【市況】米国株式市場見通し:パウエルFRB議長の議会証言に注目
今週もコロナウィルスによる感染拡大への警戒感が残るものの、株式相場はある程度リスクを織り込んだものと考えられ、投資家の注目は米景気と金融政策の動向に移りそうだ。11-12日にかけてパウエルFRB議長が議会証言を行う予定だ。世界経済に対するコロナウィルスの影響をどの程度考慮しているのかに注目したい。
トランプ政権が10日に提出を予定する2021会計年度の予算教書を皮切りに相場が大きく動く可能性がある。ムニューシン財務長官は予算教書に中間層を対象にした新たな減税案が盛り込まれることを示唆し、今後2年間に1兆ドルの赤字を見込んでいると述べており、民主党との対立が予想される。また、航空宇宙局(NASA)の予算増額が予想されており、提携する航空・防衛関連株が物色されそうだ。
主要企業決算では、ホテル運営のヒルトン(11日)、クーポン共同購入サイトのグルーポン(11日)、スポーツ用品メーカーのアンダーアーマー(11日)、配車サービス大手リフト(11日)、薬剤給付管理会社のCVSヘルス(12日)、旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(12日)、ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(12日)、飲料メーカーのペプシコ(13日)、損害保険のAIG(13日)、ストリーミング端末のロク(13日)、半導体のエヌビディア(13日)などの決算発表が予定されている。先日にウォルトディズニーの動画配信サービス「Disney+」の加入者数が予想を大きく上振れたことから、ロクが販売するストリーミング端末の需要拡大が予想される。
経済指標では1月消費者物価指数(13日)、1月輸入物価指数(14日)、1月小売売上高(14日)、1月鉱工業生産(14日)などの発表が予定されている。小売売上高は11月分からほぼ横ばいが予想されているが、全米小売業協会(NRF)は、足元で景気後退の兆候は見られず昨年よりは不確実性は低いとの認識を示しており、20年の小売売上高について概ね堅調な成長を予想している。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