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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~米中貿易摩擦再燃への懸念が再燃

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

2日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:米中貿易摩擦再燃への懸念が再燃
■前場の注目材料:KDDI、1Q営業利益11.4%減、コンセンサスを下回る
■日本製鉄、八幡製鉄所に460億円投資、EV向け電磁鋼板の性能向上


■米中貿易摩擦再燃への懸念が再燃

2日の日本株市場は、やや波乱含みの相場展開になりそうだ。1日の米国市場ではNYダウが280ドル安と大幅に続落となった。前日のFOMCでのパウエルFRB議長の発言を受けた売りが一服するも、トランプ米大統領が9月1日から3000億ドル分の中国製品に10%の追加関税を課す考えを明らかにしたことで、米中貿易摩擦再燃への懸念が再燃した。この流れからシカゴ日経225先物清算値は大阪比465円安の21035円と急落。円相場は1ドル107円20銭台と大きく円高に振れて推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップダウンからのスタートとなり、日経平均は支持線として意識されていた25日線レベルを明確に下放れる格好となろう。薄商いの需給状況の中でもあり、より先物主導のインデックス売買によるインパクトが膨らむだろう。これにより7月18日の大幅下落の価格水準が意識されてくることになり、まずはダブルボトム形成をみせられるかを見極めたいところであろう。前回は一目均衡表の雲下限レベルからのリバウンドとなったが、現在の雲下限は21050円近辺に位置しているため、見極め処である。

決算ラッシュの中であり、ポジションが大きく傾いている状況ではないため、市場は冷静であろうが、決算を手掛かりとした物色に対しても、慎重姿勢になりそうである。また、ギャップダウンからのスタートにより、VIX先物に対するショートポジションの積み上がりに伴う需給波乱も警戒されやすくなり、短期筋の売り仕掛け的な売買も出やすくなりそうだ。

また、米雇用統計などの経済指標の発表も控えており、週末の米国市場がさらに弱含みとなるようだと、より様子見姿勢につながりやすい。主力処の決算は一巡したが、来週も1500社程度の決算が控えていることもあり、手掛けづらい相場環境が続こう。


■KDDI、1Q営業利益11.4%減、コンセンサスを下回る

KDDI<9433>は第1四半期決算を発表。営業利益は前年同期比11.4%減の2558億円だった。端末販売コストの増加が176億円の営業減益要因となった。特に「ガラケー」と呼ばれる従来型携帯電話からスマホへの移行を促すための販促活動を強化し、端末の値引きコストなどが膨らんだ。コンセンサス(2600億円程度)を若干下回っているが、金融・決済やコンテンツ配信など非通信事業は好調であり、中立となろう。


■前場の注目材料
・日経平均は上昇(21540.99、+19.46)
・米長期金利は低下
・株安局面での自社株買い
・米追加利下げ期待
・欧州中央銀行(ECB)が追加緩和検討
・日銀のETF購入


・ANA<9202>5社共同で実証実験、複数のドローンで海産物運ぶ
・日本電産<6594>広州汽車と合弁、EV向けモーター生産
・7&iHD<3382>セブンペイ、来月末廃止
・日本製鉄<5401>八幡製鉄所に460億円投資、EV向け電磁鋼板の性能向上
・伊藤忠<8001>陸上養殖サーモンを国内販売
・三菱ケミHD<4188>炭素繊維再利用の新設備、年産3000トン


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 日銀金融政策決定会合議事要旨(6月19-20日分)
・08:50 7月マネタリーベース(6月:前年比+4.0%)

<海外>
・10:30 豪・6月小売売上高(前月比予想:+0.3%、5月:+0.1%)
・10:30 豪・4-6月期生産者物価指数(1-3月期:前年比+1.9%)

《SF》

 提供:フィスコ

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