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【特集】需給で読み解く株式市場、検証:ショック安の行方


―高まるか、外国人投資家の現物売り圧力―
text.若桑カズヲ

●リーマン・ショック想起させる株価下落

 新型コロナウイルス問題で大きく調整した東京株式市場は、日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの公的な買い支え観測に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)による無制限の資産購入発表などを受けて前週大きく反発した。これで一旦は市場心理も落ち着く可能性はあるものの、PKO(株価維持操作)や金融政策ではパンデミック(世界的大流行)を止められないことは周知の通り。そのため、今後2週間ぐらいでウイルス感染拡大の勢いが収まるかどうかが注目されている。

 今回の株価急落で恐怖指数と呼ばれるVIX指数は一時80を超え、2008年のリーマン・ショック時にほぼ並ぶほどの高いボラティリティ(価格変動率)を示しており、投資家の極端なリスク回避姿勢は当時と似てきたようだ。そこで今後の動向を占うために、当時と現在の状況を比較してみる必要があるだろう。

 リーマン・ショック当時は、ショックが起きた9月15日の以前から日経平均株価は調整傾向を示し、本格的な急落が始まったのは9月末からであった。その後、10月27日に7162円で底入れし、翌年2009年3月10日に7054円と二番底を打っている。今回も似たような急落ぶりであるが、パンデミックが止まらずに同程度の調整となれば、日経平均は1万4000円台が視野に入ると言えよう(図1参照)。

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