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【通貨】為替週間見通し:底堅い動きか、ウイルス感染再拡大を警戒

米ドル/円 <日足> 「株探」多機能チャートより

【今週の概況】
■ドル下げ渋り、追加経済支援策への期待残る

今週のドル・円は下げ渋り。米国における新型コロナウイルスの感染拡大を意識して、リスク選好的なドル買い・円売りは抑制されたが、政府による追加経済支援策への期待は持続しており、リスク回避的なドル売りは拡大しなかった。7月15日発表の6月鉱工業生産と16日発表の6月小売売上高は、いずれも市場予想を上回っており、ドル・円相場を下支えした。米長金利は上げ渋ったものの、米国株式の騰勢は失われていないことはドル買い材料となったようだ。

17日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円28銭まで上昇後、106円94銭まで下落した。この日発表された6月住宅着工件数は前月から増加したことから、ドル買いが一時優勢となった。ただ、その後発表された7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は予想に反して低下したため、個人消費の鈍化が懸念され、リスク回避的なドル売りが広がった。ドル・円は106円99銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:106円67銭-107円43銭。

【来週の見通し】
■底堅い動きか、ウイルス感染再拡大を警戒

来週のドル・円は底堅い値動きか。新型コロナウイルスのワクチン開発の進展が期待されており、欧米株式が強い動きを見せた場合、リスク選好的な為替取引が活発となり、ユーロ、豪ドルなどに対する米ドル売りがやや強まる可能性がある。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は経済の先行きに関して慎重な見方を維持しており、政策金利がゼロ付近に長期間とどまる見通しだが、資産買入れ策拡大の思惑は消えていない。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するために、経済制限などの措置が再度実施される可能性があるため、安全逃避的なドル買いがただちに縮小する状況ではないとみられる。カリフォルニア州では飲食店が制限措置を再実施するなど、新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感が広がっている。そのような措置は経済の早期正常化のペースを鈍らせるため、リスク選好的な取引は縮小し、一部でリスク回避的な円買いも見込まれるが、ドルの下げ幅は小幅にとどまりそうだ。米国の経済指標の改善は基本的にドル買い材料となりそうだ。

【米・今週分新規失業保険申請件数】(23日発表予定)
23日発表の今週分新規失業保険申請件数は、どの程度改善するか注目される。前回実績は130.0万件。一部の州で経済制限措置が再導入されており、申請件数が市場予想を上回った場合、経済の早期正常化への期待は後退するとみられる。この場合、株安が予想されるが、ドル売りは拡大しない可能性がある。

【米・7月マークイット製造業PMI】(24日発表予定)
24日発表の米7月マークイット製造業PMIは52.0と、6月の49.8を上回る公算。コロナ感染の再拡大が進むなか節目の50を大きく上回った場合、早期回復への期待は持続し、ドル買い材料となる。

予想レンジ:106円00銭-108円50銭

《FA》

 提供:フィスコ

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