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【特集】市場規模18兆円、成長ビッグウェーブに乗る「BtoC」EC関連株 <株探トップ特集>

ネットを介して商取引を行うEC市場が成長を続けている。昨年、約18兆円まで拡大した市場に投資家の目が改めて向かうことになりそうだ。

―企業と個人の間で取引される「BtoC」の成長加速、EC関連株が再注目場面に―

 インターネットを介して受発注や決済などの商取引を行う「EC(=電子商取引)」市場が安定した成長を続けている。経済産業省が5月16日に発表した調査結果によると、2018年のBtoC(企業と消費者の取引)ECの市場規模は前年比9.0%増の17兆9845億円に拡大し、10年の7兆7880億円との比較では実に2.3倍となった。米中貿易摩擦を背景に世界経済の先行き不透明感が増すなか、今後も伸びが期待できる業界に投資家の目が向かいそうだ。

●目立つスマホ経由での購入

 ECは取引形態によって、企業間の取引である「BtoB」、フリーマーケットをはじめとした個人間の取引である「CtoC」などさまざまな種類があるが、ここ数年で加速的に増えているのが「BtoC」だ。背景にはスマートフォンが普及したことが挙げられ、食品や生活家電、化粧品といった物販分野における18年のスマホ経由によるBtoC-EC市場規模は3兆6552億円(前年比21.5%増)と、物販のBtoC-EC市場規模9兆2992億円の39.3%を占めている。

 こうしたなか、全商取引金額に対するECの割合を表す「EC化率」は6.2%(17年は5.8%)と年々上昇傾向にあり、実店舗からシェアを奪う構図が続いている。消費者は時間や場所を気にせずにショッピングすることができ、事業者側も店舗を持たずにビジネス展開ができるなどのメリットを考えれば、EC市場は更なる成長が見込まれ、株式市場が不安定な動きを続けるなか関連銘柄には投資マネーが流入する可能性がありそうだ。

●北の達人、イデアインタなどに注目

 拡大するEC市場の波に乗っているのが、自社開発した健康美容商品などをインターネットで一般消費者に販売している北の達人コーポレーション <2930> だ。前期にはヒアルロン酸ニードル化粧品「ヒアロディープパッチ」と、足爪ケア用品「クリアネイルショット アルファ」がそれぞれのジャンルで販売実績日本一を達成。主力商品である家庭用オリゴ糖「カイテキオリゴ」などの人気も続いている。今後もネット向けに顧客満足度の高い独自商品の開発を進めていく構えで、20年2月期通期の単独営業利益は27億200万円(前期比45.2%増)を見込んでいる。

 インテリア雑貨やトラベル雑貨などを展開するイデアインターナショナル <3140> [JQG]は、19年6月期第3四半期累計(18年7月~19年3月)のEC事業の売上高が初めて10億円(前年同期比55%増)を突破した。実店舗の販売も依然好調に推移しており、通期の連結営業利益は6億2000万円(前期比49.3%増)が計画されている。

 シュッピン <3179> は、カメラ専門サイト「Map Camera」や時計専門サイト「GMT」などを運営。Web会員数は順調に拡大しており、今年3月末時点では約40万7000人(18年3月末比12.8%増)に達している。今期も新規会員の獲得強化を継続して進め、20年3月期通期の単独営業利益は15億7400万円(前期比9.0%増)となる見通しだ。

 エニグモ <3665> が運営する服飾中心のソーシャル通販サイト「BUYMA(バイマ)」は、日本にいながら国内未入荷や海外限定モデルなどの商品を購入することができる。今年1月末時点の会員数は約614万人(18年1月末比23.1%増)に伸長し、今期もメンズカテゴリーなどを強化することで成長率を底上げし、20年1月期の単独営業利益は24億6700万円(前期比15.1%増)が予想されている。

 このほか、ECサイトを運営するラクーンホールディングス <3031> 、ECサイト構築パッケージ「ecbeing」を販売するソフトクリエイトホールディングス <3371> 、ネットショップ開業・作成サービスを手掛けるGMOペパボ <3633> [JQ]、EC事業者向けに決済サービスを提供するGMOペイメントゲートウェイ <3769> 、ECプラットフォームを提供するグループ会社を持つデジタルガレージ <4819> などにも注目したい。

●目が離せない越境ECを巡る動き

 経産省のEC市場調査によれば、日本から海外消費者にネット販売する越境EC市場も拡大している。18年の中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は1兆5345億円(前年比18.2%増)、米国消費者による日本事業者からの購入額は8238億円(同15.6%増)となった。22年にはそれぞれ2兆5144億円、1兆3925億円に成長すると予測されており、越境EC関連からも目が離せない。

 直近ではピーエイ <4766> [東証2]が5月20日に、中国向け越境EC支援事業を手掛けるキレイコム(東京都千代田区)などと共同で、ベトナム越境EC支援事業を展開するジョイントベンチャーを7月にも設立することを明らかにし、翌21日にはアクロディア <3823> [東証2]が中国アリババグループの企業と中国越境ECサイト「天猫国際(Tmall Global)」内で、IoT野球ボール「i・Ball Technical Pitch」を販売することで基本合意したと発表。女性向け衣料・雑貨を製造販売するANAP <3189> [JQ]は25日から、Inagora(東京都港区)が運営する中国消費者向け日本商品特化型ECアプリ「ワンドウ」で商品の販売を開始している。

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