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【市況】米国株式市場見通し:FOMC議事録に注目


先週は米中両国で輸入関税引き上げの応酬が続くなか、米国が更なる追加関税を検討していることが報じられ、大きく下落する場面も見られたが、貿易摩擦問題のリスクは一旦織り込まれており、株式相場への影響は限定的となりそうだ。トランプ政権が輸入自動車への関税措置について判断を見送っており、各国との関係悪化が急速に進むことも考えにくい。今週は、経済指標や決算の良し悪しで株価が動く展開となるだろう。22日公表のFOMC議事録ではインフレ見通しと利下げの可能性についてFOMCメンバーがどのような議論を行ったのかに注目したい。

23-26日にかけて欧州連合 (EU) の加盟国で欧州議会選挙が実施される。EU離脱協定に合意していない英国も同選挙に参加することになるが、英国ではEU離脱派の「ブレグジット党」が世論調査で支持率首位となり、多くの国民が離脱を望んでいることが伺える。EU全体でもEU懐疑派が勢力を強めていることから、選挙結果次第ではEUの財政政策や移民政策などの見直しに繋がるだろう。

決算発表は、ホームセンターのホーム・デポ(21日)やロウズ(22日)、百貨店のコールズやノードストローム(21日)、ディスカウントストアのTJX(21日)やターゲット(22日)、自動車部品小売のオートゾーン(21日)やアドバンス・オート・パーツ(22日)、家電量販店のベストバイ(23日)など、多くの小売決算が予定されている。その他企業では、食品会社のクラフト・ハインツ(23日)、PCメーカーのHPインク(23日)、法人向けハードウエア・サービス事業のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(23日)などに注目したい。先週は、軟調な小売売上高や米中貿易摩擦の激化に伴い、メーシーズやウォルマートなどに売りが広がった。今週の決算内容次第で小売セクターに更なる売りが広がるだろう。

今週の経済指標は、4月シカゴ連銀全米活動指数(20日)、4月中古住宅販売件数(21日)、5月マークイット米国製造業PMI(23日)、4月新築住宅販売件数(23日)、4月耐久財受注(24日)などの発表が予定されている。4月の住宅着工・建設許可件数が予想を上回り、住宅市場の回復が続いている。住宅ローン金利が低下していることもあり、新築住宅販売件数は堅調な内容となるだろう。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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