【市況】明日の株式相場に向けて=大統領選にらみ中国関連株に視線
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
しかし今の東京市場では、軟化した地合いの下値を更に売り叩くような売り方の仕掛けは雲散霧消している。後場は日銀のETF買い観測も出るなか、ギャップアップスタートで日経平均がプラス圏に浮上し、上値は重いながらも2万3000円台後半で強調展開を続けた。ただし売買代金は引き続き低調であり、連日で2兆円台を大きく割り込んでいる。10月最終週から本格化する国内企業の決算発表や11月初旬の米大統領選を控え、ここで買いポジションを高めたくないという機関投資家の思惑が見え隠れする。
個別株ベースでは、省エネ型で人気化しているところに投資資金が押し寄せる一極集中型の地合い。きょうは朝方発表された9月の工作機械受注で海外向けが2年ぶりにプラスに転じたことを手掛かり材料にファナック<6954>やSMC<6273>などの設備投資関連が商いを伴い大幅高。これは中国向け輸出の回復が背景にあり、言い換えれば中国関連株の復権を暗示するような投資マネーの流れである。もし米大統領選でバイデン候補が勝利すれば、米中摩擦も今よりは和らぐという読みも働いているようだ。
きょうの相場でもう一点特徴を挙げるとすれば、電子署名関連株が改めて物色人気に沸いたこと。“脱ハンコ関連”という位置づけで投資資金の攻勢が続き、代表的な3銘柄はGMOグローバルサイン・ホールディングス<3788>、弁護士ドットコム<6027>、鈴与シンワート<9360>。GMO-GSと弁護士COMは上場来高値を更新。また、鈴与シンワはここ急騰の反動で調整を余儀なくされていたが、きょうは満を持して切り返し、一時ストップ高に買われる場面があった。
あすのスケジュールでは、8月の鉱工業生産指数確報値など。海外では8月のユーロ圏鉱工業生産、9月の米卸売物価指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS