【市況】前場に注目すべき3つのポイント~まずはFRB議長講演による米国市場の反応を見極め
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
23日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:まずはFRB議長講演による米国市場の反応を見極め
■前場の注目材料:菱洋エレク、2Q上方修正 営業利益10.6億円→8.5億円
■日立、印でロボットSI参入、車生産向けに来年めど
■まずはFRB議長講演による米国市場の反応を見極め
23日の日本株市場は、重要イベントを控えて、こう着感の強い相場展開になりそうだ。22日の米国市場では、NYダウが49ドル高となった。堅調なドイツ・フランスの製造業PMIや米小売決算が好感され買いが先行したものの、8月マークイット製造業PMIが節目となる50を下回ったことが重石となった。また、23日のパウエルFRB議長の講演を見極めたいとの思惑から、模様眺めムードも強かった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円安の20600円。円相場は1ドル106円40銭台で推移している。
米国の8月のマークイット製造業PMI速報値は49.9と、10年ぶりに50を割り込んだ。景気後退懸念が強まる可能性があるなか、よりジャクソンホール会議に市場の関心が集まるなかで、パウエルFRB議長講演が注目されてくる。製造業PMIの50割れを受けて、9月のFOMCでの追加利下げが確実視されている状況でもあるだろう。パウエルFRB議長講演でトランプ大統領の圧力に屈しないような態度を示せば、再びリスクオフ相場が意識されてくる。
そのため、まずは米国市場の反応を見極めたいところであり、積極的なポジションは取りづらく、リバランス中心の売買になりそうである。また、米企業の自社株買いが1年半ぶりの低水準に減速していると伝えられている。ダウジョーンズの推計によるとS&P500種構成企業が2019年4-6月期に実施した自社株買いは総額約1660億ドル(約18兆円)と、2017年10-12月期以来の低水準になるようである。米中貿易摩擦の激化で相場のボラティリティーが高まるなかで、自社株買いによる需給の下支えが緩むとなると、先行きに対する不安感が強まりやすいだろう。
昨日の日経平均は陰線形成とはなったが、5日線レベルでの底堅さが意識されていた。円相場はやや円高に振れて推移しているが、106円台での推移であり、足元ではこう着感が強まっている。パウエルFRB議長講演の反応を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすいが、下へのバイアスは強まりづらいと考えられ、需給妙味の大きい銘柄や材料のある銘柄等での短期的な値幅取りに向かわせよう。
■菱洋エレク、2Q上方修正 営業利益10.6億円→8.5億円
菱洋エレク<8068>は第2四半期業績予想の修正を発表。売上高は485億円から前年同期比20%増の542億円、営業利益は8.50億円から同34%増の10.6億円にぞれぞれ上方修正した。パソコン向けソフトの更新需要を取り込んだほか、テレビ向けの半導体の取り扱いも好調に推移。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(20628.01、+9.44)
・NYダウは上昇(26252.24、+49.51)
・1ドル106円40-50銭
・株安局面での自社株買い
・米追加利下げ期待
・欧州中央銀行(ECB)が追加緩和検討
・日銀のETF購入
・日立<6501>印でロボットSI参入、車生産向けに来年めど
・ホンダ<7267>国内4輪車販売店を刷新、内装明るく、映像で訴求
・クボタ<6326>汚水ポンプをAIで監視、保全支援システム、100自治体採用狙う
・コネクシオ<9422>ARで設備点検効率化、タブレット活用
・富士フイルム<4901>4KレンズにAF機能、来春発売
・エアウォーター<4088>8Kビデオ顕微鏡システム、微細な外科手術可能
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:30 7月全国消費者物価指数(生鮮品除く)(前年比予想:+0.6%、6月:+0.6%)
<海外>
・07:45 NZ・4-6月期小売売上高(前期比予想:+0.3%、1-3月期:+0.7%)
《SF》
提供:フィスコ