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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

フォーバルR <日足> 「株探」多機能チャートより

■フォーバルR <9423>  169円 (+50円、+42.0%) ストップ高

 フォーバル・リアルストレート <9423> [JQ]に投資資金が集中、50円高はストップ高に買われた。同社はオフィス移転支援や内装工事を行っているが、テレワーク導入が進む一方で、企業のオフィスにも人が戻ってきており、稼働人数に合わせた移転や改装などの需要が同社に追い風となる。特に、ウィズコロナの環境下で飛沫・接触感染防止目的で間仕切りの導入や抗菌ソリューションへのニーズが高まっていることはポイントとなる。独自技術でウイルスを無力化する同社のオフィスまるごと抗菌サービス「デルフィーノ」への引き合いが活発化するとの思惑が株価を強く刺激している。

■ディディエス <3782>  308円 (+53円、+20.8%)

 ディー・ディー・エス <3782> [東証M]が大幅に3日続伸。同社は指紋など生体認証機器でトップクラスの実力を持ち、人工知能(AI)分野に力を入れている。企業のテレワーク導入加速の動きに対応して新認証アルゴリズムなどを活用したセキュリティーソリューションでも実績が高い。そうしたなか、22日取引終了後、万能認証基盤Themisに教育機関の教職員と児童生徒を対象とした「Themis スクールパック」を商品化し、同日から提供開始することを発表、これを材料視する買いを呼び込む格好となった。

■ANAP <3189>  1,033円 (+150円、+17.0%) ストップ高

 ANAP <3189> [JQ]がストップ高の1033円に買われた。22日の取引終了後、子会社ANAPラボが人工知能(AI)を活用して解析し、自動的に人物画像/動画を切り抜くシステム「Lab pick(ラボピック)」を開発したと発表しており、これが好感された。同システムは、ファッションアイテムを含む人物画像や動画から、人物とファッションアイテムを抽出し、背景の境界線を自動的に切り出すAIシステム。従来のシステムは、ファッションアイテムのみの抽出だったが、新システムは人物も含めた抽出が可能となり、また静止画のみならず動画まで対応させ使用範囲を拡充したのが特徴。これにより、雑誌、新聞紙面の作成時やECサイトで使用する画像背景の変更などで必須となる画像編集の際のトリミング作業をAIで自動化できるようになり、作業効率を大幅に向上させるとしている。

■京都友禅 <7615>  292円 (+42円、+16.8%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率4位。京都きもの友禅 <7615> が6日続伸。一時、ストップ高の330円に買われた。22日の取引終了後、インターネットを通じた和装関連事業(EC事業)を7月に開始すると発表したことが好感された。同社が行うEC事業は、自社サイトを構築しサービスを行うものと、大手ショッピングモールへの出店を通じサービスを展開する予定で、自社サイトは販売を中心にする一方、モールへの出店は販売とレンタルの両方を提供する。また、店舗とECの相互送客の仕組みの構築を模索し、顧客の利便性の向上を図るとしている。

■中村超硬 <6166>  1,061円 (+150円、+16.5%) ストップ高

 中村超硬 <6166> [東証M]がストップ高の1061円に買われた。東京証券取引所が22日の取引終了後、同社株を上場廃止にかかる猶予期間入り銘柄から解除すると発表したことが好感された。19年3月期に債務超過となったことで猶予期間入り銘柄となっていたが、20年3月期に債務超過を解消したことで解除したとしている。

■ITbook <1447>  799円 (+100円、+14.3%) ストップ高

 ITbookホールディングス <1447> [東証M]が上昇加速、6連騰で23日はストップ高に買われる人気となった。ITコンサルティングやシステム開発、人材派遣のほか、地盤調査・改良事業などを展開し、官公庁案件で実績が高い。政府が普及に本腰を入れるマイナンバー普及促進の関連有力株に位置づけられる。政府はマイナンバー制度活用による行政のデジタル化推進に取り組んでおり、運転免許証など国家資格証のデジタル化やマイナンバーカードとの一体化を検討し、年内にも工程表を策定することが報じられている。マイナンバー制度の活用が広がることは同社にとっても大きな商機となる。株式需給面では直近、外資系経由で空売り残が急増しており、買い戻し誘発による踏み上げ相場の色彩も帯びている。

■フロンテオ <2158>  880円 (+80円、+10.0%)

 FRONTEO <2158> [東証M]が反発。23日午前11時ごろ、慶応義塾大学医学部と共同で研究している認知症診断支援AIシステムに関して、日本での特許査定を取得したと発表しており、これが好材料視された。今回特許査定を取得した認知症診断支援AIシステムは、これまで専門医でなければ難しいとされていた認知症の診断を、自然な日常会話から短時間で行うことができる日本初のシステム。同システムの実用化により、専門医のいない地域や、医師と直接面会できないような状況下での、認知症診断支援が可能になるだけでなく、時間・場所などに制限されないという特性から、遠隔医療や医療の効率化など、より幅広い用途への応用が考えられるとしている。

