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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「今年もトランプ戦術相場は健在」

株式評論家 富田隆弥

◆乱高下で始まった2020年相場。言うまでもなく震源は中東の地政学リスクで、日経平均株価の騰落は大発会(6日)から9日まで451円安、370円高、370円安、535円高と推移し、東証1部の値上がり(値下がり)銘柄数も277(1835)、1961(146)、150(1981)、1960(157)と極端な日々が続く。

◆ただ、株価が高所にきているので風雨が強まるのは仕方なく、1月相場には調整アノマリー(経験則)もある。そして、不安を募らせて売らせては踏ませる(買い戻しを誘う)というトランプの戦術は今年も健在だ。過剰流動性の相場は、もうしばらくダイナミックに動くことが想定される。

◆日経平均は8日に一時2万2951円まで下げ、日足チャートは「陰転」を暗示した。だが、8日の安値は一目均衡表の雲(2万3100~2万2442円)に差し掛かり、75日移動平均線(2万2912円)に迫ったところから切り返して下ヒゲを伸ばす「たくり足」となった。そして、9日は535円高の2万3739円と大きく上げて25日移動平均線(2万3623円)をクリアし、大発会で開けた窓(2万3656円)を埋めた。

◆強い切り返しではあるが、ここまでは崩れたあとのアヤ戻しである。日足を「好転」に戻すには、2万4000円台回復から12月17日の高値2万4091円を奪回しなければならない。逆に下値は75日移動平均線が注意ポイントで、これらが当面のチャートの上下ポイントになる。

◆ただ、NYダウナスダックが乱高下しながらも過去最高値を更新。8日に107円65銭まで円高が進んだ為替(ドル・円)も、10日夜間には109円50銭台を回復。こうなると、日経平均の「好転」も可能だろう。まずは、2万4091円奪回からアベノミクス相場の最高値2万4448円(18年10月)に向けて動くことを期待したい。

(1月9日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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