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【特集】テクマト Research Memo(6):新株予約権の行使等により財務内容が良化、M&Aや資本業務提携の必要資金を確保

テクマト <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

3. 財務状況と経営指標
テクマトリックス<3762>の2019年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比7,106百万円増の25,733百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産ではNOBORIの分社化に伴う三井物産からの資本払込み及び第三者割当による新株予約権の行使が進んだこと等により、現金及び預金が5,705百万円増加し、固定資産では投資有価証券が308百万円増加した。

負債合計は前期末比705百万円増加の13,358百万円となった。有利子負債が300百万円減少したものの、ストック収益の積み上がりにより前受保守料が561百万円増加したほか、未払法人税等が167百万円増加した。また、純資産は前期末比6,401百万円増加の12,374百万円となった。配当金支出が347百万円あった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,470百万円を計上したほか、三井物産からの第三者割当増資の払込み等により資本剰余金が2,332百万円増加したこと、新株予約権の行使等により自己株式が1,776百万円減少(純資産は増加)したこと、NOBORIの子会社化等により非支配株主持分が1,144百万円増加したことが要因となっている。

経営指標を見ると、収益拡大と自己資本の増強が進んだことで、自己資本比率が前期末の31.7%から43.2%へ上昇し、逆に有利子負債比率が37.3%から17.1%に低下、財務の健全性が大きく向上した。なお、同社は2018年7月に自己株式250万株の消却を実施(消却前発行株数の10.1%に相当)したほか、今後のM&Aや資本業務提携で必要となる資金を調達する目的で第三者割当による新株予約権(下限行使価額は1,604円)を発行した。2019年3月までの行使率は68%で残り約80万株を残すのみであったが、割当先が4月以降も順調に行使をしたことにより、2019年6月14日までに全ての行使が完了した。現金及び預金は2019年3月末時点で100億円を超える水準まで増加しており、M&A等への投資余力は十分備わったと言えるだろう。なお、行使完了後の自己株式数は238万株(自己株保有比率10.7%)となるが、当面の間は保有する意向となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MH》

 提供:フィスコ

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