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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

オンコセラピ <日足> 「株探」多機能チャートより

■オンコセラピ <4564>  192円 (+50円、+35.2%) ストップ高

 オンコセラピー・サイエンス <4564> [東証M]がストップ高。ここバイオ関連株に人気化する銘柄が目立っているが、株価低位に位置する銘柄にマーケットの視線が向いている。創薬ベンチャーで樹状細胞ワクチン分野に独自技術を有するテラ <2191> [JQ]は3月13日に92円の上場来安値をつけたが、その後は 新型コロナウイルス感染症に対する治療法開発への期待で人気化し株価は9日の高値までで23.6倍となった。OTSはがん治療ワクチンの創薬ベンチャーだが、テラと同じく東京大学医科学研究所を発祥としており、連想買いの対象となった。外資経由の空売り残が積み上がっていたことも踏み上げ相場の思惑につながった。なお、東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーではこのほかメディネット <2370> [東証M]があるが、同社株も5月下旬に急速人気化した経緯がある。

■ウイルコHD <7831>  179円 (+41円、+29.7%) 一時ストップ高

 ウイルコホールディングス <7831> [東証2]がストップ高の188円に買われた。9日付の日本経済新聞朝刊で「調剤薬局大手のクオールは、新型コロナウイルス感染者が滞在した部屋を消毒するオゾン発生器を医療機関向けに発売した」と報じられたことを受けてオゾン関連製品への関心が高まっており、3月に発表した第1四半期(19年11月-20年1月)決算短信で、オゾン除菌機の引き合いが増加しているとある同社へも思惑的な買いが向かったようだ。

■システムディ <3804>  1,426円 (+246円、+20.9%)

 システム ディ <3804> [JQ]が続急騰し年初来高値を更新。8日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(19年11月-20年4月)連結業績について、売上高が18億3700万円から21億3400万円(前年同期比21.2%増)へ、営業利益が3億6500万円から5億6900万円(同60.7%増)へ、純利益が2億5400万円から3億9400万円(同64.2%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。全事業部において、パッケージソフトの高品質化やストックビジネスの推進、機能的な組織運営などが計画通りに進んだことに加えて、下期に予定していた複数の案件を納品売り上げできたことが要因としている。

■DLE <3686>  655円 (+100円、+18.0%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。ディー・エル・イー <3686> が7連騰、短期資金の流入で急激な上昇トレンドを形成している。同社はキャラクター開発・マーケティングなどIPビジネスを手掛けるが、株価は前日8日まで5営業日連続のストップ高に買われる人気で、直近3営業日については取引時間中に値がつかず大引けに買い物を残す1本値の状態が続いていた。5月27日に短編動画投稿プラットフォームアプリを運営するTriller(トリラー)への投資を目的とした海外子会社とファンドを設立することを発表、更に今月1日にはトリラーの運営会社に出資することを発表して一気に人気が加速した。株式需給面では日証金で株不足の状態にあり、貸株申し込み制限の規制がかかるなか、逆日歩が付く状況下で踏み上げ相場への思惑も株高を助長している。

■ワイヤレスG <9419>  736円 (+100円、+15.7%) ストップ高

 東証1部の上昇率4位。ワイヤレスゲート <9419> がストップ高。企業のテレワーク導入の動きが加速しているほか、新型コロナウイルスの影響もあって最近では冠婚葬祭もリモートで行われる動きが相次いでおり、ネット接続ニーズが急拡大傾向にある。そうしたなか、複数の通信会社から回線を借りて公衆無線LANやWiMAXサービスを提供する同社株に物色対象として投資マネーの流入が加速した。テクニカル的にも26週移動平均線を足場に上放れ、コロナショック前の2月13日につけた年初来高値827円を目指す動きにある。

