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【市況】明日の株式相場戦略=500円安、流れは変わるか

 週明け29日の東京株式市場は、日経平均 がマドを開けて陰線を引き、下げ幅は500円を超えた。前週末26日が実質月内最終商いだったから、きょうから実質月替わりとなる。「7月に入ったからといって地合いが急変するというものでもないが、今週は需給的には緩みやすいタームに入る」(国内ネット証券大手)という。そうした中での米株急落。前週のNYダウは週後半に飛び石で700ドル超の下げを2回演じており、梅雨の中休みとなっている東京上空とは裏腹に、日本株も7月相場入り早々土砂降りの雨に見舞われた感じだ。日経平均は4月7日に25日移動平均線を上回った後は強力な下値切り上げ波動を構築してきた。しかし、きょうは同移動平均線を陰線で下に抜けたことで、売り方としては仕掛けやすくなっている。これまで「ファンダメンタルズVS株式需給」の相場では圧倒的に後者に軍配が上がり続けてきたわけだが、6月中旬の急落に続く2回目の大揺れで、新型コロナショック反動による踏み上げ相場の色彩に変化が生じるのかどうか、ここは注意深くみておく必要がある。

 もっとも、「米国株が大きく崩れさえしなければ日本株はそんなに悲観に傾く場面でもない」(準大手証券ストラテジスト)と弱気を戒める声もある。「夏枯れというが、それは8月相場であって、7月は海外投資家が経験則としては日本株買いに動きやすい月である」(同)と主張する。振り返って、5月と6月の主体別売買動向をみると外国人投資家は先物こそ大きく買い越しに転じたものの、現物は売り越しを続けていた。7月はコロナ禍とはいえ、感染被害の少ないに日本株に実需買いの機が熟しているとにらむ向きもあるようだ。

 米国ではここ1日当たりの新型コロナ感染者数の過去最多更新が続いているが、これは感染第2波への懸念というよりは感染第1波の加速だ。テキサス州などでは経済活動再開の動きを一時止めるなど、少なくともアフターコロナを語る段階には至っていない。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大に対して先が読めない状況というのは、それ以前と同じであり、状況に対する認識が大きく変化しているわけではない。これまでも十二分に新型コロナ警戒ムードを漂わせながら株式市場は上昇していた。もし相場の流れが大きく変わるとすれば、それは株式需給の変化によるものだ。全体相場を見極めるのは今の時点では難しいが、市場関係者も強気と弱気が相半ばする場面にある。

 個別では新型コロナ関連で初期の頃に買われた銘柄が、再び上値を慕っている。株式市場全般においてコロナ後の世界に照準を合わせるのはまだ早いという暗示かもしれないが、何はともあれ頭を柔らかくして資金の流れていく方向に視線を合わせるのはトレードの基本でもある。例えば、除菌剤関連では中京医薬品<4558>が5日・25日・75日移動平均線を460円台で収れんさせて動意含み。また、マナック<4364>なども上ヒゲ形成ながら一時88円高の1096円まで水準を切り上げる場面があった。このほか、同系列の銘柄でマークしておきたいのが、医薬品商社でうがい薬なども取り扱っているイワキ<8095>だ。商社という業態を考慮してもPER9倍、PBR0.8倍、配当利回り2.8%は割安な印象を与え、押し目買い対象として食指が動く。

 あとは、引き続きデジタルトランスフォーメーション(DX)周辺の銘柄。テレワークをはじめ企業のデジタルシフトに向けたスピード感はウィズコロナ環境で速まる公算が大きくなった。キューブシステム<2335>やTDCソフト<4687>、アイエックス・ナレッジ<9753>などが強い動きだが、押し目形成場面は注目してみたい。また、5G関連銘柄も改めて活躍の場が意識される。政府は5Gやビヨンド5G(6G)の技術開発に資金面で支援する計画にあるが、同分野で立ち遅れないことは国家戦略上も重要な意味を持つ。通信インフラ国内首位で国防関連の一角でもあるNEC<6701>のグループ会社で非常に強い動きを示しているのがNECネッツエスアイ<1973>。また、TCSホールディングス傘下でNECとの取引関係が厚いアイレックス<6944>などの押し目にも目を配りたい。

 日程面では、あすは5月の完全失業率、5月の有効求人倍率、5月の鉱工業生産指数速報値、5月の住宅着工、5月の建設機械出荷額、5月の自動車輸出など。なお、マザーズにグッドパッチ<7351>が新規上場する。海外では、6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、中国非製造業PMIなど。また、米国では4月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、6月の消費者信頼感指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数などの発表が焦点となる。パウエルFRB議長の米下院金融委員会での証言にも注目。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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