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【特集】空の産業革命、注目度高まる「ドローン関連株」に飛翔の季節到来 <株探トップ特集>

物流やインフラ点検、災害対応など幅広い分野で活躍が期待されているドローン。株式市場でも改めて投資テーマとして輝きを放ち始めた。政府目標の「レベル4」に向けマーケットの注目度も日増しに高まりそうだ。

―“目視外”で新たな市場創出へ、地方自治体の動き活発化で普及シナリオ進む―

 ドローン(小型無人機)は、物流やインフラ点検、災害対応など幅広い分野での活躍が期待されている。これまでの業務利用は報道目的や観光などPR目的の空撮動画の撮影が主な用途だったが、農業や建設・土木の測量などで実用が始まっている。物流や災害対策などでも実用化に向けた実証実験が各地で進む。今秋の東京モーターショー2019において、「ドローンレース」が開催される予定である。モビリティ業界の著名なイベントとコラボレーションすることで、ドローン業界への注目度が一層高まる可能性がありそうだ。

●政府目標の2022年度「レベル4」に邁進

 経済産業省から発表された「空の産業革命に向けたロードマップ2019~小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備~」(2019年6月21日小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会決定) によると、「物流」「災害対応」「農林水産業」「インフラ維持管理」「測量」に加えて、19年度版には「警備」が新たに追加されている。

 そのための利活用として、レベル3(無人地帯での目視外飛行)からレベル4(有人地帯での目視外飛行→より高いレベルへ)と進められていく計画である。22年度以降とされるレベル4のより高いレベルでは、「より人口密度の高い地域」「より重量のある機体」「多くの機体の同時飛行」「航空機、空飛ぶクルマと小型無人機の共存」が掲げられている。また、そのための環境整備や技術開発が進行している。

●ドローン利活用に注目、市場は“目視外”に注目

 なお、ドローンに関する国内の市場規模として、大半は機体そのものではなく、ドローンを活用したサービスによるものが占めているともいわれている。このサービス市場の拡大には、従来の目視内で操縦する飛行ではなく、ドローンの目視外飛行による新たなサービスの開拓が不可欠となる。ドローン機体のほか、利活用に伴うサービスに関連する企業へのメリットが大きく、関連銘柄も広範囲にわたることになる。

 国内ではドローンの利用は地方が舞台となるケースが多い。航空法は人口集中地区でのドローン飛行を規制しており、ドローンと「地方」は親和性が高いとされる。これがドローンを活用する地方自治体が増えている背景ともなっている。

 楽天 <4755> は米ウォルマート傘下の西友と組み、ドローンで離島への配送サービスの実証実験を行っている。日本郵政 <6178> は、福島県南相馬市の小高郵便局と、同県浪江町の浪江郵便局の間の約9キロメートルを飛行する郵便局間の荷物輸送を始めている。KDDI <9433> は、20年3月から愛知、三重、静岡の3県の沿岸部にある自治体と連携し、長距離物流の実証実験を始める。トラックなどによる中長距離の物流をドローンで代替できれば、物流コストは大きく下がるとみられている。

 また、ANAホールディングス <9202> は、ソニー <6758> とZMPが設立したベンチャー企業エアロセンス、福岡市などと離島まで物品を運ぶ実証実験を行ったほか、LINE <3938> 、NTTドコモ <9437> 、自律制御システム研究所 <6232> [東証M]、ウェザーニューズ <4825> は離島からアワビを空輸するドローン宅配サービスの実現に向けた検証を行っている。補助者がいない「目視外飛行」で複数機を管理する飛行実験など、各地で進められている。自律制御システム研究所は、機体に搭載するカメラの画像を基に、GPSなしでもドローンが周囲との位置関係を捉える技術を持つ。その他、ドコモは日揮 <1963> と共同で、石油精製や化学プラント向けに、ドローンを活用した設備点検サービスを共同開発する計画。ドローンでプラントの設備を撮影し、クラウド上で点検情報を管理する。

●チェンジ、Kudan、ブイキューブなどをマーク

 ドローン開発のスタートアップ企業である、エアロネクスト(東京都渋谷区)は、プロペラやモーターといった飛行に関わる「手足」と、カメラなどを搭載する「胴体」を分離する独特の重心制御技術で特許を持つ。IoTビッグデータ AIなどで現場の生産性向上をサポートするチェンジ <3962> は、エアロネクストとドローンサービスプラットフォームDaaS(Drone as a Service)の開発とドローン・エコシステムの構築に向け業務提携。

