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【特集】藤代宏一氏【乱調相場続く、新型肺炎の悪影響どこまで】(1) <相場観特集>

藤代宏一氏(第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト)

―企業業績低調で先行き不透明、ここは買い場か売り場か―

 週明け17日の東京株式市場は引き続き新型肺炎に対する警戒感から買い手控えムードが強く、日経平均株価は一時350円あまり下落する売り圧力の強い地合いを余儀なくされた。企業の19年4-12月期決算発表はほぼ通過したが、総括して厳しい内容であったと言わざるを得ない状況で、1-3月期の逆風を考えると業績回復への期待感も足もと後退している。株式市場はここから本格的に調整局面を迎えるのか、それともここは絶好の買い場となるのか。第一線で活躍する市場関係者に今後の相場展望や物色対象について意見を求めた。

●「春先にかけ軟調展開も、世界景気の拡大サイクルは不変」

藤代宏一氏(第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト)

 新型肺炎の感染拡大や昨年10-12月期国内総生産(GDP)の予想を上回る落ち込みなど、足もとのネガティブ要因は少なくない。ただ、その一方で、半導体や「5G」需要などに牽引される格好でグローバル景気サイクルの拡大基調は続いている。日経平均は、例えば新型肺炎の感染ペース拡大などの要因によって、春先にかけ一時的に2万2500円前後に落ち込むこともあり得るだろう。ただ、その後は世界景気拡大を背景に2万4000円台乗せから2万5000円台を目指す展開は見込めると予想している。

 新型肺炎の今後の状況を予想することはできないが、市場では春頃までに新型肺炎が徐々に収束に向かい、3~4月以降にかけ世界経済が復活していくことをメインシナリオとしているようだ。このメインシナリオをベースとした場合、新型肺炎により経済や株価にそれほど大きな影響は出てこないだろう。過去の例をみても大規模災害や伝染病などの非景気循環要因によってグローバル景気サイクルが崩れた例は思い当たらない。

 一方、きょう発表された10-12月期実質GDPは前期比年率で6%台と厳しい落ち込みとなった。消費増税が個人消費に与えたダメージは予想以上に大きかった。20年1-3月期も新型肺炎の影響が予想されるなか、大きな回復は期待できないだろう。

 ただ、前述したように世界景気回復の基調は変わっていない。この日本経済の情勢は、株式市場のセクター間の明暗を一層鮮明にするだろう。個人消費に関係するセクターは低迷する一方で、半導体や5Gに関連する産業向けセクターは堅調な値動きが期待できる。ソフトウエアなど情報通信系も好調分野に入る。自動車セクターは個人消費に絡むだけに厳しいかもしれない。為替は当面動きにくい状況が続くとみており、1ドル109円台を中心とするレンジ相場を予想している。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ふじしろ・こういち)
第一生命経済研究所経済調査部・主任エコノミスト。担当は金融市場全般。2005年4月、第一生命保険入社。08年、みずほ証券出向。10年4月第一生命経済研究所出向、同年7月内閣府経済財政分析担当へ2年間出向。12年7月副主任エコノミストを経て、15年4月より現職。

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