■古河電池 <6937>  768円 (+100円、+15.0%) ストップ高

 東証1部の上昇率6位。古河電池 <6937> がストップ高まで買われた。同社は9日、古河電気工業 <5801> と共同で長年実用化が困難とされていた次世代型蓄電池「バイポーラ型蓄電池」を共同開発したと発表しており、これが株価を刺激したようだ。バイポーラ型蓄電池は、重量エネルギー密度が従来の鉛蓄電池の約2倍で、電極基板の積層化により設計自由度の高い電池構成が可能となることからコスト競争力改善も期待できる製品。電力貯蔵用リチウムイオン蓄電池と比べて消費電力量当たりの単価は50%以下になるという。両社は同製品の投入により、2030年には1兆5000億円規模に迫るとされる電力貯蔵用蓄電池市場(長周期用途は約半分程度と想定)をはじめ、これまでにないアプリケーションやシーンとの組み合わせによって新たな価値を提供するとしており、21年度中のサンプル出荷、22年度の製品出荷開始を予定している。

■クオールHD <3034>  1,334円 (+157円、+13.3%)

 東証1部の上昇率7位。クオールホールディングス <3034> が急騰。9日付の日本経済新聞朝刊で「調剤薬局大手のクオールは、新型コロナウイルス感染者が滞在した部屋を消毒するオゾン発生器を医療機関向けに発売した」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、一定濃度のオゾンにウイルスを約1時間さらすと、感染力がほぼなくなるという実験結果を受けて販売を決めたという。機械メーカーのタムラテコ(大阪府東大阪市)が製造し、クオールが全国の薬局約800店舗を通じて医療機関に販売するとしている。

■共栄セキュリ <7058>  3,470円 (+345円、+11.0%)

 共栄セキュリティーサービス <7058> [JQ]が続急騰。8日の取引終了後、未定としていた21年3月期の連結業績予想を、売上高64億7700万円(前期比1.0%増)、営業利益4億4900万円(同0.9%増)、純利益3億2500万円(同横ばい)を見込むとしており、営業増益見通しを好感した買いが入った。新型コロナウイルス感染症の影響を合理的に算出することが困難であるとして未定としていたが、主力の施設警備及び交通誘導警備が概ね従来通りの警備体制を維持していることを考慮。また、緊急事態宣言発令に伴い一部施設で発生していた警備体制の見直しが、緊急事態宣言の全面解除以降には以前の体制に戻りつつあることから、新型コロナウイルス感染拡大の影響は軽微であると判断したという。

■大日光 <6635>  1,417円 (+131円、+10.2%)

 大日光・エンジニアリング <6635> [JQ]が急反騰。8日の取引終了後、6月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで、より一層の投資家層の拡大と株式の流動性の向上を目的としているという。効力発生日は7月1日。

■ネットマーケティング <6175>  723円 (+63円、+9.6%)

 東証1部の上昇率9位。ネットマーケティング <6175> が大幅に3日続伸。8日取引終了後に発表した非開示だった20年6月期の業績予想(非連結)は、売上高142億9000万円(前期比1.7%増)、経常利益7億1000万円(同68.6%増)といずれも過去最高を更新する見通しとなったことが好材料視された。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、メディア事業で恋愛・婚活マッチングサービス「omiai」の月額課金が低下するほか、広告事業では広告主の広告出稿抑制などがみられ、第4四半期業績は急ブレーキがかかるものの、第3四半期まで大幅増収増益だったことでこれを吸収する。第3四半期累計の売上高は前年同期比15.3%増の113億1300万円、経常利益は同4.4倍の6億1300万円だった。メディア事業、広告事業ともに前年実績を大きく上回る水準で推移していた。

■ODK <3839>  682円 (+58円、+9.3%)

 ODKソリューションズ <3839> [東証2]が一時15%高と値を飛ばし4日続伸、600円台後半に歩を進め連日の年初来高値更新。同社は独立系のシステム開発会社で教育分野に強みを持ち、大学入試関連を中心とするビジネスプラットフォームを提供し高いシェアを有している。教育ICT関連の一角だが、AI面接プラットフォームや医療関連分野にも展開し業容を広げ、21年3月期はコロナ禍で営業減益予想も中期成長期待が強い。信用買い残が枯れた状態にあり、株式需給面も良好。9日は立会外分売(分売価格600円)の実施日にあたる。

■オープンH <3288>  3,415円 (+270円、+8.6%)

