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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「NY市場に調整信号が灯る」

株式評論家 富田隆弥

◆米国株の調整を予兆する指標に「ヒンデンブルク・オーメン」というものがあり、この信号が7月23日に点灯して一部の投資家の間で話題になっていた。個人投資家の方から質問を頂戴したので簡単に触れておくと、「ヒンデンブルク・オーメン」は1937年に事故を起こしたドイツの飛行船の名に由来する。マーケットではこのシグナルが点灯すると1ヵ月以内に急落する可能性があると言われている。

◆どのような指数かというと、新高値・新安値の銘柄数が全体の2.2%以上になり、新高値銘柄数が新安値銘柄数の2倍を超えず、短期的な騰勢を表すマクラレン・オシレーターという指標がマイナスになるなど、条件は4つほどある。下落を予見するものなので上昇基調の時に点灯する。ちなみに今年は5月から6月にかけて下落する過程で「5月10日」に出ていた。また、昨年は9回点灯している。ネットで検索すればすぐに出てくるので、詳細はそちらで調べていただきたい。

◆私個人としては、RCI(順位相関指数)やRSI(相対力指数)と同様にこれもテクニカル指標の一つと受け止めている。つまり、「そろそろ注意」という信号であって、抵抗線などトレンドと組み合わせてみておくと役立つと見ている。

◆さて、注目された7月31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では大方の予想通り0.25%の利下げが決定された。2万7200ドル近辺にあったNYダウ平均は、パウエルFRB議長が会見で「利下げ局面の開始ではない」と語ると利下げ期待が後退、478ドル安の2万6719ドルまで急落した(31日終値2万6864ドル)。NYダウの日足は25日移動平均線(2万7025ドル)を割り込み「陰転」を示唆し、ヒンデンブルク・オーメンの点灯が脳裏をよぎった。

◆翌8月1日のNYダウは早々に300ドルほど急回復、25日移動平均線を奪回し、カネ余りの強い需給相場が続いているかに思えたが、午後になりマイナス圏に沈んできた(1日ザラバ段階)。米中通商交渉が思うように進展せず、中東などで地政学リスクも孕んでいる。米国株は過去最高値圏にあり、FOMCを終え、8月のバカンスシーズンを迎えて利益確定の売りが出やすいところ。NYダウの週足RCIは高値信号を灯しており、今回の急落が調整の入り口になる可能性を否定することはできない。

◆1日の日経平均株価は、朝方の223円安から19円高の2万1540円と大きく切り返して終えた。だが、週足チャートは2万1000円台でもみ合い、節である52週移動平均線(2万1660円)や一目遅行線の「雲」(2万1260~2万1698円)をまだ抜いていない。そして、TOPIX(1日終値の1567ポイント)も7月5日高値の1593ポイントや200日移動平均線1592ポイントのまだ下にあり、日足は好転していない。1日に109円30銭近辺まで円安に振れたドル円だが、日足は75日移動平均線(109円20銭近辺)に差し掛かり、この日の米国時間に107円台後半と再び円高方向に振れてきた。

◆甲子園とお盆の8月、やはり様子見は必要と考える。

(8月1日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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