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【経済】EU離脱交渉の行方


 英国議会下院は15日、メイ首相のEU離脱協定案を反対432、賛成202で否決した。議会での否決は大方の予想通り。報道によると、野党・労働党のコービン党首は採決結果を受け、メイ政権の不信任案を提出した。採決はロンドン時間16日午後7時に行われる予定だが、市場関係者の多くは、不信任案は否決されると予想している。

 メイ首相は超党派の議員らと協議すると述べているが、政権に好都合の案が提示されるとの見方は少ないようだ。EUのトゥスク大統領は「EUにとどまることが英国に取り唯一の前向きな解決策」との考えを示したと伝えられている。EU離脱を巡る英国政府の今後の対応については、以下のシナリオ(スケジュール)が予想される。

<1月21日>
 メイ首相は今月21日までに、英国の次の計画を提示する見込み。早ければ18日にも提示される可能性がある。首相はEUから何らかの了解を新たに得ることによって、離脱協定案について議会採決を行う可能性がある。報道によると、ハモンド英財務相は、15日に行った財界首脳や幹部らとの電話会議で、EUとの離脱交渉期限の延長を求める可能性を否定しなかったようだ。

 ただし、政府による延長要請を実行するためには、明確なプランを事前に用意する必要がある。ドイツ政府報道官は15日、メルケル独首相が英国のEU離脱でメイ英首相に譲歩したとの英紙サンの報道を否定しており、EU側から何らかの了解や言質を得ることは難しいとみられる。

<1月末頃>
 野党労働党は、EU離脱協定案の否決を受けて、内閣に対する不信任決議を提出した。同決議は議会で否決される可能性が高いが、仮に半数が不信任に投票した場合、労働党は14日以内に過半数の支持を得て政権を樹立できることを示す必要がある。この場合、総選挙を行う必要はない。ただし、労働党が新政権を樹立できない場合は総選挙が公布される。

 英国が欧州連合(EU)から離脱するため、リスボン条約第50条を発動させることになる。50条発動によって、離脱の条件に合意するために英国とEUには2年間の期間が与えられる。メイ英首相は2017年3月29日に第50条を発動したため、英国の離脱時期(期限)は2019年3月29日(金曜日)となる。EU加盟国全28カ国が合意すれば、延期することは可能だが、ドイツなどが反対するとみられており、延期は難しいとみられている。
《MK》

 提供:フィスコ

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