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【特集】すご腕さんも唸る、IPOから1年限定の決算プレー


IPO投資のツボ-最終回 ~IPO分析のプロ西堀敬さんに聞きました(下)
~株探プレミアム・リポート~

登場する銘柄
HEROZ <4382> 、ラクスル <4384>、ファイバーゲート <9450>、TOKYO BASE <3415>、RIZAPグループ <2928>、日本M&Aセンター <2127>、クスリのアオキホールディングス <3549>、MonotaRO <3064>など

筆者:福島由恵
金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。

西堀敬西堀敬さんのプロフィール:
IPO関連情報サイト「IPOジャパン」編集長。証券会社の国際部と海外現地法人に10年勤務。その後、気象情報会社ウェザーニューズの財務部長等を経て、2011年から日本ビジネスイノベーションの代表取締役を務める。02年から15年まで「東京IPO」編集長、16年からはIPO情報関連サイトの「IPOジャパン」編集長。日本経済新聞、日経CNBC、週刊東洋経済などの各経済媒体にも登場し、かつ、年間数十回を超えるIR説明会、セミナー等も行い、IPO市場の啓蒙・発展に尽力している。著書は『IPO投資の基本と儲け方スバリ!』(すばる舎)など多数。


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 2020年の投資戦略を考える上で、IPO(新規株式公開)銘柄の投資に興味がある人に参考にしてほしいと考え企画した今シリーズもいよいよ最終回だ。
 
 今回も前回に引き続きIPO投資に詳しい専門家の西堀敬さんに、IPO投資が得意なすご腕投資家のJACKさん(ハンドルネーム)が質問して、勝ち技を紹介する。

 前回はIPOのプライマリー投資と、セカンダリー投資で上場当日のデイトレードについて解説してもらった。今回は会社員でも実践しやすい中長期投資での技を紹介しよう。その技とは、ずばり「IPOから1年勝負の決算プレー」だ。

 その内容にベテラン投資家のJACKさんも唸ったほどだ。今回は、そのほか10倍株になりそうなIPO株を探すコツも合わせて紹介していく。では詳しく見ていこう。

好業績決算を材料にした「機関投資家の便乗投資」がお勧め

JACKさん(以下、JACK): 前回は、IPOした当日のデイトレードのやり方について教えていただきました。興味深くうかがいましたが、私を含め多くのサラリーマンは1日相場にべったりはりつくのは難しいのが現状です。今回は、前回おっしゃった中長期の時間軸で行う投資法について教えてください。

西堀敬さん(以下、西堀): 私が「投資妙味あり」と考えているのは、大口の買いを入れる機関投資家の買いに乗る「便乗作戦」です。前回のデイトレは、IPO株の需給に着目してそのモメンタム(趨勢)に乗る方法でした。今回の中長期戦略では、「好業績」を材料にする方法です。

 やり方は非常にシンプルで、上場後に発表される開示情報の内容をチェックし、「四半期決算」の好転、さらに「業績予想の上方修正」「増配」などが公表されたら、その後に買いを入れて行けばいいのです。

JACK: 買いを入れるのは、決算発表や公表があった翌日などでいいのですか?

西堀: それで十分間に合いますよ。例えば、2018年4月に上場したHEROZ<4382>のチャートを見てください。上場翌年19年3月8日に19年4月期第3四半期決算が発表されました。その翌営業日の11日は好決算を好感してか、終値べースで前日の14%以上も株価が上がりました。

 その後も、もみ合う場面もありましたが、上昇トレンド形成し、約1カ月後には、株価は1万3000円、つまり3月8日の発表日の7890円から60%以上にまで上昇したことになります。

■HEROZ<4382>の週足チャート
【タイトル】注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

 週足チャートで見てもこれだけ上昇しているのですから、デイトレで何度も取引しなくても十分利益が取れたわけです。

JACK: HEROZと言えば、プロ棋士の羽生九段を破った人口知能(AI)が搭載された将棋アプリの開発で、一躍投資家の話題をさらった企業ですよね。前評判がハンパなくて、上場日は初値が付かず。結局、公募価格から988%の上昇、つまり約11倍にもなったIPO大化け銘柄でした。

 でも、上場時に派手に株価が膨らんだ反動で、その株価はダダ下がり、1年近く株価は低迷していましたね。上場時に話題になった銘柄ほど、このパターンに陥る傾向は強いように感じます。

材料は決算、IPO後の実質的な初年度が賞味期限

西堀: 今、「ほぼ1年ダダ下がり」とおっしゃいました。実は機関投資家の買いに追随する「便乗作戦」の最大のポイントが、「1年」なのです。この期間に先に申し上げた、「好決算」「上方修正」「増配」などの動きがあった銘柄を狙うのです。

 正確には、1年間というのは「1年間の業績を材料とする」という意味で、そのIPO企業が上場してから初めて発表する通期決算までの業績動向を投資の材料とします。IPO後、すぐに通期決算の発表がある場合は、2年度目を実質的な初年度決算と考えてもいいでしょう。
 
 一般に、機関投資家は東証マザーズなど時価総額が小さく、流動性の低い銘柄は投資対象にしないと言われます。しかし、すべての機関投資家がそうかというと、そんなことはなく、成長株や中小型株主体の投信などはファンダメンタルズの強さが確認できれば、新興市場に上場した銘柄も投資対象に組み入れます。
 
 この組み入れ始める時期に乗るのが、便乗作戦です。1年のメドという期間を設けたのは、機関投資家の買いの影響が如実に出るからです。なにせ、それまではVCなどを除けば、大きな資金を動かす投資家の買いが入っておらず、むしろIPO直後はVCなどの利益確定の売りが出ます。

 需給が緩んだ後に大きな資金の買いが入れば、その分モメンタムが強くなりやすい。またAという機関投資家の買いが入れば、BやCなど別の機関投資家も追随し、モメンタムに拍車がかかる可能性もあります。

JACK: つまり、便乗作戦はモメンタムが増しやすい上場から1年程度を賞味期限とする決算プレーですね。決算プレーはIPO銘柄に限らず、個人投資家の間でもかなり実践している人が多くいます。IPO株は、それ以外の銘柄に比べて何か優位性があるのですか?

JACKJACK:さん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
サラリーマンでありながら、兼業で投資を始めて30年。IPO投資などを中心に株式投資で運用資産を約2億円に拡大させる。2010年の第一生命HDのIPO時には、一気に約1200万円も稼ぎ出すことに成功。かつてはバーテンダーの経験もあり、多彩な経験、多方面の人脈を生かして、株主優待の利回り下支え投資など、様々な投資アイディアを駆使して幅広い投資を行うのが得意。不動産投資、FX(外国為替証拠金)取引なども手掛け、現在は飲食店経営にも出資する。著書は『株カンニング投資術』『月5万円をコツコツ稼ぐらくらく株式投資術』(ダイヤモンド社)、『10万円からはじめる株』(総合科学出版)、『百人百色の投資法』(パンローリング)など15冊以上と多数ある。


※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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