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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「2月、個別株勝負」

株式評論家 富田隆弥

◆パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長がハト派色を強めたこともあり、米国株は戻り歩調をさらに強めた。1月30日にNYダウは高値2万5109ドルを、ナスダックは7201ポイントをつけ、12月の下げ幅に対して8割近く戻し、日足はV字回復の強さを見せている。チャートの強い回復ぶりは需給改善につながるため注目される。ただ、米中通商協議の進展やアップル、エヌビディアなどの業績(見通し)下方修正を織り込んでの上伸は、再び「イイとこ取り」を強めているようにも映る。

◆米国株の上昇を受けて日経平均株価も31日現在2万0773円と堅調ではある。ただ、21日高値2万0892円以降は足踏みでネックライン2万1000円にいまだ届かず、12月の下げ幅に対しても戻り率51%と歩調は緩慢だ。その日本株の緩慢な動きの背景には、(1)もたつく為替、(2)中国関連株の業績不振、(3)サンバイオショックなどがある。

為替(ドル円)の日足は年初の104円台突っ込みから23日109円99銭と大きく戻し、年初に空けた窓(110円)をほぼ埋めにきた。だが、25日移動平均線を抜けずに現在108円台で足踏みとなっている。パウエル議長のハト派発言も「ドル安/円高」を誘い、チャートは円高基調から抜け出せずにいて「戻りは窓埋めまで」となりかねない状況だ。

◆日本でも第3四半期(4-12月)の業績発表が始まった。半導体関連など好調なところもあるが、安川電機 <6506> や日本電産 <6594> 、そしてファナック <6954> など中国関連の主力株に下方修正が目立つ。また、消費・小売り関連、ネット関連にも不振なものが多く、市場関係者が口にする「業績悪は織り込んだ」と本当に言えるかは疑問だ。

◆再生細胞医薬品「SB623」が臨床試験で評価を得られず、30日にサンバイオ <4592> [東証M]と大日本住友 <4506> がストップ安となり、バイオ関連銘柄が幅広く売られた。サンバイオは昨年10月末の3400円処から1月1万2000円台へと急騰し、バイオベンチャーに夢と希望を与えていただけにそのショックは計り知れない。ただ、今回の問題はあくまでも「SB623」に関するもので、バイオ関連株が軒並み売られたのは過剰反応だろう。臨床試験をパスした有望薬もあり、そういうバイオ関連株は押し目買いの好機となろう。

◆また、個別株では好財務で低PER、低PBRで株価が安値圏にあるなら待ち伏せてみるのも一策、悪くない作戦だ。

◆さて、2月となり、ここは「節分」でもある。大きく戻してきた米国株はスピード調整が不可避だろうし、動きの鈍い日本株は中長期的な先安不安を払拭できないでいる。とはいえ、12月下旬のセリング・クライマックスを経たばかりでもあり、日経平均はしばらく1万9500円~2万1000円で大きくもみ合う可能性がある。そうなれば、しばらく個別株勝負の地合いが続くことにもなる。

(1月31日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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