【市況】17日の米国市場ダイジェスト:NYダウ33ドル高、FOMC控え様子見ムード

■NY株式:NYダウ33ドル高、FOMC控え様子見ムード
米国株式相場は上昇。ダウ平均は33.98ドル高の27110.80、ナスダックは32.47ポイント高の8186.02で取引を終了した。サウジアラビアが石油施設への攻撃で失われた石油生産量の7割を回復したと報じられ、原油相場が下落し、朝方からもみ合いとなった。イラン最高指導者のハメネイ師がトランプ大統領との首脳会談に否定的な見方を示すなど中東情勢を巡る地政学リスクへの警戒感は根強い。明日のFOMC発表を見極めたいとの思惑から引けにかけて下げ幅を縮小し、小動きとなった。セクター別では、不動産や消費者サービスが上昇する一方でエネルギーや銀行が下落した。
原油相場の下落で、昨日下落した航空大手のアメリカン航空(AAL)やユナイテッド・コンチネンタル(UAL)など航空関連銘柄が買い戻された。ファストフードのチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)は、肉メニューのカルネアサダ(メキシコ風の薄切りステーキ)の提供を開始し堅調推移。一方で、一部調査会社が7-9月期の業績不振を警告し、ノードストローム(JWN)やコールズ(KSS)、メーシーズ(M)など百貨店銘柄が軒並み下落。米長期金利の低下で、ウェルズ・ファーゴ(WFC)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が売られた。
明日のFOMCでは利下げが確実視されているものの、米中貿易交渉を巡る不確実性がやや後退したほか、連銀高官の多くは景気減速の兆しが見えない限り、金融政策は現状維持が望ましいとの見解を示しており、パウエルFRB議長が今後の金利見通しについてどのような説明を行うかが焦点となるだろう。
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■NY為替:ドル反落、米FOMCでの追加利下げ織り込む
17日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円35銭まで上昇後、108円06銭まで反落して108円12銭で引けた。
米国の8月鉱工業生産・8月設備稼働率や9月NAHB住宅市場指数が予想を上回ったため一時ドル買いが強まった。その後、NY連銀がリバースレポを実施し資金を短期金融市場に供給しテクニカルに急伸していた短期金利を抑制したことや連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げを織り込むドル売りが再燃。
ユーロ・ドルは、1.1021ドルから1.1075ドルまで上昇して1.1072ドルで引けた。ユーロ・円は、119円16銭から119円78銭まで上昇。サウジアラビアの石油産出復旧が従来予想されていたよりも早まる見込みであることが明らかになると、原油価格が反落したため、経済への懸念が後退。リスク選好の円売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2411ドルから1.2527ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9969フランへ上昇後、0.9921フランまで下落した。
■NY原油:大幅反落で59.34ドル、サウジアラビアの石油生産量は数週間で回復との観測
NY原油先物10月限は大幅反落(NYMEX原油10月限終値:59.34 ↓3.56)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比-3.56ドルの59.34ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは58.46ドル-62.59ドル。サウジアラビアの石油施設への攻撃によって同国の石油生産量は大幅に減少すると懸念されていたが、今後数週間で生産量は施設攻撃前の水準を回復するとの一部報道を受けて短期筋などの売りが広がった。NY原油先物は通常取引終了後の時間外取引で58.46ドルまで下落している。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.94ドル -0.19ドル(-0.63%)
モルガン・スタンレー(MS) 44.21ドル -0.54ドル(-1.21%)
ゴールドマン・サックス(GS)215.91ドル -1.31ドル(-0.60%)
インテル(INTC) 51.95ドル -0.25ドル(-0.48%)
アップル(AAPL) 220.70ドル +0.80ドル(+0.36%)
アルファベット(GOOG) 1229.15ドル -2.15ドル(-0.17%)
フェイスブック(FB) 188.08ドル +1.86ドル(+1.00%)
キャタピラー(CAT) 132.17ドル -0.98ドル(-0.74%)
アルコア(AA) 22.03ドル -0.53ドル(-2.35%)
ウォルマート(WMT) 116.51ドル +0.94ドル(+0.81%)
スプリント(S) 6.78ドル -0.06ドル(-0.88%)
《ST》
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