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【市況】米中は今後4週間以内に貿易協議で合意することを目指す/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 5日の日本株市場はこう着感の強い相場展開となろうが、引き続き底堅さが意識されることになろう。4日の米国市場では米中通商協議が最終局面に入り、貿易摩擦解消に向けた両国の合意期待から買いが先行し、NYダウは166ドル高となった。また、トランプ大統領は、連邦準備制度理事会(FRB)理事候補に利上げ反対派でカンザスシティ連銀幹部を務めた経歴のあるハーマン・ケイン氏を指名する意向と伝えられており、利下げ圧力への思惑等も材料視されている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円高の21770円。円相場は1ドル111円60銭台とやや円安に振れて推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢の相場展開になりそうである。ただし、東証1部の出来高は12億株程度、売買代金についても昨日は2.1兆円と2兆円を辛うじて超える低水準であり、インデックス主導の売買に振らされやすい面はある。また、米国では雇用統計の発表を控えている。ADP雇用報告などの弱い内容から想定済みの面はあろうが、結果を受けた米国市場の反応を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすいところ。

 何より貿易摩擦解消に向けた進捗度合いを見極めたいところである。トランプ大統領は、米国と中国が今後4週間以内に貿易協議で合意することを目指していると述べたと伝えられている。一方で期待された中国の習近平国家主席との米中首脳会談の実施は発表されなかったため、期待のみでの上昇は見込みづらいところはある。

 また、大型連休が近づいていることも、積極的な売買を手控えさせるであろう。しかし、日経平均は25日線が支持線として機能しているが、5日線と25日線との短期ゴールデンクロス示現により、今度は上昇する5日線が支持線として意識される。こう着ながらも、もち合いレンジの上限レベルでの推移をみせており、レンジ上限の突破を試す動きはありそうだ。

 さらに、大型連休を前に積極的なポジションは取りづらいとはいえ、リバーサルの流れは強まりやすい。また、長期的なポジションについては、断続的な資金流入が期待されるだろう。マイクロン・テクノロジーの下落影響からハイテクの一角は手掛けづらくなりそうだが、景気敏感セクターへの買い戻しとみられる動きは引き続き意識されやすいと考えられる。その他、個人主体の材料株については、信用需給妙味の大きい銘柄などへは、逆日歩を意識した思惑も買いに向かわせよう。
《AK》

 提供:フィスコ

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