【市況】1日の米国市場ダイジェスト:NYダウ973ドル安、新型ウイルス蔓延の長期化を警戒
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウ973ドル安、新型ウイルス蔓延の長期化を警戒
米国株式相場は続落。ダウ平均は973.65ドル安の20943.51ドル、ナスダックは339.52ポイント安の7360.58ポイントで取引を終了した。米国政府が新型ウイルスによる死亡者数が10万~24万人に達するとの見通しを示し、特に今後2週間は痛みを伴う厳しい状況になると警告すると、経済活動の再開が一段と遅れ、企業収益や景気にさらなる悪影響を与えるとの懸念が高まり投資家心理が悪化、下落して始まった。3月ADP雇用統計や3月ISM製造業景況指数も警戒された通り景気の悪化を裏付ける結果となり、引けにかけて下げ幅を一段と拡大した。セクター別では不動産や銀行が大きく下げた一方、エネルギーは小幅な下げにとどまった。
航空大手のユナイテッド航空(UAL)、アメリカン航空(AAL)は、米政権による警告が嫌気され下落。また、百貨店大手のメーシーズ(M)は、S&P500種株価指数の構成銘柄から削除されたため続落となった。一方、スーパーマーケット大手のクローガー(KR)は、第1四半期の収益が見通しの上限に達する見込みだとしたほか、3月売上の30%増を発表し上昇した。ディスカウント小売りチェーン大手のダラージェネラル(DG)は、シテイグループによる目標株価引き上げが好感され上昇。
ムニューシン米財務長官はインタビューで、インフラに関する協議を継続していることを明らかにしたが、成立した経済救済策の実行を最優先課題としているとした。また、流動性に関し、パウエルFRB議長と綿密に協力していることも明らかにしている。
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■NY為替:リスク回避の円買い優勢、米国経済の再開は遅れるとの懸念強まる
1日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円61銭から106円92銭まで下落して107円15銭で引けた。米国の3月ADP雇用統計が2017年9月来で初めての雇用減少に落ち込んだほか、米3月ISM製造業景況指数も50を割り込み活動の縮小を示したため、景気後退を織り込むドル売りが優勢となった。さらに、トランプ政権が新型ウイルス蔓延が今後2週間で一段と深刻化する可能性を警告したため経済の再開が遅れ景気や企業収益にさらなる影響を与えるとの懸念に投資家心理が悪化しリスク回避の円買いも強まった。
ユーロ・ドルは、1.0903ドルまで下落後、1.0970ドルまで上昇し、1.0962ドルで引けた。域内の製造業PMIが軒並み落ち込んだことを嫌気したユーロ売りが継続した。ユーロ・円は117円67銭から116円95銭まで下落した。ポンド・ドルは1.2358ドルから1.2439ドルまで上昇。ドル・スイスは0.9691フランまで上昇後、0.9653フランまで反落した。
■NY原油:下落で20.31ドル、サウジアラムコの石油供給量が増加
NY原油先物5月限は下落(NYMEX原油5月限終値:20.31 ↓0.17)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は、前営業日比-0.17ドルの1バレル=20.31ドルで取引を終えた。取引レンジは19.90ドル-21.55ドル。サウジアラムコの石油供給量が日量1200万バレル超の水準に増えていることや、原油在庫の増加を嫌気した売りが入ったことから、一時20ドルを割り込んだが、押し目買いが入っており、時間外取引で21ドル台半ばまで戻している。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 19.77ドル -1.46ドル(-6.88%)
モルガン・スタンレー(MS) 31.62ドル -2.38ドル(-7.00%)
ゴールドマン・サックス(GS)145.29ドル -9.30ドル(-6.02%)
インテル(INTC) 51.88ドル -2.24ドル(-4.14%)
アップル(AAPL) 240.91ドル -13.38ドル(-5.26%)
アルファベット(GOOG) 1105.62ドル -57.19ドル(-4.92%)
フェイスブック(FB) 159.60ドル -7.20ドル(-4.32%)
キャタピラー(CAT) 111.35ドル -4.69ドル(-4.04%)
アルコア(AA) 6.25ドル +0.09ドル(+1.46%)
ウォルマート(WMT) 114.14ドル +0.52ドル(+0.46%)
《SF》
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