 オープンハウス <3288> が続急伸、年初来高値を更新。8日取引終了後、主力とする戸建関連事業の足もとの業績動向を発表。新型コロナウイルス感染症の影響で4月の仲介契約件数は大きく落ち込んだものの5月は急回復しており、これを好感する買いが入った。戸建て住宅の仲介契約件数は、4月が前年同期比で39.1%減少したものの、5月は43.0%増と急改善した。新型コロナウイルスの感染防止のため、家族が揃って自宅で過ごす時間が増えたことや企業のテレワーク推進で、部屋数の多い戸建てを求める顧客が増えているという。仲介契約件数の4月と5月の累計は1.4%増となった。

■アイリッジ <3917>  1,152円 (+80円、+7.5%)

 アイリッジ <3917> [東証M]が3日続伸。9日正午ごろ、同社の顧客データ分析プラットフォーム「FANSHIP」が、三井情報(東京都港区)が提供する「プロスポーツチーム向けファンエンゲージメント支援サービス」内で提供される公式アプリのプッシュ通知機能に採用されたと発表しており、これが好材料視された。今回アイリッジが提供したプッシュ通知機能は「FANSHIP」の機能の一つで、配信の日時指定や位置情報を活用した地域限定の情報配信などができるのが特徴。これにより、マーケティングスケジュールに沿った情報配信を実現し、運営スタッフの業務負荷を軽減するとしている。

■コムシード <3739>  461円 (+24円、+5.5%)

 コムシード <3739> [名証C]が急反発、一時10%近く上昇する場面があった。同社は8日、新作モバイルゲーム「ビッグバッドモンスターズ(ビバモン)」の事前登録者数が30万人を突破したと発表しており、これが株価を刺激したもよう。ビバモンは、グローバルゲーム開発社連合KRAFTON(韓国)との提携で日本版を配信予定の新作モバイルゲーム。美少女やキュートなモンスターがスポーツ感覚で街を破壊して対戦するゲームで、今月4日からGoogle Playで事前予約を開始している。

■ユビAI <3858>  712円 (+34円、+5.0%)

 ユビキタス AIコーポレーション <3858> [JQ]が大幅に3日続伸。一時10%超上昇する場面があった。同社は9日、イスラエルのジャンゴ・コネクティビティーが開発した遠隔患者モニタリングソフトウェア「CoMedico SDK」の提供を開始したと発表しており、これが材料視されたようだ。「CoMedico SDK」は、遠隔から患者モニタリングを実現するための機器メーカーやアプリメーカー向けのSDK(特定のソフトウェアを開発する際に必要なツールのセット)。高い画像認識技術を核に、遠隔モニタリングに必要な機能が一通り開発できるという。

■イーレックス <9517>  1,485円 (+59円、+4.1%)

 イーレックス <9517> が大幅続伸。8日の取引終了後、米系新電力のズームエナジージャパン(東京都港区)の全株式を親会社で米投資会社のブルーグリーン・アジア・パシフィック・ホールディングスから取得し、完全子会社化すると発表しており、これが好感された。ズームエナジーは、外資系企業として初めて経済産業省から小売電気事業者登録を受け、16年から日本全国(沖縄地区および離島を除く)で、低圧電力の顧客へ電力を供給している。今回の子会社化は、電力の販売競争が激しさを増すなか、日本の電力市場における顧客基盤の拡大を図るのが狙いという。なお、業績に与える影響については現在精査中としている。

■アルトナー <2163>  944円 (+34円、+3.7%)

 アルトナー <2163> が7連騰し年初来高値を更新した。8日の取引終了後に発表した第1四半期(2-4月)の単独決算が、売上高18億7400万円(前年同期比15.8%増)、営業利益2億6900万円(同50.5%増)、純利益1億8700万円(同50.3%増)と大幅な増益となり、これを好感した買いが流入した。主要顧客のメーカーからの先行開発プロジェクトへの技術者のニーズが継続したことから、稼働率が高水準で推移したことに加えて、技術者の単価も前年同期を上回ったことが業績拡大につながった。また、4月7日の政府の緊急事態宣言の発令以降に採用活動や営業活動でスタッフのテレワークを推進したことにより、旅費交通費などの費用が計画比で減少したことが利益拡大に貢献したという。なお、21年1月期通期業績予想は、売上高78億3200万円(前期比11.9%増)、営業利益9億7500万円(同10.1%増)、純利益6億7700万円(同10.4%増)の従来見通しを据え置いている。

