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【特集】大幸薬品 Research Memo(1):2020年3月期は感染管理事業がけん引し過去最高売上高・利益を更新

大幸薬品 <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

大幸薬品<4574>は、「正露丸」「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業と、ウイルス除去・除菌・消臭製品「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業を展開している。

2020年3月期通期は、売上高が14,966百万円(前期比43.6%増)、営業利益が3,824百万円(同88.4%増)、経常利益が3,633百万円(同92.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,453百万円(同73.3%増)と、売上高、各利益ともに前期を大幅に上回り、過去最高を更新した。

売上高に関しては、医薬品事業が堅調、感染管理事業は大幅増収となった。国内医薬品事業の売上高は3,754百万円(前期比1.3%増)となり、過去のトレンドどおり主力の「セイロガン糖衣A」が成長をけん引した。また、「ピシャット下痢止めOD錠」のリニューアルも増収に寄与した。国内止瀉薬市場シェアでは47.7%(前期比0.2ポイント減)とトップを堅持する。海外医薬品事業の売上高は1,891百万円(同3.0%増)と堅調。中国向け、香港向け及び台湾向けすべてにおいて前期を上回った。感染管理事業の売上高は、9,312百万円(同91.5%増)と大幅増。2018年から「クレベリン」製品のデザインリニューアル、店頭強化、新TVCMなど一貫したマーケティング施策を行ってきた結果、ブランド力が向上したのに加え、2020年初頭からは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、消費者の予防意識がさらに高まり需要が急増した。2019年秋から新規投入した日常除菌の商品群「クレベ&アンド」も売上高911百万円と計画を上回った。一般用製品の好調に連動して業務用製品もオフィス用通販向けを中心に好調。海外向けの感染管理製品は前期比389.6%の246百万円と、台湾市場向けを中心に伸びが高い。

売上総利益は増収の影響により大幅に増加し、売上総利益率は前期比2.0ポイント上昇。販管費に関してはマーケティング強化に伴い販売費等が増加したが、増収効果等により販管費率は前期比4.2ポイント低下した。特に感染管理事業では、広告宣伝費(TVCM放映等)及び販売促進費、欠品回避のための在庫費用(保管料)が増加した。結果として、営業利益は前期比88.4%増と大幅な増益となった。セグメント利益では医薬品事業が前年同期比10.9%減、感染管理事業は同164.7%増と大幅増益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《EY》

 提供:フィスコ

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