【特集】逆風下の最高益、四半期【連続更新】銘柄リスト <成長株特集>
メドピア <日足> 「株探」多機能チャートより
以下では、時価総額200億円以上の銘柄を対象に、直近3ヵ月(1-3月期または2-4月期)に経常利益が全四半期ベースの過去最高を2四半期以上連続で更新した16社を選び出し、「四半期最高益の連続期数が大きい」→「上振れ率が高い」順に記した。
トップとなったのは、製薬会社の医薬品マーケティング支援を主軸に高成長を続けるメドピア <6095> [東証M]。1-3月期(第2四半期)の経常利益は前年同期比2.1倍の3億円に伸び、3四半期連続の最高益更新を果たした。ドクタープラットフォーム事業で薬剤評価掲示板やWeb講演会を中心とした主力サービスが伸長したことに加え、医療コンテンツを制作するコルボの買収効果も売上高を押し上げた。また、ヘルスケアソリューション事業ではオンライン健康相談サービス「first call」が新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策の一環として経済産業省の遠隔相談窓口に採用され利用件数が伸びたほか、特定保健指導の面談件数が急増した。
2位に入ったソラスト <6197> の1-3月期(第4四半期)は主力の医療関連受託事業で新規受注や既存顧客の取引が拡大したうえ、生産性の改善や値上げで採算も向上した。また、介護事業における施設入居率の改善や費用の効率化なども貢献し、3四半期連続の過去最高を達成した。6位のシステム情報 <3677> は大手企業や官公庁向けのシステム構築・更改案件が増加したほか、プロジェクト管理の徹底なども寄与し、1-3月期(第2四半期)は2四半期連続で最高益を更新した。
続く7位の神戸物産 <3038> は主力の「業務スーパー」が絶好調で、2ケタ増収増益を5四半期連続で達成している。直近3ヵ月の2-4月期(第2四半期)は出店拡大効果やプライベートブランド商品がメディアに取り上げられたことに加え、新型コロナウイルス禍で内食需要が高まったこともプラスに働き、経常利益は前年同期比23.4%増の67.1億円に膨らんだ。食品スーパーでは、「生鮮館」「肉のハナマサ」などを展開するJMホールディングス <3539> が14位に入っている。
8位のアサヒホールディングス <5857> はリサイクル分野で貴金属回収量が増加したうえ、貴金属相場の上昇も追い風となり、1-3月期(第4四半期)の税引き前利益は前年同期比23.2%増の55.8億円に伸びて着地。21年3月期は会計方法の変更や新型コロナウイルスの影響で同利益は前期比10.5%減益を見込む一方、配当は同10円増の140円と4期連続の増配を計画している。
13位にリストアップされたバリューコマース <2491> の1-3月期(第1四半期)は「Yahoo!ショッピング」出店者向けCRM(顧客管理)ツールやクリック課金型広告のサービス利用が増加したうえ、前期に買収した宿泊施設向けシステム開発会社の業績も加わり、売上高、経常利益ともに前年同期比で20%成長を遂げた。
15位の野村総合研究所 <4307> は金融ITソリューションで証券業向けコンサルティングなどが好調だったほか、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援案件も伸び、1-3月期(第4四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。同社はDX関連有力株として人気を集め、6月26日に上場来高値を更新するなど株価は頑強な動きを続けている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ 最高益 予想
コード 銘柄名 上振れ率 直近実績 過去最高 連続期数 PER
<6095> メドピア 46.6 302 206 3 106
<6197> ソラスト 1.1 1448 1432 3 30.0
<8920> 東祥 98.6 4041 2035 2 -
<3661> エムアップ 37.1 336 245 2 37.9
<4523> エーザイ 24.2 52254 42059 2 36.0
<3677> システム情報 24.1 458 369 2 32.5
<3038> 神戸物産 16.7 6714 5751 2 48.5
<5857> アサヒHD 15.2 5580 4845 2 10.4
<6028> テクノプロH 13.5 4897 4316 2 20.5
<3901> Mラインズ 11.4 255 229 2 40.4
<2060> フィードワン 8.4 1789 1651 2 9.6
<2607> 不二製油G 5.6 7246 6861 2 20.6
<2491> Vコマース 2.6 1523 1485 2 25.1
<3539> JMHD 0.7 1991 1978 2 25.0
<4307> 野村総研 0.6 21438 21316 2 29.1
<4369> トリケミカル 0.5 1099 1093 2 29.4
※2019年1月以降に上場した企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース