、売上高は前回予想を80億円上回る1680億円(前年同期比11.0%減)、営業利益は同じく56億円超過の126億円(同29.0%減)とした。
■『株探』で確認できるロームの最近の業績予想の修正
新型コロナウイルス感染拡大の影響で依然として厳しい状況が続いたが、自動車生産台数が想定よりも早い回復傾向をたどったこと、巣ごもりやテレワークの普及に伴う需要の拡大がみられたことなどから、売上高は当初の想定を上回ることに。利益増は売上高の伸びや固定費の圧縮効果が寄与している。
21年3月期通期予想については現在策定中で、10月29日に予定されている第2四半期決算発表時に公表の予定。
主なLSI関連銘柄は、ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>、テラプローブ<6627>、アクセル<6730>、ザインエレクトロニクス<6769>、メガチップス<6875>、イノテック<9880>などがある。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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