■アクセル <6730>  791円 (+65円、+9.0%)

 アクセル <6730> が急反発。23日正午ごろ、ティアフォー(東京都文京区)と人工知能(AI)ハードウェアアクセラレータの製品化に向けて連携を強化すると発表しており、これが好感された。両社は、東京大学の加藤研究室や埼玉大学の安積研究室と連携し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」事業で、完全自動運転に特化したシステムオンチップとソフトウェアプラットフォームの研究開発を実施。今回、ニューラルネットワークと呼ばれるAI技術であるCNN(Convolutional Neural Network)アクセラレータを広範なAI製品向けにFPGAやASIC向けのIP製品として提供を開始し、同領域での早期事業化を目指すとしている。

■いい生活 <3796>  659円 (+53円、+8.8%)

 いい生活 <3796> [東証2]が続急伸。22日取引終了後に発表した5月度の月次概況(速報)で、不動産業界向けシステムを提供するクラウドソリューション事業の売上高が1億6900万円(前年同月比5.6%増)となり、3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。内訳はサブスクリプション収益が1億6500万円(前年同期は1億6000万円)、スポット収益が500万円(前年同期と同額)だった。

■西松屋チェ <7545>  1,216円 (+96円、+8.6%)

 西松屋チェーン <7545> が急反発。22日の取引終了後に発表した6月度(5月21日~6月20日)の月次売上高速報で、既存店売上高は前年同月比33.8%増と大幅増収で8ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。期間を通じて来店客数が大きく伸び、子供衣料で夏物衣料の売り上げが好調に推移した。加えて、ベビー・マタニティ、育児・服飾雑貨の売り上げも前年を大きく上回った。なお、全店売上高は同32.6%増だった。

■キーウェア <3799>  958円 (+75円、+8.5%)

 キーウェアソリューションズ <3799> [東証2]が6連騰。22日までの5営業日で3割近くも水準を切り上げていたが、更に上げ足を加速させ一時4ケタ大台を回復した。 新型コロナウイルス感染第2波に対する懸念がくすぶるなか、クラスター感染で警戒される院内感染への対応が病院側に求められる局面にある。同社は院内検査部門や外部委託検査会社からの検査結果をもとに、院内感染の早期発見・早期対応を可能としアウトブレークを未然に防ぐ院内感染対策ソリューション「Medlas-SHIPL」を展開しており、関連有力株としてマーケットの注目度が高まっている。

■タマホーム <1419>  1,361円 (+94円、+7.4%)

 タマホーム <1419> が急反発。22日の取引終了後、集計中の20年5月期の連結業績予想について、売上高を2050億円から2090億円(前の期比11.8%増)へ、営業利益を90億円から98億円(同33.0%増)へ、純利益46億円から49億円(同24.6%増)へ上方修正しており、これが好感された。主力の注文住宅事業で戦略商品である地域限定商品の利益率改善が計画を上回ったほか、不動産事業でオフィス区分所有権販売事業の売上高が計画を上回ったことなどが業績を押し上げたという。20年5月期業績の上方修正は2月に続き2回目となる。

■エーアイ <4388>  2,235円 (+135円、+6.4%)

 エーアイ <4388> [東証M]が6連騰。音声認識分野に展開し、特に文章読み上げソフトで優位性を持ち法人向け中心に旺盛な需要を獲得している。22日取引終了後、同社の技術提携先で自動車向け独自ソリューションを提供するセレンス社とのライセンス契約に基づき、音声合成エンジン「AITalk」を組み込んだ「Cerence TTS」がセレンス社から提供開始されたことを発表、これをポジティブ材料に改めて投資資金の攻勢が強まった。

■NCS&A <9709>  574円 (+33円、+6.1%)

 NCS&A <9709> [東証2]が大幅に6日続伸。一時12%高と値を飛ばし約3ヵ月半ぶりに600円台を回復する場面があった。NEC系のシステム開発会社だが、ITソリューションを活用した「可視化」を強みにパッケージソフトを開発、国税連携システムなどで全国自治体向けに高実績を有するほか、電子カルテ「ミライズ エーズィー」をはじめ医療データマネジメント、健康診断システムなど医療ICT分野でも実力を発揮する。

■ナレッジS <3999>  905円 (+49円、+5.7%)

 ナレッジスイート <3999> [東証M]が7日続伸。23日午前10時ごろ、同社のクラウド型オンライン商談ツール「VCRM(ブイシーアールエム)」が、経済産業省が実施する「IT導入補助金2020」の対象ITツールとして採択されたと発表しており、これが好材料視された。IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者などがITツール(ソフトウェア、サービスなど)を導入する経費の一部を補助することで、業務効率化や売り上げアップのサポートを行うもの。今回、「VCRM」が補助金対象ツールに採択されたことで、導入の障壁が下がることになり、同社にとって商機の拡大が期待されている。

※23日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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