【市況】来週の株式相場戦略=トレンド転換鮮明、年初来高値が視野
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
日経平均株価は13日まで9連騰で一時約4カ月ぶりとなる2万2000円台を回復した。足もとの株価上昇の背景には、世界的な金利の反転上昇がある。年初からの金利低下の過程で海外ファンドなどからの「債券買い・株式売り」のポジションが膨れ上がっていたが、今月上旬に金利が反転するとともに株式市場にはショートカバー(買い戻し)が殺到し、全体相場は一気に上昇している。
この金利反転の要因には、米中貿易協議への進展期待や米国経済の底堅さがある。特に、米景気は依然として底堅くNYダウは7月につけた最高値(2万7398ドル)に迫っている。来週は市場の関心を集める米連邦公開市場委員会(FOMC)が17~18日、日銀金融政策決定会合が18~19日に開催される。FOMCでは0.25%の利下げ、日銀は実質的な金融政策の据え置きが予想されている。特に、FOMC後の市場の反応が注目されているが、堅調な市場環境が続けば、NYダウは最高値更新が見込める。
日経平均株価も「抵抗線となっていた2万1800円近辺を更新しトレンド転換は鮮明となった」(アナリスト)との見方は少なくなく、一服を入れながらも年初来高値を更新する展開が期待できる。個別では、銀行や不動産、機械など売り込まれた銘柄を循環物色する展開が予想される。
来週は海外では16日に中国8月小売売上高など、17日に米8月鉱工業生産、18日に米8月住宅着工件数、19日に米8月景気先行総合指数が発表される。国内では、16日は敬老の日の祝日で休場だが、18日に8月訪日外客数、20日に8月消費者物価が公表される。20日には「ラグビーワールドカップ 2019日本大会(~11月2日)」が開催されるほか、同日に任天堂<7974>は新型ゲーム機「Nintendo Switch Lite」を発売する。(岡里英幸)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)