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【市況】米国株式市場見通し:新型コロナウィルスの動向を注視


新型コロナウィルスの感染被害が世界各国に拡大しており、世界経済鈍化への警戒感が一段と強まっている。複数の米企業が業績見通しを下方修正するなど、投資家心理のリスク選好姿勢が後退している。中国や日本などの周辺国は政治的な判断に基づいて大規模な対応を行なっていることから、経済活動は大きく萎縮しており、短期的な企業業績への影響は避けられない状況だ。しかし、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)や、2009年の新型インフルエンザの流行などの過去の事例を考えると、長期にわたる株価下落には繋がらなかった。その他にも、ギリシャ危機、ブレクジット、大統領選挙等のイベントによる株価の変動は、企業価値に殆ど影響を与えていない。いつ新型コロナウィルスの感染拡大が収束するかは不明だが、足元の株価水準は非常に割安で買いの好機といえる。

10-12月GDP改定値は速報値から変わらず予想通りの内容となったが、個人消費が下方修正されたことから、米景気拡大の勢いが減速していることが示された。今後、新型コロナウィルスによる経済への悪影響が顕在化することを考慮すると、FRB(米連邦準備制度理事会)も追加利下げを考えざるを得ないだろう。

経済指標では、2月マークイット米国製造業PMI(2日)、1月建設支出(2日)、2月ISM製造業景況指数(2日)、2月ADP雇用統計(4日)、2月ISM非製造業景況指数(4日)、1月製造業受注(5日)、1月貿易収支(6日)、2月雇用統計(6日)などが予定されている。雇用統計では失業率は3.6%で横ばい、非農業部門雇用者数は前月比16万人増が予想されている。また、FOMC(連邦公開市場員会)での基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)も4日に発表される予定だ。

企業決算では、自動車部品小売のオートゾーン(3日)、法人向けハードウエア・サービス事業のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(3日)、ディスカウントストアのターゲット(3日)やダラーツリー(4日)、百貨店のコールズやノードストローム(3日)、アパレルのアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(4日)、食品小売のクローガー(5日)、会員制卸売のコストコ・ホールセール(5日)などが予定されている。クローガーは、ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社のバークシャー・ハサウェイが10-12月期に新規取得したことから注目を集めそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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