■LIXILビ <3564>  2,587円 (+81円、+3.2%)

 LIXILビバ <3564> とアークランドサカモト <9842> がともに急伸。9日付の日本経済新聞で「LIXILグループはホームセンターを運営する上場子会社のLIXILビバを売却する方針を固めた。ホームセンター大手のアークランドサカモトがビバに実施するTOB(株式公開買い付け)に応じ、53%を保有するビバ株をすべて売却する」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。LIXILビバは、トステム(旧トーヨーサッシ)の子会社として1977年に設立されたビバホームが前身で、業界再編を経てLIXILグループ <5938> の子会社となった。関東地方を中心にホームセンターチェーン「ビバホーム」「スーパービバホーム」を102店舗(20年3月期末)展開している。一方、アークランドは新潟県を地盤とするホームセンターチェーンで、「ムサシ」業態などを展開している。

■アレンザHD <3546>  914円 (+23円、+2.6%)

 ホームセンターやペットショップなどを展開しているアレンザホールディングス <3546> が続伸。同社は8日取引終了後に、グループの5月度売上高速報を公表。既存店売上高は前年同月比18.0%増となり、4ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感されたようだ。既存店の客数が同13.6%増と4ヵ月連続でプラスとなったほか、客単価が同3.9%増(前月は2.0%減)と伸びたことが寄与した。なお、全店ベースの売上高は同20.8%増となり、4ヵ月連続で前年実績を上回った。

■西華産 <8061>  1,306円 (+24円、+1.9%)

 西華産業 <8061> が3日続伸。9日午後2時ごろ、三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET、神奈川県相模原市)及びその100%子会社である三菱重工エンジンシステム(MHIES、東京都品川区)から、10月1日付で船舶用エンジン販売・サービス事業を譲受すると発表しており、これが好感された。西華産では、MHIET製船舶用エンジンの国内の販売・サービス事業を譲受し、商社としての販売ノウハウを生かすことで、船舶用エンジン販売・サービス事業の拡大と強化を図るのが狙い。なお、21年3月期業績への影響は軽微としている。

■日清粉G <2002>  1,776円 (+25円、+1.4%)

 日清製粉グループ本社 <2002> が3日続伸。子会社の日清フーズが8日、家庭用小麦粉の製品価格を9月1日出荷分から約1~2%値上げすると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。輸入小麦の政府売り渡し価格が4月1日に改定されたほか、人件費なども上昇しており、これらの価格変動は企業努力だけでは吸収できないとして値上げに踏み切るという。

■アイカ <4206>  3,355円 (+40円、+1.2%)

 アイカ工業 <4206> が続伸。8日の取引終了後、19年1月に発売した抗ウイルスメラミン化粧板「アイカウイルテクト」について、ネココロナウイルスとA型インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス性試験を実施し、いずれも99%以上の表面上のウイルス数低減効果を確認したと発表しており、これが好感された。なお、ネココロナウイルスは現在問題となっている新型コロナウイルスとは異なるものの、同じコロナウイルス科に分類され構造も似ていることから、ウイルス数の低減効果については大きな差はないと推測しているという。

■日医工 <4541>  1,349円 (+15円、+1.1%)

 日医工 <4541> が続伸。8日の取引終了後、東京大学、理化学研究所及び第一三共 <4568> と、新型コロナウイルス感染症の治療に向けたナファモスタット吸入製剤の共同研究開発実施に向けて基本合意したと発表しており、これが好感された。今回の共同研究開発では、日医工は製造販売元として「フサン」(一般名「ナファモスタットメシル酸塩」)の点滴静注に関して長年にわたり蓄積してきた臨床データの提供や原薬供給を行うほか、第一三共は、抗インフルエンザウイルス薬「イナビル」の開発で得た技術を活用して、ナファモスタットの吸入製剤化の研究開発を推進するという。今後、非臨床試験を7月に開始する予定で、21年3月までの臨床試験移行を目指すとしている。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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