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【特集】藤代宏一氏【日経平均大幅高の3連休明け、この上昇は本物か】(1) <相場観特集>

藤代宏一氏(第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト)

―NYダウ大幅高で7連騰、出遅れ日本株の上値余地は―

 週明け11日の東京株式市場は前日の米国株市場でNYダウが360ドル近い上昇で7連騰となったことで、リスク選好ムードが強まった。トランプ米政権の財政出動への期待感が米株市場を支えているが、東京市場でもうまくこの流れに乗って日経平均株価2万3000円ラインの壁を突破したいところだ。きょうは400円を超える上げ足をみせたが、この流れは果たして本物か。第一線で活躍する市場関係者に全体相場の見通しと物色の方向性について意見を求めた。

●「自動車業界に注目、米国はレの字型回復も」

藤代宏一氏(第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト)

 当面の注目ポイントは、この先、米国の追加経済対策がどうまとまっていくかだろう。米国では、新型コロナウイルスが経済に与える影響は少しずつ落ち着きつつある。足もとの米国経済は、カタカナの「レ」の字をイメージする形で回復していると思う。そのなか、この米国の回復が続くかどうかは経済対策の行方次第だろう。

 トランプ米大統領が失業給付の上乗せなどを盛り込んだ追加対策を、大統領令で発動したことで、いったん週400ドル(約4万2400円)の失業給付の上乗せは1ヵ月半ほどは続く見通しとなった。しかし、例えば共和党案では1兆ドル(約106兆円)とされる追加経済対策が、いつまとまるかは不透明だ。この経済対策の行方が、米株式市場の今後を左右するだろう。

 一方、日本では足もとの決算発表で今期の業績見通しを出さない企業が非常に多い。また、国内では追加経済対策への期待も薄れている。日経平均が、この先2万4000円を目指すような構図は描きにくい。米国株式市場は上昇基調にあるが、東京市場は横ばい状態で、この日米株価の格差は今後も続くと思う。

 こうしたなか、今後1ヵ月程度の日経平均は2万2000~2万3000円前後のレンジ相場が続くと予想する。

 今後をみるうえでは、特に「自動車産業」の動向に注目している。国内をみても、最も深い傷を負った業界のひとつが自動車だ。米国では経済対策による個人消費でITデバイスなどの販売が伸びた。これが自動車販売の伸びにつながれば、日本の自動車メーカーはもちろん、鉄鋼や化学、電子部品など幅広い産業に恩恵は及ぶと思う。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ふじしろ・こういち)
第一生命経済研究所経済調査部・主任エコノミスト。担当は金融市場全般。2005年4月、第一生命保険入社。08年、みずほ証券出向。10年4月第一生命経済研究所出向、同年7月内閣府経済財政分析担当へ2年間出向。12年7月副主任エコノミストを経て、15年4月より現職。

株探ニュース

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