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【経済】白金は上値拡大の可能性あり サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)


皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。先週末5日のNY金は、5月米雇用統計が市場予想を上回る内容だったことを受け急反落しました。今回は、白金市場のレポートを紹介します。

陳さんはまず、『白金最大の生産国である南アフリカでは、鉱業会議所のバクスター最高経営責任者(CEO)が5月26日、新型コロナウイルス感染拡大について、「影響は非常に大きい。鉱物生産量は今年、8~10%程度の打撃を受けることになりそうだ」と述べた』と伝えています。

『新型コロナ感染拡大防止のため、3月末に始まった全国的なロックダウン(都市封鎖)で、南ア国内の鉱山は一時的な閉鎖を余儀なくされた』とのことで、『南ア政府は6月1日からの鉱山再開を許可したが、同国産金大手ハーモニー・ゴールドのスティンカンプCEOは、フル生産に戻るには1カ月かかるとの見通しを示した』といいます。また、『再開したもののウィルス感染拡大も懸念されるため通常の操業に戻るにはさらなら時間を要する可能性がある。これはとりもなおさず供給不足懸念を強める』と指摘しています。

世界の中銀が金融緩和策を実施したことや、欧米各国でロックダウンを解除したことなどの措置を背景に、世界の株価は反発に転じました。陳さんは『産業用貴金属である白金相場もほぼこれに連動して上昇し、NY白金は800ドルを明確に上抜け、先月20日には一時943ドルと年初来の高値をつけおよそ3カ月ぶりの高値となった』と説明しています。

加えて、『需給面での支援要因もあった』として、『ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)が5月18日に発表した2020年第1四半期(1~3月)の世界白金需給は推定で供給合計が55トン、需要合計が51トンで差し引き4トンの供給過剰だった』と伝えています。

『白金の主要な消費先である、自動車、宝石、工業、投資家からの需要がいずれも減る見込みだが、新型コロナウイルスによる影響は総じて懸念していたほどではなく、今年の見通しは従来の想定よりは良いと指摘された』とのことです。

今後の動向については、『今年が米大統領選挙の年であることを考えると米国の対中姿勢は一段と厳しさを増す可能性が高いが、一方で、世界経済の足枷となっている新型コロナウイルスによる影響は徐々に緩和されている。「第二波」への懸念があるもののワクチン開発への期待も高く、最悪期は脱したと言えるのではないか』と考察。

一方、『新型コロナウイルスの影響により自動車産業が世界的規模で打撃を受けていることは需要面では重石になろう』と推測しており、2020年3月の世界の自動車販売台数が1980年以来、対前年比で最も大きな減少となったことなどから、『白金相場の上値には過度の期待は難しいだろう』と分析しています。

今後のNY白金相場については『800~1000ドルのレンジ相場で推移する』と予想しています。陳さんは『東京白金は200日移動平均線が3000円近辺にあり、これをブレイクできるかどうかがポイントだろう』と示唆しており、『仮にNY白金=1000ドルとなれば、1ドル=108~109円として3475~3500円に上値余地が拡大する可能性がある』と伝えています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月5日付「白金は上値拡大の可能性あり」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 花田浩菜

《HH》

 提供:フィスコ

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