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【市況】【村瀬智一が斬る!深層マーケット】 ─巻き戻し継続、市場の関心は米年末商戦の出足に

RAKAN RICERACA 代表取締役 会長 村瀬智一

「巻き戻し継続、市場の関心は米年末商戦の出足に」

●27日ぶりの日銀ETF購入で警戒感和らぐ

 今週の日経平均株価は「ニュースヘッドライン」に大きく振らされる相場展開だった。高値圏での膠着が続く中、21日の株式相場は「米中通商協議が年内に第一段階の合意もできない可能性」「トランプ大統領は香港人権法案に署名する見通し」「中国の劉鶴副首相は第1段階の合意に慎重ながらも楽観的」といったヘッドラインに先物市場が大きく反応した。これにより日経平均は節目の2万3000円、支持線として意識されていた25日移動平均線を割り込むと、一時2万2726円まで下落幅を拡大させる局面もみられた。しかし、その後は急速に切り返す格好から大引けでは2万3000円を回復している。また、20日には10月9日以来となる日銀のETF買い入れがあったことで、警戒されていた緩和縮小の動きに対する市場の不安感も和らいだ。

 来週も引き続き米中通商協議を巡るヘッドラインに振らされやすい状況は続きそうである。しかし、21日の日経平均の一時400円を超える下落からの急速な戻りをみると、需給面での強さが窺える。確かに、先物市場ではメリルリンチやクレディスイスの商いが売り買いとも膨らんでおり、売り仕掛けからのショートカバーといった面はある。しかし、この下落幅をここまで戻す流れからは、これまでの弱気センチメントに傾いていた需給の巻き戻しの流れは継続。買いたい向きが依然多いことが窺え、大きく調整した局面においては、冷静に下値を拾うスタンスとなる。さらに、27日ぶりに日銀のETF買い入れがみられたことによって、一段と下へは売り込みづらくなったであろう。

 季節要因的なものでは、9月の配当支払いに伴う再投資の流れが12月前半辺りまで続くため、需給面での下支えとして意識されやすい。そのほか、日経平均が調整を見せる中で、これまで弱い動きが続いていたマザーズ指数が復調傾向にある。出遅れていた中小型株を見直す流れが強まってくる中、個人投資家のセンチメントも改善傾向にある。

 そして、来週の28日は米国市場が感謝祭の祝日で休場となる。この感謝祭から米国ではクリスマス商戦入りとなり、翌日のブラックフライデー、週明けのサイバーマンデーなどの出足状況に関心が集まりやすい。米国の個人消費の強さが見られるようだと、日本においても年末高を意識したワクワク感が広がることが期待される。

●今週の活躍期待「注目5銘柄」

◆デジタルハーツホールディングス <3676>
自社株買いの発表などが支援材料となり、短期的な過熱感は意識されやすいところではある。しかし、週足ベースでは下降する13週線、26週線をようやくクリアしたところであり、今後は52週線突破を試す展開に期待したい。同社は現在、「第二創業期」として、第二の収益の柱を育てるべくエンタープライズ事業の拡大に注力している。20年3月期第2四半期(7-9月)において、エンタープライズ事業が営業黒字に転換。下期からは収益回収フェーズに入り利益成長が加速する可能性がある。

◆MCJ <6670> [東証2]
株価は650-850円辺りでのレンジ相場が続いているが、足元ではボトム圏からリバウンドをみせ、13週線、26週線をクリア、52週線を捉えてきている。昨年9月高値の1047円をピークとした下降トレンドラインの上限に到達してきており、レンジ突破を試す展開が期待される。業績面では、マーケットニーズに合致した高付加価値・特化型のハイスペックパソコンが好調であり、20年3月期第2四半期累計(4-9月)の営業利益は前年同期比46.6%増の66.5億円となり、通期計画に対する進捗率は65.7%と順調。

◆レーザーテック <6920>
株価は足元でやや利益確定の動きがみられるが、上昇する25日線を支持線とした強いトレンドは継続。半導体関連は先行して上昇していた分、利益確定の売りが出やすいところではあろうが、 5Gの普及に向けた政策の後押し等も加速する中、調整局面においては押し目を拾うスタンスとなろう。来年にはアップルの5Gスマホの発売を控えていることもあり、業績上振れ期待も根強い。

◆ALBERT <3906> [東証M]
4月の戻り高値1万5700円をピークに調整が継続しているが、11月14日安値7610円をボトムにリバウンドをみせてきている。11月に入っての下げ加速は19年12月期第3四半期累計(1-9月)の営業利益が前年同期比48%減だったことが嫌気された面もあるだろうが、足元のリバウンドで上値抵抗の25日線を捉えてきており、クリアとなれば景色が変わりそうである。通期計画は変更なしであり、第4四半期で案件が動き出し利益水準が大幅に改善する見通し。ビッグデータ分析、アルゴリズム開発、AIのシステム実装等による成長期待は根強く、押し目狙いの好機と判断。

◆GMOインターネット <9449>
11月以降、強いリバウンド基調を続けている。短期的には過熱感が警戒されやすいだろうが、週足では52週線を支持線に保ち合いレンジを突破した段階。業績面では19年12月期第3四半期累計(1-9月)において営業増益(上期=1-6月は7%減益)に転じており、通期計画は未公表であるがコンセンサス範囲内での着地が見込まれる。また、TOBで親子上場を解消する動きが大手企業などに多く見られてきており、グループ会社が多く上場している同社に対してもグループ再編期待が高まりやすい。

2019年11月22日 記

株探ニュース

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