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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ファナック、ウシオ電、青森銀

ファナック <日足> 「株探」多機能チャートより
■ラクーンHD <3031>  1,929円  +329 円 (+20.6%) 一時ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ
 ラクーンホールディングス<3031>が前週末に続き、一時値幅制限上限の400円高はストップ高に買われた。前週、3日の取引終了後に21年4月期業績予想の上方修正を発表、営業利益はレンジ予想で従来見通しの8億1000万~9億円から11億8000万円~12億7000万円に大幅増額、上限の12億7000万円でみた場合、前期比8割増益となる。これに加え、株式需給面で買い戻しの思惑も浮上している。市場では「外資系証券経由で目先空売りが積み上がっており、このショートカバーによって踏み上げ的な相場につながったとみられる」(国内証券マーケットアナリスト)という。

■青森銀行 <8342>  2,374円  +185 円 (+8.5%)  本日終値
 青森銀行<8342>、みちのく銀行<8350>がともに急伸。5日付の日本経済新聞朝刊で、「青森県を地盤とする青森銀行とみちのく銀行で経営統合に向けた案が浮上している」と報じられており、これが好材料視された。両行は、19年10月に包括的な提携を目指すと発表し、ATM利用手数料の相互無料提携やバックオフィス業務の共同化を進めているが、記事によると、統合まで視野に入れ、経営基盤の強化を検討するという。報道に対して両行はそれぞれ、「当行が発表したものではない。経営統合を前提とした協議は行っておらず、既に公表済みの取り組みを除いては、決定している事実はない」旨のコメントを発表している。

■ファナック <6954>  20,640円  +1,315 円 (+6.8%)  本日終値
 ファナック<6954>が大幅反発。きょう付の日本経済新聞朝刊が「新型コロナウイルス禍で工場での感染リスクが問題になる中、生産ラインで人間のそばで作業できるロボットの需要が高まっている」と報じており、なかで同社が6月に発売した最新機種「CRXシリーズ」を増産すると紹介していることが好感された。記事によると、コロナ禍を機に「協働ロボット」と呼ばれる人間のそばで働けるロボットを導入し、生産性を大きく高める取り組みが相次いでいることを受けて、「CRXシリーズ」の本社工場(山梨県忍野村)での月間生産台数を21年中に現在の3倍に引き上げるという。また、同記事を受けて、三菱電機<6503>や芝浦機械<6104>もしっかりとなっている。

■ウシオ電機 <6925>  1,359円  +69 円 (+5.4%)  本日終値
 ウシオ電機<6925>が後場一段高。同社は5日、自社の222ナノメートル紫外線ウイルス不活化・殺菌技術「Care222」を用いた新型コロナウイルスの照射実験で新型コロナの不活化効果が確認され、その研究成果が米国時間4日に学術誌「American Journal of Infection Control」オンライン版に掲載されたと発表。今後の感染対策への応用展開などが期待されているようだ。この研究成果は、広島大学病院感染症科の大毛宏喜教授らのグループが、紫外線照射装置「Care222」を用いて、中心波長222ナノメートル紫外線による新型コロナ不活化効果を世界に先駆けて明らかにしたもの。この研究では、プラスチック上の乾燥した環境で、222ナノメートル紫外線に30秒間照射で99.7%の新型コロナの不活化を確認した。

■MrMax <8203>  817円  +32 円 (+4.1%)  本日終値
 ミスターマックス・ホールディングス<8203>が3日ぶりに反発。同社は4日取引終了後に、8月度の月次売上高(速報値)を公表。既存店売上高は前年同月比16.1%増となり、8カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されたようだ。記録的な猛暑により、エアコンや扇風機、飲料などの売り上げが伸長。また、巣ごもり需要を背景に収納用品やゲーム機など住まいの快適化を図る商品に加え、キャンプやスポーツ用品など屋外レジャー用品の販売も好調だった。なお、全店ベースの売上高は前年同月比16.6%増と8カ月連続のプラスだった。

■マクドナルド <2702>  5,140円  +20 円 (+0.4%)  本日終値
 日本マクドナルドホールディングス<2702>はしっかり。前週末4日の取引終了後に発表した8月度の月次IRニュースで、既存店売上高が12.4%増と2ケタ増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年と比較して休日が2日多かったことに加えて、新型コロナウイルスの影響で短くなった夏休みを地元で過ごす人が多く売り上げを伸ばした。また、都市部の店舗でのイートインの利用が戻りつつあることなども影響した。なお、全店売上高は12.9%増だった。

■アイル <3854>  1,355円  -400 円 (-22.8%) ストップ安   本日終値  東証1部 下落率トップ
 アイル<3854>がストップ安。前週末4日の取引終了後に発表した21年7月期連結業績予想で、売上高123億5000万円(前期比2.6%減)、営業利益12億円(同29.4%減)、純利益7億8400万円(同34.0%減)と大幅な減益を見込み、年間配当を前期比3円減の12円を予定していることが嫌気された。新型コロナウイルスの影響により、商談の延期や対面による商談機会の減少に伴い、個別の案件の受注及び検収確定の遅延が見込まれるほか、新規の受注案件に対する営業活動の制約などが見込まれるという。なお、20年7月期決算は、売上高126億7900万円(前の期比20.5%増)、営業利益17億円(同78.8%増)、純利益11億8900万円(同91.5%増)だった。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,881円  -453 円 (-7.2%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が続急落。米国株市場ではハイテク株を中心にここまでの急速な上昇相場の反動が出ている。そのなか、前週末4日に米ウォール・ストリート・ジャーナルや英フィナンシャル・タイムズなど海外の主要メディアが、「ソフトバンクGが米ハイテク株のデリバティブで数千億円規模の取引をしていることが分かった」と報道、具体的にはオプション取引でコール(買う権利)を40億ドル分購入していたと伝えられており、この投資行動が米ハイテク株高の一翼を担っていたとも推測されている。前週後半の米国株市場ではハイテク株比率の高いナスダック総合指数の下げが特に目立っており、ソフトバンクGにとっては足もと株価のネガティブ材料として意識されている。

■前田建設工業 <1824>  729円  -38 円 (-5.0%)  本日終値
 前田建設工業<1824>が大幅反落。6日の産経新聞電子版で「日本航空学園(本部・山梨県)から請け負った校舎や学生寮の建設工事をめぐり、工事で出た石膏ボードの端材が校舎などの壁の隙間に廃棄されていたことが6日、関係者への取材で分かった」と報じられており、これが嫌気された。記事によると、石膏ボードは一定の条件下で有毒ガスが発生する可能性があることから、環境省は廃棄物処理法違反(不法投棄)の恐れがあるとしており、今後の営業活動への影響などが懸念されている。

■ポールHD <3657>  947円  -37 円 (-3.8%)  本日終値
 ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス<3657>が大幅続落。4日の取引終了後に発表した第2四半期累計(2~7月)連結決算が、売上高123億9900万円(前年同期比横ばい)、営業利益12億7600万円(同20.8%減)、純利益9億300万円(同5.3%減)となり、従来予想の営業利益15億5400万円を下回り営業減益となったことが嫌気された。EC、QRコード決済関連業務が拡大し収益性の改善も進んだネットサポート事業は好調だったものの、デバッグ・検証事業で新型コロナウイルス感染症の影響による一部業務の停止や後ろ倒しが発生したほか、子会社2社で決算期変更などにより業績反映が5カ月間となったことなどが響いた。なお、21年1月期通期業績予想は、売上高287億4400万円(前期比10.0%増)、営業利益35億8700万円(同1.6%増)、純利益23億4100万円(同30.9%増)の従来見通しを据え置いている。

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