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【特集】藤代宏一氏【踏み上げ相場突入か、新高値目前の日経平均】(1) <相場観特集>

藤代宏一氏(第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト)

―米中摩擦の後退と政策期待で変わる東京市場の秋景色―

 3連休明け15日の東京株式市場は日経平均株価が大幅高で3日続伸、400円を超える上昇となり2万2000円大台を回復した。気が付けば今年4月25日の2万2307円(終値)の年初来高値更新が目前に迫ってきた。米中協議の進展を好感する形で一気にリスクオンの色を強めたが、ここから更に強気相場が繰り広げられるのかどうか、第一線で活躍するマーケット関係者2人に意見を聞いた。

●「年末に向け上昇基調続く」、「世界的に製造業に底打ち感が台頭」

藤代宏一氏(第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト)

 きょうの日経平均の急上昇は、実体経済の悪化がすでに最悪期を過ぎ、最も悲観論が後退しやすいところにタイミングよく、米中協議の部分合意が発表されたことによる面が大きいとみている。

 米9月ISM製造業景況感指数は47.8と弱い内容だった。ただし、Markit社が発表している米グローバル製造業PMIは底打ち傾向にあるほか、米9月製造業PMIも改善している。米国の各連銀が発表する景気指数を合成した数字も上向き傾向にある。これはISM製造業指数のサンプル数が少ないことなどが一因ともみられるが、製造業の景況感の弱さは誇張されてマーケットに伝わった可能性がある。

 また、半導体の売上高も下落率はマイルドとなりつつあり、国内電子部品の在庫調整も最終段階を迎えている。意外にもみえるが、世界的に製造業の景況感は底を打ち始めていると思う。足もとの株価上昇はこのことを表しているとみている。

 今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げがある可能性は5分5分だろう。ただ、利下げがなくてもマーケットから失望売りが出ることはあまりないと思う。日銀の金融政策決定会合は現状維持を予想する。この先、財政出動の話が出てくれば相場にはプラスに働くだろう。

 今後、1ヵ月程度の日経平均の予想レンジは2万1000~2万3000円前後。いったん上昇ペースは弱まるかもしれないが、当面、堅調な相場は続くとみており年末にかけ上値を試す展開が見込めるだろう。製造業の回復で半導体を含む電子部品製造装置など、それに内需系セクターなどにも再評価余地があるとみている。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ふじしろ・こういち)
第一生命経済研究所経済調査部・主任エコノミスト。担当は金融市場全般。2005年4月、第一生命保険入社。08年、みずほ証券出向。10年4月第一生命経済研究所出向、同年7月内閣府経済財政分析担当へ2年間出向。12年7月副主任エコノミストを経て、15年4月より現職。

株探ニュース

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