【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):石川製、両毛システム、寿屋
豊和工 <日足> 「株探」多機能チャートより
両毛システムズ<9691>が全般リスクオフ相場に逆行し、ストップ高となる人気となった。同社はソフト開発及び販売を手掛けるが、自動車業界向けで強みを発揮、成長キーワードでもある次世代移動サービス「MaaS」ではソフトバンクグループ<9984>とトヨタ自動車<7203>の合弁で立ち上げた企業連合に加盟するなど、積極的に需要を捉える動きをみせている。ここ継続的に資金流入が加速されており、株価は2018年1月につけた2490円の高値を一気に上回り、実質青空圏に突入している。
■石川製作所 <6208> 2,184円 +400 円 (+22.4%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
石川製作所<6208>、豊和工業<6203>、細谷火工<4274>がいずれもストップ高するなど短期筋の買いが一気に勢いを増している。米国とイランの間で軍事的緊張が高まっていることで、全体相場は地政学リスクが強く意識され主力株中心に売り優勢の展開を強いられているが、一方で防衛関連株に位置づけられる銘柄には、マネーゲーム的な買いを誘導する材料となっている。
■壽屋 <7809> 2,223円 +397 円 (+21.7%) 一時ストップ高 本日終値
壽屋<7809>が3連騰し昨年来高値を更新した。「Yahoo!検索大賞2019」のアニメ部門賞受賞や、昨年末の紅白歌合戦に歌手のLiSAが出演し番組主題歌の「紅蓮華」を歌ったことでアニメ「鬼滅の刃」の人気が再燃しており、同作のフィギュアを展開する同社には、関連銘柄としての人気が継続しているようだ。
■トスネット <4754> 1,743円 +243 円 (+16.2%) 一時ストップ高 本日終値
トスネット<4754>が一時、ストップ高の1900円に買われたほか、アール・エス・シー<4664>が一時143円(19.5%)高の875円に買われるなど、警備会社の一角が急伸している。今年の注目テーマとして「東京五輪」を挙げる見方が多いなか、警備業界には五輪やそれに関連するイベントなどで特需が期待されており、「五輪イヤー」の年明けを迎えたことで改めて物色人気が高まっているようだ。
■フジトミ <8740> 275円 +36 円 (+15.1%) 本日終値
フジトミ<8740>が急伸。3日のNY金先物相場が前日比24.3ドル高の1トロイオンス=1552.4ドルと大幅高したことを受けて、小林洋行<8742>子会社で商品先物取引を手掛ける同社にも思惑的な買いが入ったようだ。
■新報国製鉄 <5542> 1,301円 +115 円 (+9.7%) 本日終値
新報国製鉄<5542>が急騰。全体相場は米国とイランの対立激化に伴う地政学リスクを嫌気して波乱展開を強いられているが、個別の材料株物色人気は旺盛で、ジャスダック市場は東証1部と比べても底堅さを発揮している。そのなか、同社株は低PER・高配当利回りを拠りどころに短期資金が流入、一気に水準を切り上げる展開となっている。特殊鋳鋼品メーカーで低熱膨張合金では抜群の商品シェアを誇る。航空・宇宙関連で需要獲得が進んでおり、防衛関連の穴株としてにわかに脚光を浴びている。シームレスパイプ工具のトップメーカーで、原油市況高も同社株にはプラスの思惑として働いているようだ。
■キャンディル <1446> 909円 +79 円 (+9.5%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
キャンディル<1446>が急反発。同社は昨年12月19日付で東証マザーズから東証1部に市場変更された。東証マザーズから東証1部に市場変更された銘柄は翌月末にTOPIXの算出銘柄に採用されることから、同指数をベンチマークとするファンドから買い需要の発生が見込まれており、需給面で先取る動きがあるようだ。
■イノテック <9880> 1,219円 +93 円 (+8.3%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
イノテック<9880>が波乱相場に逆行し大幅高で4連騰。昨年来高値更新と気を吐いている。世界的に半導体メモリー市況に回復の兆しがみられるなか、半導体関連株への見直しムードが強い。同社は半導体商社で特にNAND型テストシステムに強みを持っており、NAND型フラッシュメモリーの市況改善に伴う設備投資ニーズ回復期待を買う展開となっている。年間配当は前々期、前期と大幅増額して現在の配当利回りは3.4%前後に達しているほか、自社株買いに積極的に取り組んでいることも評価材料。
■テックファム <3625> 1,446円 +102 円 (+7.6%) 本日終値
テックファームホールディングス<3625>が急反発。システム構築を主力とし、特にスマートフォンなどモバイルソリューションに強みを持つ。次世代通信規格5Gに関しても、NTTドコモ<9437>向けの案件獲得が進み業績拡大を後押ししている状況で、新たに5G関連有力株としてマーケットで注目されている。20年6月期業績はトップラインが21%増収と大幅な伸びが見込まれ、営業利益も11%増益と2ケタ伸長が予想されている。
■HPCシステムズ <6597> 2,760円 +185 円 (+7.2%) 本日終値
HPCシステムズ<6597>が4連騰、昨年12月下旬から鮮烈な上昇トレンドを描いている。同社は高性能コンピューターのソリューション提供を主力とする企業で昨年9月にマザーズ市場に上場した。科学技術計算用のスーパーコンピューターを手掛けるが、コストパフォーマンスが高く業績は高成長路線をまい進、19年6月期営業利益は前の期比31%増益を達成、20年6月期も前期比27%増益と3割近い伸びが続く見通しだが、第1四半期に当たる19年7~9月期は絶好調のスタートを切っている。自動運転車の開発が進むなか、MaaS関連の一角として商機が拡大しているほか、人工知能(AI)の普及や今春に予定される次世代通信規格5Gの商用化も同社の成長の伸びしろを大きくしている。
●ストップ高銘柄
日本アビオニクス <6946> 1,498円 +300 円 (+25.0%) ストップ高 本日終値
ソレキア <9867> 16,130円 +3,000 円 (+22.9%) ストップ高 本日終値
ニューテック <6734> 1,640円 +300 円 (+22.4%) ストップ高 本日終値
重松製作所 <7980> 851円 +150 円 (+21.4%) ストップ高 本日終値
豊和工業 <6203> 995円 +150 円 (+17.8%) ストップ高 本日終値
など、9銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース