【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):コロナウイルス関連、JAL、郵船
JAL <日足> 「株探」多機能チャートより
空運株が安い。日本航空<9201>とANAホールディングス<9202>は、そろって反落し年初来安値に売られた。スターフライヤー<9206>も値を下げている。中国・武漢市で発生した新型肺炎による感染が世界に拡大するなか、ビジネスや旅行による旅客需要が減少することへの警戒感が高まっている。先週末17日のニューヨーク市場ではデルタ航空などが下落しており、世界的に空運株には売りが先行する展開となった。
■日本郵船 <9101> 1,804円 -38 円 (-2.1%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>など大手をはじめ海運株が軒並み安となり、業種別値下がり率で上位に売り込まれた。中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で中国景気への影響が懸念されており、中国経済と連動性の高い海運セクターにはマイナスの思惑となっている。また、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が、昨年12月から水準を一貫して切り下げており、直近では550近辺まで低下。これは2016年3月以来3年10カ月ぶりの低水準で、これを嫌気する売りがかさんだ。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,053円 -20.5 円 (-1.9%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株が安い。前週末は米国株安に加え、リスクオフの流れのなかで原油市況も下落基調を強め、WTI原油先物価格は1ドル40セント安の1バレル=54ドル19セントと続急落、直近3営業日終値ベースで4ドルを超える急落をみせた。米国株市場ではシェブロンが1%を超える下げをみせるなどエネルギー関連株が売られており、東京市場でも原油価格と株価連動性の高い両銘柄などにネガティブ材料となっている。
■三菱UFJ <8306> 566.5円 -7.5 円 (-1.3%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>といったメガバンクが安い。新型肺炎の感染拡大に伴うリスクオフ姿勢が強まるなか、安全資産の債券には買いが流入し、長期金利が低下した。銀行株にとっては、金利低下は利ザヤ縮小による業績悪化につながることが懸念されている。なお、三井住友FGは30日、みずほFGは31日、三菱UFJは2月4日に決算発表を予定しているが、市場には「おおむね堅調な決算となったようだ」(アナリスト)と予想する見方も出ている。
■サンバイオ <4592> 2,514円 -18 円 (-0.7%) 本日終値
サンバイオ<4592>が冴えない。前週末24日の取引終了後、順天堂大学が研究を進めているダイレクトリプログラミング法による膵ベータ細胞の作出について、共同研究に関する契約を締結したと発表したが、全般安にツレ安する形となった。今回行われる共同研究は、同大大学院医学研究科難治性疾患診断・治療学(岡﨑康司教授、松本征仁客員准教授)が開発した体細胞からダイレクトリプログラミング法によって、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞から糖尿病発症に関係する膵ベータ細胞と呼ばれる細胞を作出し、1型糖尿病に対する再生医療等製品の開発を目指すというもの。サンバイオのSB623の開発過程で蓄積してきた再生医療等製品の開発技術と、順天堂大の体細胞からのダイレクトリプログラミング法を組み合わせ、1型糖尿病のモデル動物を用いて有効性および安全性を評価し、臨床試験に進むために必要なデータを取得する。
■マナック <4364> 1,643円 +300 円 (+22.3%) ストップ高 本日終値
マナック<4364>がストップ高。前週末はストップ高人気となったが、きょうも物色人気に衰えが見られない。同社はエーザイ<4523>が販売する「イータック抗菌化スプレー」の主成分を開発・供給していることで、現在、世界的に感染拡大傾向をみせている新型肺炎の対策関連株として投機資金が攻勢をかけている。また、ニイタカ<4465>、中京医薬品<4558>、大幸薬品<4574>なども同じく除菌製品関連銘柄として上値を大きく上値を追う展開となった。
■川本産業 <3604> 1,691円 +300 円 (+21.6%) ストップ高 本日終値
川本産業<3604>がストップ高。同社は医療用衛生材の大手メーカーで、防護服やマスクを手掛けていることから、新型肺炎関連の有力株として値幅取りを狙った短期資金が集中している。同社株は前週5営業日すべてストップ高という異彩人気となったが、きょうも投機筋の攻勢が継続、6日連続ストップ高の可能性もある。このほか、防護服関連のアゼアス<3161>、防毒マスクの重松製作所<7980>、興研<7963>なども人気を集めた。
■リプロセル <4978> 248円 +42 円 (+20.4%) 本日終値
リプロセル<4978>が急反発している。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「今春にも、再生医療用のiPS細胞の製造受託サービスを始める」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、分解されやすいRNA(リボ核酸)を使ってiPS細胞にするため、ウイルスなどを使う他社の製品に比べて安全性が高い。また、日米欧の規制に対応しているので、製薬企業が世界展開しやすいのも特徴としている。
■VIX短先物 <1552> 5,290円 +640 円 (+13.8%) 本日終値
国際のETF VIX短期先物指数<1552>が急伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。先週末24日の米VIX指数は前日に比べ1.58(12.17%)ポイント高の14.56に上昇した。米国で2人目となる新型肺炎の感染者が見つかり、世界的な感染拡大が懸念されるなかNYダウは下落した。これを受け、この日の国際VIX短期先物は上昇した。
●ストップ高銘柄
カイノス <4556> 1,350円 +300 円 (+28.6%) ストップ高 本日終値
大木ヘルス <3417> 1,947円 +400 円 (+25.9%) ストップ高 本日終値
アゼアス <3161> 1,566円 +300 円 (+23.7%) ストップ高 本日終値
興研 <7963> 2,675円 +500 円 (+23.0%) ストップ高 本日終値
ニイタカ <4465> 2,795円 +500 円 (+21.8%) ストップ高 本日終値
など、16銘柄
●ストップ安銘柄
クリエアナブキ <4336> 740円 -150 円 (-16.9%) ストップ安 本日終値
など、3銘柄
株探ニュース