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【経済】NYの視点:米11月雇用統計、雇用は10月から伸びの鈍化の可能性も、ネガティブサプライズに注意


米国労働省はワシントンで12月6日に最新11月の雇用統計を発表する。市場エコノミストは平均予想で、失業率が3.6%と依然50年来の低水準付近で推移すると見ている。非農業部門雇用者数は前月比+18.5万人と、10月の+12.8万人から8月来最大の伸びに拡大すると期待されている。

しかし、先行指標の中で、米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が強いとされる民間部門の雇用者数を示す米11月ADP雇用統計は前月比+6.7万人と、10月から拡大予想に反して伸びが鈍化。5月来の低い伸びに落ち込んだ。このため、雇用統計でもネガティブサプライズの可能性が警戒される。

米供給管理協会(ISM)が発表した全米の製造業活動を示すISM製造業景況指数の11月分の雇用は46.6と、10月47.7から低下し、4カ月連増で50割れとなった。米国経済の7割を消費が占めるため特に注目されるISM非製造業景況指数の雇用は55.5と、10月53.7から上昇。7月来の高水準で、6カ月平均54.0も上回ったことは、安心感につながる。

ただ、全般的にひっ迫していた米国の労働市場も鈍化し始めた傾向が見られる。製造業の低迷をよそに、雇用の強さが今までと同様に今後も強い消費をけん引し、米国経済の成長持続を助けていくことが可能かどうかに注目が集まる。雇用の低迷が確認された場合は懸念材料となる。

■11月雇用統計の先行指標

・ISM製造業景況指数:雇用46.6(10月47.7、6カ月平均55.5)

・ISM非製造業景況指数:雇用55.5(10月53.7、6カ月平均54.0)

・ADP雇用統計:前月比+6.7万人
(予想:+13.5万人、10月:+12.1万人←+12.5万人)

・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):10.4(10月7.6、6カ月平均2.2)
週平均就業時間:2.3(10月8.3、6カ月平均2.1)

6か月先
雇用:12.5(10月14.5、6カ月平均15.0)
週平均就業時間:+5.5(10月-0.6、6カ月平均+0.7)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):+21.5(10月+32.9、6カ月平均+19.9)
週平均就業時間:+5.2(10月+10.8、6か月平均+11.0)

6か月先
雇用:24.0(10月22.4、6か月平均25.7)
週平均就業時間:14.8(10月12.5、6か月平均9.9)

・消費者信頼感指数(%)
雇用現況(%)
十分:44.9(10月47.7、前年46.8)
不十分:42.5(10月40.7、40.6)
困難:12.7(10月11.6、12.6)

6カ月後の予想
雇用
増加:15.7(10月16.9、前年22.7)
減少:13.2(10月18、11.2)
不変:71.1(10月65.1、66.1)

所得
増加:21.8(10月21.4、23.2)
減少:6.2(6.9、7.2)
不変:72.0(71.7、69.6)

・失業保険申請件数

件数 前週比 4週平均 継続受給者数
11/23/19| 213,000| -15,000| 219,750 | n/a |n/a
11/16/19| 228,000| 1,000| 221,250 | 1,640,000 | 1.1%
11/09/19| 227,000| 16,000| 217,500 | 1,697,000 | 1.2%
11/02/19| 211,000| -8,000| 215,250 | 1,692,000 | 1.2%
10/26/19| 219,000| 6,000| 215,000 | 1,693,000 | 1.2%

■市場予想
失業率:3.6%(10月3.6%)
非農業部門雇用者数:前月比+18.5万人(10月+12.8万人)
民間部門雇用者数:前月比+17.9万人(9月+13.1万人)
平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.0%(9月+0.2%、+3.0%)

《CS》

 提供:フィスコ

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