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【通貨】要人発言と共にみる、2020年のビットコイン価格予想【フィスコ・仮想通貨コラム】


ビットコイン(BTC)相場は足元(1月16日10時時点)、1BTC=8,760ドル(約96万円)台で推移している。年明けから中東情勢が緊迫する中、ビットコインは安全資産としての買いが進み、1月13日にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)がビットコインのオプション取引を開始すると一気に上昇した。上昇相場でスタートしたビットコインだが、2020年はどのように動くのか? ここでは、業界内外の著名人の発言や金融機関の価格予想をまとめてみた。

まずは最も高値の発言から見てみよう。セキュリティソフト最大手・米マカフィー社の創業者であるジョン・マカフィー氏は2017年、ツイッター上で、(1BTCの価格は)「2020年までに100万ドル(約1.1億円)に到達する」と予想した。2017年のBTC市場は総じて上昇相場で過去最高価格の220万円台に到達したのもこの年だったという背景があるものの、同氏のビットコインへの高い評価が窺がえる発言ではある。

次に、米著名ベンチャーキャピタル投資家のティム・ドレイパー氏の「2022年までに250,000ドル(約2748万円)」が続く。同氏は、2014年にまだビットコインが500ドル足らずであった時点で「ゆくゆくは10,000ドルになる」と予想して注目を集めた。

この他、仮想通貨業界内では、米著名投資家で「ジェミニ」という仮想通貨取引所の共同創設者であるウィンクルボス兄弟が「10~20年以内に時価総額6.8兆ドルとなるだろう」と発言。足元の時価総額は1,575億ドルなので、40倍以上になるという予想だ。ビットコイン関連企業のエンジェル投資家として著名なロジャー・バー氏が2015年時点で「(将来的には)250,000ドルになり得る(約2748万円)」と発言している。

大胆なビットコイン価格予想で知られるデンマークの投資銀行サクソバンクのケイ・ヴァン・ピーターセン氏は「2028年までに10万ドル(約1,000万円)」と予想。サクソバンクは2016年末、約700ドルだったビットコイン価格が「2017年内に2,000ドルを超える」と予想して実際には17年12月に2万ドルに到達したことで当時注目を集めた。

ブルームバーグが公開した報告書「2020年1月の仮想通貨見通し」では、もう少し抑えた予想が出ている。報告書の中では、ビットコイン価格は今年5月に「半減期」(新規通貨発行量が半減するタイミング)を控えてその供給量が減少する中、再び2019年の最高値である14,000ドル(約153万円)を目指して上昇する可能性が高いと分析している。

一方でJPモルガンは、ビットコインの「本質的な価値は5,000ドル付近」として下振れリスクを指摘している。このJPモルガンの試算は、ビットコインをコモディティとみなして生産量を1単位増加する際にかかる限界費用(ビットコインのマイニングにかかる電気代など)から本質的な価値を計算したものだとブルームバーグで報じられている。

2020年に半減期を通過するビットコイン相場はどの予想にもっとも近づくのか? 国内では4月に証拠金取引のレバレッジ上限が2倍へと引き下げられるといった投資条件の変化も起こる中、動向が注目される。

(ビットコインの価格・時価総額は、ともにCoinMarketCapより)

《SI》

 提供:フィスコ

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