 空間認識の技術を開発するKudan <4425> [東証M]は、ドローンの基盤となる人工知覚技術を持つ。カメラ画像からデバイスの位置を認識し、デジタルデータで周囲の地図をつくることができる。日本ユニシス <8056> はKudanと組み、ドローンで工場などの設備を点検するサービスの開発を視野に入れる。そのほか、設備点検、災害対策、警備・監視など、産業用ドローンの活用で企業や自治体を支援するセンシンロボティクスはブイキューブ <3681> のグループ会社で、ドローンを使った点検や測量の業務を効率化できる企業向けのソフトを開発している。

●王道銘柄はドーン、イメージワン、レスターなど

 これ以外に、関連銘柄の王道として動意づきやすいところでは、位置情報サービスを始めとする空間情報事業を展開するドーン <2303> [JQ]や、イメージ ワン <2667> [JQ]は医療分野のほか、地球環境分野で最適な画像処理技術とソリューションを提供しており、空中写真測量分野で必要な機能に特化した産業用ドローンを展開。レスターホールディングス <3156> は、ドローンのシステム開発を手がけるブルーイノベーション(東京都文京区)と資本提携しており、物流でのドローン活用を視野に離着陸を誘導する「ドローンポート」の普及で連携している。また、システムインテグレーター大手のTIS <3626> も、ブルーイノベーションの株主である。

 菊池製作所 <3444> [JQ]は、産業用ドローンなどの開発に注力。ディジタルメディアプロフェッショナル <3652> [東証M]は、AIプロセッサーIPなどを手掛けており、各種センサーから入力される情報を元に、低消費電力、ローコストで、かつ高いAI推論処理性能が求められる ロボット、ドローン、VR/ARに使われる。更にモルフォ <3653> [東証M]は、車載や監視カメラなどへの組み込み製品や、画像認識技術を用いたシステムを手掛けているが、ステレオカメラで自己位置推定と環境地図の生成を実現する「Visual SLAM」技術は、GPS信号の届かない状況でのロボットの自律走行などが実現可能だ。

 データセクション <3905> [東証M]は、ドローンとAIによる交通量調査サービス「ドローントラフィックモニター」を提供しているほか、ドローンによる建物や公共インフラの従来型の点検・調査サービスを提供。FIG <4392> は、ドローンを利用した医療過疎地域における緊急血液検体搬送の研究開発に係る実証実験を実施。フォーカスシステムズ <4662> は、ドローン操縦士協会および茨城県笠間市と、ドローン活用等による連携協力協定を締結している。アイサンテクノロジー <4667> [JQ]は、ドローンを活用した測量によるデータ収集と大規模3次元点群データ処理・解析を連携させる「測量解析」を提供。ヤマハ発動機 <7272> は、農業用ドローンの本格展開のほか、ドローンスクールを全国25ヵ所で展開している。日本アジアグループ <3751> 傘下の国際航業、トプコン <7732> は、ヤマハ発のソフトウェアサービス「YSAP」の提供に向けて協業を開始している。

●センサーで村田製作所、日本セラミック、北陸電工

 ドローンの部品としては、移動方向、向き、回転を検出することができ、更に移動距離や移動速度などを算出できる3軸・6軸センサーやカメラが注目される。北陸電気工業 <6989> は、 電子回路モジュールや各種センサーを手掛ける電子部品メーカー。日本セラミック <6929> は、障害物の存在判別や距離測定を行う超音波センサーを手掛ける。村田製作所 <6981> は超音波センサーの大手であり、気圧センサーで高さを検知、SMDタイプの超音波センサーで障害物を検知する。画像では、リコー <7752> の360度カメラが注目だ。

 「空の産業革命に向けたロードマップ2019~小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備~」には「警備」が新たに追加されて進められていることから、警備会社も注目されることになる。ALSOK <2331> は、警備・災害監視用ドローンに有線で電源供給と映像伝送を行うことで、長時間・高画質な上空からの監視を実現した「有線ドローンによる広域監視サービス」を展開。セコム <9735> は、民間防犯用として世界初の自律飛行型ロボット「セコムドローン」を開発している。

●FAI公認の「ドローンレース」が起爆剤にも

 なお、「第46回東京モーターショー2019」が10月24日から11月4日までの12日間、東京ビッグサイトにて開催される。この東京モーターショー2019において、「ドローンレース」が開催される予定であることは冒頭に述べたが、今回のドローンレースは、世界的な飛行機レース「レッドブル・エアレース」などの航空スポーツを統括する国際団体「国際航空連盟」(FAI)が公認する。モビリティ業界の著名なイベントとコラボレーションすることで、ドローン業界の注目度が一層高まる可能性がある。

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