【市況】今週の【早わかり株式市況】5週ぶり反発・令和初の上昇、米株高と円高一服が追い風
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
1.日経平均は5週ぶり反発、令和相場に入って週間ベースで初のプラスに
2.米中摩擦懸念と対メキシコ制裁関税の動きなど逆風材料も売り飽き気分
3.週半ばに米株急伸を受け、日経平均は360円あまり上昇し流れ変わる
4.為替のドル安・円高が重荷、売り買い手控えられ週後半は超閑散商いに
5.週末は“閑散に売りなし”を地で行く展開で日経平均は底入れ足を明示
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比283円(1.38%)高の2万0884円と5週ぶりに反発した。
米中摩擦問題が再び激化した5月相場で下値を模索し続けた日経平均だが、6月月替わりで流れが変わったのか、今週は令和に入ってから初めて前週末比プラスとなった。依然として米中間の通商交渉は暗礁に乗り上げたままで、不法移民の流入を巡るメキシコへの制裁関税の話が浮上するなど、外部環境が決して好転したわけではない。しかし、行き過ぎた悲観の振り子が自然の摂理で戻りに入った、そんな印象を受ける週だった。また、週後半は商いが低調を極め“閑散に売りなし”を地で行く展開となった。
3日(月)は米中摩擦に対する警戒感がくすぶるなか、為替が1ドル=108円近辺まで円高が進行し、ヘッジファンドの先物売りを絡め日経平均は190円安。今週は1ドル=107円台に入る場面が何度かあり、株式市場でも警戒された。4日(火)も不安定な展開で方向感なく漂い、結局2円安とわずかにマイナスで着地。しかし、この日の後場から市場には“売り飽き気分”が漂い始めた。5日(水)は前日の米株市場でNYダウが500ドル以上の上昇をみせ、この流れを継いで東京市場も急反転、全体の93%の銘柄が上昇するという全面高で日経平均は367円高と大きく切り返した。6日(木)は薄商いのなか極めて狭いレンジでの推移で2円安。同じ週内に前日終値とほぼ同水準で引けた日が2営業日あったというケースはかなり珍しいのではないか。そして7日(金)は前日の米株高に加え円高が一服したことで、日経平均は110円高とようやく底入れムードを示唆する足となった。
■来週のポイント
相場復調の兆しがあるものの、来週は海外でイベントが相次ぐうえ、14日にはメジャーSQを控えており、不安定な相場展開になりそうだ。ただ、昨日のNYダウは263ドル高と大幅に5日続伸しており、週初は上値を追う展開になるとみられる。
重要イベントとしては、国内では12日朝に発表される4月機械受注統計や13日朝に発表される4-6月期法人企業景気予測調査が注目される。海外では10日発表の中国5月貿易収支や13日に開催予定の日米貿易交渉、14日に発表される米中両国の5月鉱工業生産に注視が必要だろう。
■日々の動き(6月3日~6月7日)
【↓】 6月 3日(月)―― 4日続落、米株安と円高でリスク回避の売り続く
日経平均 20410.88( -190.31) 売買高12億2894万株 売買代金 2兆1136億円
【↓】 6月 4日(火)―― 5日続落、方向感に欠くなかマイナス圏で着地
日経平均 20408.54( -2.34) 売買高12億3931万株 売買代金 2兆1913億円
【↑】 6月 5日(水)―― 大幅反発、米株高を受けリスクオフの巻き戻し
日経平均 20776.10( +367.56) 売買高12億8095万株 売買代金 2兆2402億円
【↓】 6月 6日(木)―― 小反落、薄商いのなか狭いレンジでの展開に終始
日経平均 20774.04( -2.06) 売買高10億6841万株 売買代金 1兆8427億円
【↑】 6月 7日(金)―― 反発、米株高と円高一服でリスク選好の買い優勢
日経平均 20884.71( +110.67) 売買高10億0595万株 売買代金 1兆6359億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、29業種が上昇
(2)ゴム製品が業種別上昇率トップ
(3)自動車、機械など輸出株が買い戻された
(4)内需株は建設、不動産が反発も
情報・通信、サービスなどは低調
(5)非鉄、化学など素材株は総じて堅調
(6)金融株は保険、その他金融が上昇も
証券、銀行はさえない
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 5G ─── 5G基地局に20万機の信号機解放へ
2(3) レアアース
3(2) 人工知能(AI)
4(4) JPX日経400
5(11) レアメタル
※カッコは前週の順位
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