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【市況】日経平均は続伸、想定内のこう着といったところ/ランチタイムコメント

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

 日経平均は続伸。107.19円高の23461.59円(出来高概算5億3000万株)で前場の取引を終えた。先週末の米国株高の流れを受けたシカゴ先物にサヤ寄せする格好から23500円を回復して始まった日経平均だったが、寄り付きの23544.31円を高値に上げ幅を縮めており、前場半ばには23360.01円まで上げ幅を縮める局面もみられた。ただし、マイナスに転じることはなく、前引けにかけては再び強含みとなっている。

 東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは、石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟国を加えた「OPECプラス」の委員会が減産に合意したことを背景に、鉱業、石油石炭が2%を超える上昇。その他、鉄鋼、保険、海運、パルプ紙、繊維がしっかり。半面、精密機器、医薬品、水産農林、不動産が小安い。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>がけん引。一方で、テルモ<4543>、アドバンテスト<6857>、第一三共<4568>が冴えない。

 日経平均は23500円を回復して始まったが、その後は方向感の掴みづらい展開となっている。もっとも、重要イベントを控えているほか、地政学リスクを若干警戒する動きもみられており、想定内のこう着といったところであろう。英国では欧州連合(EU)との関係を決める総選挙が12日に迫っている。予測困難であり、しかも金融投資にとって影響度が大きいだけに、新たなポジションは積み上げづらい。さらに、15日に米国が予定している中国製品への新たな関税の発動の行方を見極めたいところである。そのほか、北朝鮮は「重要な実験に成功した」と伝えられており、若干ながら地政学リスクを警戒する向きもあるだろう。

 そのため、日経平均の足元でのレンジ相場は継続しやすく、リバランスの商いが中心になりそうである。上方修正など個別に材料の出ている銘柄等へは短期筋の値幅取り狙いの資金が向かいやすいだろう。ただし、足元で強い動きをみせていた中小型株については、重要イベントを控えて、いったん利益確定に向かわせる可能性がありそうだ。調整局面においての押し目買い意欲の強さが窺える半面、上値追いには慎重にならざるを得ないところでもある。そのほか、週末にメジャーSQを控えているため、先物市場においてもロール中心の商いとなり、仕掛け的な動きも出難いだろう。
《AK》

 提供:フィスコ

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