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【市況】明日の株式相場戦略=半導体関連に物色の矛先、潮流は発生するか

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 東京株式市場は日経平均が200円あまり上昇したものの、連日の売買代金1兆6000億円台と相変わらずの超閑散で、模様眺めムードはいかんともし難い。しかし、それでも波紋に変化はみられる。きょう(23日)は半導体関連株に資金が集まった。

 これは前日の米国株市場でゴールドマン・サックスが半導体メモリー市況の回復シナリオに言及、従来想定よりも在庫調整が前倒しで進むとの見解をベースに半導体製造装置世界トップメーカーのアプライドマテリアルズや半導体大手マイクロンテクノロジーの投資判断を「バイ」に引き上げた。これを素直に好感する形でアプライドは6%超の上昇をみせており、この連想から東京市場でも東京エレクトロン<8035>が500円を超える上昇で3日続伸と気を吐いたほか、ディスコ<6146>やアドバンテスト<6857>など他の半導体製造装置株にも物色の矛先が向かった。ウエハー搬送装置を手掛けるローツェ<6323>に至っては東証1部の値上がり率トップに買われた。

 更にトランプ米大統領が中国通信機器最大手のファーウェイへの販売許可に同意したとウォール・ストリート・ジャーナル電子版が伝えたことで、スマートフォン向けにセラミックコンデンサーなどを供給する電子部品株を含め、半導体関連への買い人気を増幅させた。

 こうなると、腕に覚えのある個人投資家も黙ってはいない。半導体関連で短期資金の琴線に触れた小型株が相次いだ。そうしたなか、外枠から一気に鬼脚をみせ追い込んできたのが栄電子<7567>。この株が静寂を破り急動意すると、かなりの確率で値幅制限いっぱいまで買われるケースが多い。半導体製造装置関連株に見直し機運が台頭したことで、製造装置向けを中心としたスイッチング電源やコネクターを手掛ける電子部品商社である同銘柄にも恩恵が及ぶという思惑だ。ウエハー平面研削盤などで高い商品競争力を有する和井田製作所<6158>などもにわかに動意づき25日移動平均線との下方カイ離を解消、ゴールドマンの投資判断引き上げ効果に東京市場の小型株も共鳴した格好だ。

 問題はこの流れに持続性があるかどうかだ。水面(みなも)を揺らす波ではなく潮流が発生しているのか否かが重要なわけだが、現時点では何とも言えない。市場では「メモリー価格の上昇は日本の韓国への半導体材料の輸出規制の影響が大きく、今のメモリーの需給バランスを正しく反映したものとはいえない。きょうは台湾の株式市場がほとんど上がっていない状況を鑑みても、楽観はできない」(国内証券アナリスト)という声が聞かれた。

 ただ、株価水準に照らし合わせて明らかに出遅れ感が強い銘柄が多いのも事実。四半期決算発表前で蛮勇は避けたいところだが、指標株である東エレクの株価動向を横にらみに半導体関連セクターの中小型株に目を配っておく場面だ。

 半導体関連以外では、あまりマーケットの視線が向いていないが海運株が強い。きょうは東証1部33業種中で「海運」は値上がり率で断トツだった。ばら積み船の運賃動向を表すBDI(バルチック・ドライ指数)が6月中旬以降、一直線の上昇波動を描いている。6月14日から前日までの27営業日で同指数が安かった日は7月8日のみ。26勝1敗はさすがにインパクトがある。水準的にも2200近くまで切り上がり、2013年12月以来5年7カ月ぶりの高値圏で、これが海運株上昇の背景にある。同指数の上昇はホルムズ海峡の地政学リスクの影響もあるかもしれない。とはいえ中国経済が減速方向にあるなか、今のばら積み船の引き合いの強さには注目しておく必要がある。

 このほか、個別では内需のシステム関連株への物色ニーズが健在だ。エルテス<3967>は第1四半期決算発表を受け今月12日に急騰、その後いったん利益確定売りに押し目を形成したが、踏みとどまり切り返してきた。2000円台回復まであと一歩。ここを明確にクリアすれば新波動入りだが、確率は五分五分というところ。ネット上の風評被害や炎上対策などリスク回避ソリューションを手掛けるというのが、今の時流に乗っている。

 また、AI周辺ではフリーランスのIT人材を企業とマッチングさせる仲介ビジネスを手掛けるギークス<7060>が需給面の売り圧力が一巡し地味ながら底入れ足となり、25日移動平均線を上回ってきた。同じくAI関連のシグマクシス<6088>も一時1410円に買われ静かに年初来高値を更新。安定した上昇トレンドを構築しており1文新値で終わるということはなさそうだ。

 日程面では、あすは6月の米新築住宅販売件数が発表される。また、米5年国債入札も予定されている。なお、国内企業の決算発表では日本電産<6594>や信越化学工業<4063>が焦点となる。(中村潤一)

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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