【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 独自好材料を内包する銘柄に注視!
株式アドバイザー 北浜流一郎
「独自好材料を内包する銘柄に注視!」
●神経質すぎる株式市場だが…
頼りの米国市場が神経質な展開になっている。23日のNYダウにそれがリアルな形で現れた。
同指標は寄り付きから強い動きで、一時410ドル高があった。しかし、引けにかけて急速に上げ幅を縮小し、39ドル高に終わった。24日の東京市場もそんな動きに連動安した形になったが、それをなぜ神経質な動きとみるのか。
米国市場の失速要因が、バイオ製薬のギリアド・サイエンシズによる 新型コロナウイルス治療薬の中国での臨床試験が「失敗だった」と伝わったことによるものだったからだ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者を対象に行われた臨床試験で、同社のエボラ出血熱治療薬「レムデシビル」が有効性を示さなかったというのだ。
レムデシビルは特効薬との評価があり、大いに期待されていた。それが中国の臨床試験で「効果なし」との判断。それも、中国の研究チームが世界保健機関(WHO)に送った治験結果がWHOの手違いで外部に流出して判明した、という小説的な経緯もあってギリアド株は一時8%強の急落となった。
正直、新薬の開発については、この種の真偽定かならぬ情報がつきもの。特に驚いたり、失望したりするようなことではない。ところが、市場はレムデシビルの効果がないとなると、新型コロナの拡大を止める手立てはないじゃないか、これでは経済の回復も望み薄――こう受け止めたとみてよい。
こんな見方は、私に言わせればあまりにナイーブだ。レムデシビルがどれほどの治療薬候補か詳細は分からないが、多くの候補の一つに過ぎない。その臨床結果が思わしいものではなかったからといって、市場全体が失速するようなことではない。
しかし、実際は急失速したのだからそれは無視できないのだが、こんな神経質すぎる反応は短期に修正されるのが市場の常だ。レムデシビルが本当にダメなのかはまだ分からないし、新しい治療薬候補が登場してくるに決まっているからだ。
●切り口は巣ごもり、アフターコロナなど多士済々
そこで、ここでの対応はそんな神経質すぎる相場とは無縁のところで動いている銘柄とのつき合いを考えたい。
まずはチェンジ <3962> だ。企業、公共団体などにIT技術やデジタル人材の育成サービスを提供している会社で、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」も運営している。巣ごもり中の人が多くなっていることを考えると、「ふるさとチョイス」の利用者も増えるとみてよく、株も期待が持てる。
いまは需要が落ちているものの、数ヵ月後に新型コロナの拡大にブレーキがかかることを考えると、ガラス繊維需要が急増するとみてよく、日東紡績 <3110> に着目だ。
少々意外な材料を持つのが多木化学 <4025> だ。この会社はマツタケに類似したバカマツタケの人工栽培に成功している。目下、量産化を目指して準備中であり、発売されたらぜひ購入してみたい。その資金作りは同社株で作る、というのはどうだろう。
いまや私の事務所でも、頻繁に換気を行うことにしている。企業の場合は窓を開けるだけでは済むまい。もっと大がかりな空調設備を導入するなど、空調の管理に力を入れなければならない。こんな需要を満たす企業として三機サービス <6044> があり、株は着実高が見込める。
やや時間がかかるだろうが、ブイ・テクノロジー <7717> も魅力的だ。この会社は液晶・有機ELディスプレーの製造、検査装置に強いが、注目点は中国での販売が主であること。中国が行動規制を解除、経済活動が再開されつつあることを考えると、この会社の製品需要は今後、拡大が必至。株も再起する確率が高いとみる。
そして、最後にもう一銘柄。在宅の時間をボケーっと過ごすのではなく、なにか勉強をしたい。こんな人も多いはずで「ネットで英語を」となる人も…。となると、オンライン英会話の最大手レアジョブ <6096> [東証M]になる。
2020年4月24日 記
株探ニュース