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【市況】【村瀬智一が斬る!深層マーケット】 ─ 「海外勢の需給状況に変化みられるか見極め」

RAKAN RICERACA 代表取締役 会長 村瀬智一

「海外勢の需給状況に変化みられるか見極め」

●過熱警戒による出遅れ銘柄を探る動き

 今週の日経平均株価は、前週に続きリバウンド基調が強まった。米国市場の強い流れを受けた先物主導によるギャップスタートが目立ち、日中は膠着感が強まるものの、日経平均は上向きの5日移動平均線に沿った強いトレンドを形成している。そのため、過熱が警戒されてはいるものの、経済活動の再開に伴う景気回復期待を背景とした世界的なリバーサルの流れは、売り方にとっては厳しい需給状況にも見える。

 米国では白人警官の暴行による黒人死亡事件で抗議活動が拡大しているほか、米中対立や香港情勢への警戒感も根強く、積極的に上値は追いづらいところではある。ただ、それ以上に経済活動再開による景気回復期待が勝っているといった相場展開だろう。

 とはいえ、6月第2週は6月物の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)がある。足元ではショートカバーとみられる海外勢の動きが目立っているが、メジャーSQにおいて一旦一巡するのではないか、との見方もされている。そのため、需給状況に変化がみられる可能性があることは注視しておく必要がありそうだ。

 また、改正外為法(外国為替及び外国貿易法)が5月8日に施行されており、事前審査は6月7日から適用される。海外の国有企業などは、特定の業種に属する事業を営む会社の株式を取得する場合、事前届け出の出資比率の基準が従来の10%から1%以上に厳格化されている。免除基準などもあって詳細を読み解く必要はあるが、日本株の取引を躊躇させる要因となる可能性はありそうだ。そのため、投資主体別売買動向で2週連続買い越している海外勢の需給変化の有無を特に見極めたい。

  新型コロナウイルスの影響については、今後、第2波到来への警戒感が根強い。米中対立のほか、米国の抗議デモによる経済への影響も相場の重荷になるだろう。それ故、積極的に上値を追う流れにはならず、足元の上昇については買い戻しが中心と見られる。そのため、買い戻しが一巡した後は動きが鈍くなるとみられるが、景気回復などを見極めながらではあるものの、徐々に買い越しの流れに向かうだろう。物色については、過熱警戒により出遅れている銘柄を探る動きが出てくるとみておきたい。

●今週の活躍期待「注目5銘柄」

◆ギグワークス <2375> [東証2]
インターネットなどを通じて単発・短期の仕事を受注する働き方や経済活動であるギグエコノミー領域においてサービスを展開。好きな時間や希望エリアといった、自分自身に合った働き方が見つかる幅広い仕事情報を提供する。新型コロナウイルスの感染拡大による所得減少を補う目的や、テレワークなど新しい働き方が出現したことによって副業ビジネスへのニーズが高まるだろう。株価は緩やかながらも上向きの25日移動平均線を支持線としたリバウンド基調が継続している。

◆Hamee <3134>
自社ネットショップ運営の現場から生まれたシステムであるクラウド(SaaS)型 ECプラットフォーム「ネクストエンジン」の総契約数は4000社を突破。新型コロナウイルス感染防止に向けた在宅勤務の導入や巣ごもり消費によって、EC事業へ進出する企業および既存のEC事業の拡大を計画する企業が増加している。株価はリバウンド一巡後、75日移動平均線レベルでの膠着が続いていたが、直近では75日線から上放れてきている。

◆ホシザキ <6465>
業務用厨房機器メーカー。新型コロナウイルスの感染拡大によって主要販売先であるフードサービス産業は営業休止・営業時間短縮などで業績に大きな影響を受けており、20年12月期予想については未定に修正している。設備投資の延期または中止の影響が見込まれるが、一方で経済活動の再開によって回復期待が高まりそうである。また、医療用消毒器「強酸性電解水生成装置」も注目される。同装置によって製造された水は殺菌消毒能力を有し、手術者、介助者などに手洗い用として使用される。5月には指定管理医療機器の認証を取得している。株価は3月、4月安値とのダブルボトム形成後はリバウンド基調が継続。25日、75日移動平均線とのゴールデンクロス示現。

◆OSGコーポレーション <6757> [JQ]
水素水生成器や浄水器などの水関連機器の製造・販売を手掛ける。新型コロナウイルス対策で、消毒液として推奨している次亜塩素酸水製品の衛生管理機器主要4品の3月の売上が、前年同月比500%以上の大幅な伸びとなった。弱酸性除菌水として販売している次亜塩素酸水は自治体のほか、様々な施設において利用が広がっている。株価は4月の戻り高値水準での推移が続いているが、直近では25日移動平均線が支持線として機能している。


◆ギフト <9279> [東証M]
横浜家系ラーメン「町田商店」などを運営。外出・営業自粛の影響を受けたが、デリバリー対応店舗の拡充、テイクアウト販売に取り組んだことで乗り切り、5月後半以降は緊急事態宣言が解除されたことで客足が戻ると考えられ、回復を意識した流れに向かおう。株価は3月23日につけた808円を安値に、その後は25日移動平均線を支持線としたリバウンド基調が継続。

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